中国産輸入ラベンダーからどれほどの精油が採れるのか?
上のラベンダー記事を覚えてらっしゃいますでしょうか?
某大手通販サイトでラベンダーとググるとトップで出てくるこの格安ラベンダー。
およそ2年前の上記noteにて、10/26に食べて味わってみたんですよ。
日本の北海道育ちラベンダーの3号濃紫はエグみなどそこまで目立たなかったものの、中国産ラベンダーは農薬でもぶっかけてんのか!ってくらい苦味エグ味がひどかったのを覚えてます。
(こ、これを紅茶に混ぜてる人って、、、)
ということで初回記事以来、まったく使いどころがなかった輸入ラベンダーポプリですが、今年度蒸留器がやってきたこともあって、やっと日の目を浴びれる日がやってまいりました。
そうです、オイルを採ってやろうと!!
2年前の試食noteでは「ラベンダー乾ききってるしオイルでねぇんじゃね?」とか言い切っちゃってるんですが、学を深めること後々にオイルは乾かないような構造体で保存されているということを知りました。
なのでよほどのことでもない限り、ラベンダーオイルは採れるハズです!
ということを踏まえて、やっていきましょ〜う!
■格安なのでとりあえず量を揃えた
素材量を揃えた方が抽出率もわかりやすいよねってことで!
およそ1キログラムで揃えましたbb
素材費用は¥1499+2499+2499=¥6,497でした!(輸入品なので時価)
大袋入りのものは商品公称445グラム売りだったのですが、実際の重さにバラつきがありますね。
左は11グラム多く、右は11グラム少ない結果に。なぜ揃う((笑
丸ケースのものに限っては、当初115グラム公称のものを仕入れて食用分にスプーン2杯ほど消費していますが、それでも+28グラム多い結果に。
もしや容器重量分か?
えーこれらが購入品になりますな!詳細等気になればみてみてください。
さーてこのドライラベンダー1キロから果たしてどれほどの精油が採れるのか。。。
■事前の品質チェック
大量生産ロットなのでポプリと不純物の選別が甘いのか、葉っぱが多く含まれていますね。
ラベンダー精油業界の常識では、葉っぱや茎部分が蒸留素材に混ざるとラベンダーのもつ防虫成分である
Camphor / 樟脳 Borneole / 竜脳 1,8Cineole / シネオール
などの値が高くなり、鼻を突く香りや目がさめるようなスースー感がつく原因となります。
葉っぱや茎はイモムシやアブラムシなどに食害されないよう、このような防虫物質を備えているとされます。
一転、花に防虫成分を備えると花粉の運び屋であるミツバチ類が寄り付かなくなるので花部分にはほぼ含まれていません!(そこがオモシロイ…)
今回はこのラベンダー製品の精油品質を確かめる目的なので、これら葉っぱを含めて蒸留しちゃいます!
ポプリの時点でのアロマは、ファーム富田さんのオカムラサキポプリと比べると弱いですが、しっかりとシャープなラベンダーの香りがします。
香りがある、ということは精油も採れるはずです!
■いざ蒸留してみる!
ではいざ検証!
重量検証でしっかりと1kgのボタニカルを用意できています。
(素材充填の様子)
ポプリは細かい素材なのでそのまま蒸留器にザザーッとは流し込めません。
なので洗濯ネットいくつかに分けて入れ、それを釜に敷き詰める蒸留方法をとりました!
みかん蒸留のように多量の水と一緒にまぜ入れる方法も思いつくんですが、釜底の水が減ってくると遊離できず鍋底でコゲ付く可能性があるので控えています。
その方がしっかりと抽出できる気がするんですけどねw
袋についた線毛片もしっかり回収して釜に収めますbb
この色付き水に変えている原因がラベンダーの紫色をした極細の毛のような細胞なのですが、その細胞らに精油が含まれています。
それら含めてキッチリと蒸留します!
いやほんと、¥6000かけてまったく精油採れなかったらどうしようね。。。
ラベンダー業界に激震だね。。。
■はたして抽出結果は・・・!?
蒸留開始直後のようす。
しっかりラベンダーオイルが出てきました!やっぱり含まれていましたね!
ラベンダー精油は針葉樹に比べて抽出ペースが早いですねぇ!
その後も勢い止まることはなく。。。
うっすらと黄色味がかったラベンダーオイルがしっかりと溜まっています。
セパレータの口を塞いでるので濃い香りはしてきませんが、ラベンダーの甘い香りがラボを漂っています…!((癒される!
黄金色に輝いていて美しいのでもう一枚パシャり!
いやぁ〜〜〜美しい・・・
◆1時間半の蒸留終了後…!
おおよそ、トドマツと同じくらいの量が採れましたね!
量産品のラベンダーポプリからでも、一応はラベンダーオイルを抽出することが可能なようです!(品質はどうであろうか?)
ざっと、この結果がドライラベンダー1キログラムからの抽出量基準値となります。
ざっと24mL程度といったところでしょうか?
原材料の単価は¥6,497+a,,,
加えて、追加蒸留。(実験なのでしっかりやる)
材料が洗濯ネット内で偏っており蒸気が素抜けしている気もするので、ポプリをもう一度揉み込んで蒸留してみます。
今までの勉強が正しければ、セスキテルペン類(C15)のカリオフィレンやファルネセン、ムウロレンなどが主として抽出されるハズ…
(絞りきってやるぜ!!!)
◆本当に採りきれた?ポプリを揉み込んでもう一度1時間…
揉みしだいた結果かはわかりませんが、継続して1時間ほど蒸留してみると3mLほど追加で精油が得られました!
色も黄色が濃くなっているので、より構造の大きく質量が大きいセスキテルペン類の芳香物質が主として抽出されたのでしょう!
指にまぶして香ってみると1回目で得られた甘くスーッとするアロマから、甘く重い焼き芋のようなアロマに変化していました!
●総論!
オフシーズンに絞りたてのラベンダーオイルが欲しい!必要なんだッ!ってときにアマゾンで急遽安い大陸製輸入品のラベンダーポプリを蒸留することでも、ラベンダーオイルは抽出できることが確かめられました!
よって今回蒸留実験に使ったラベンダーの香りは「本物である」といえるでしょう!
しかしながら課題なのが、オイルの品質。。。
◆ラベンダー油は採れるが、香りの質が不明な件。
精油の香りを構成する酢酸リナリルとかミルセンとか樟脳とかの含有率が問題ですよね。
産地と品種が不明なので、おおよその推定が効きません。
よって、得られたラベンダーオイルの品質は、
「謎品種のグレードの低いラベンダーオイル」
というLow Qualityなものになってしまうでしょう。。。
しかしながら、貴重なサンプルが手に入ったので、余りはキャンドルやブレンドオイルなどに活用しつつ、自家栽培のラベンダー各品種のオイルと官能し比べてみたいと思います。
蒸留が終わった後の残渣も、アロマ線香などに再利用しアップサイクルをしっかり図っていこうと考えています!
ではでは!!
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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。