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【蒸留日記vol.68】和ハーブのドクダミを蒸留してみる!
えーこんちわこんちわ!
野生アキレアの蒸留がひと段落して一息モードに入ってる青の魔術師エフゲニーマエダでっす。
6月中はアキレアの集中的な蒸留シーズンでしたね…おかげさまでかなりの物量と研究データをともに収集できました!
・・・とはいっても"野生アキレア”の話なんですけどね。Achillée millefeuille "sauvage"です。
アキレア属植物の蒸留自体はまだ終わってません。
お次は今年苗やタネで植えた”栽培種アキレア”の蒸留が地味に待っています。笑
話を本題に移して、数年前からやりたいやりたいと思っていながらもなかなか他の蒸留で実施できていなかったドクダミ蒸留を、今日ついにやってみたいと思います。アキレア蒸留の休暇がてら。
ラベンダーマガジンでもちょこちょ書いてんですが、うちのラベンダー研究園が広がっている土地は谷あい地形なのでラベンダーやアキレアなど日当たり乾燥を好む植物にとってはわりと不適地で、低日照とジメジメ度が高い土地環境なんですね。
ということもあって、セイタカアワダチソウやドクダミがまさに自分たち夢の楽園を作っているというワケなんです。
そんなこともあり、いくら刈っても生えてくるしつこい雑草認識でしかなかったドクダミをついに本日ハーブとして活用してやりたいと思います。
■ドクダミ(Houttuynia cordata)の簡単なプロフィール!
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前回の野草蒸留はシソ科カキドオシだったんですが、今回は珍しい単科単種のドクダミ科ドクダミ属ドクダミ(Houttynia cordata)でっす!
単科単種なので他に近しい仲間が居ないという、イチョウやセコイヤみたいなもんですね。
しかもイチョウやセコイヤと同じ東アジア原産の植物だったりします。
お花は毎年春に咲くヤナギの花にソックリで、葉っぱはフチが赤みを帯びるサツマイモのような葉っぱをしています。
花びらはキレイに4対で開くのでシソ科植物のように葉っぱも対生か?というとそうではなく1枚1枚互生で付くようです。なかなか個性的な育ち方を見せる…
ドクダミは進出性が強く地下茎で拡がるようなので、わりと一群モッサリと生えてるようです。
そして大木や家屋の日陰など涼しく湿ったところを好んでよく育つようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1688890012099-6NSq6ClUhj.png?width=800)
エフゲニーマエダは小さい頃から「ドクダミ」という名前からして毒持ってるヤベー草!だと思ってたんですが、、、
意外にもおばあちゃんとか毎年摘んで健康のために和ハーブ茶にして飲むくらい一般に広く浸透した和ハーブだったんですのよね。
蒸留をはじめてから知りました。笑
それもそうと、ドクダミが広がってる草地を鎌で刈り込むと甘味を持ったレモンのような香りがあたりに広がるんですよ。
どうやらその香り成分がドクダミの持つ生薬成分のようなのです。
■わんさか生えてるドクダミ集めるよ!
![](https://assets.st-note.com/img/1688889814166-QGCPwpS23L.png?width=800)
わが家ラベンダー園の端のあたりです。
白い花が目立ってわんさか生えてますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1688888479957-KOcPlnQLJg.png?width=800)
生えてます生えてます。
こことかもうドクダミしか生えてないくらいわんさか生えてます。
北海道の谷あいの地域は日陰が多くなるのでこのようにドクダミがわんさか生えてくれます。まぁハーブドクダミには困らないでしょうね…w
これだけあればオイル採る分もすぐ集まってくれそうです。
ではさっそく収穫します。
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ハーブ蒸留家の常識(もはや)としては、植物がいちばん虫に食われたくない部位であろう花に精油を多く持つっぽいので、花のついたわりと大きめのドクダミを集中的に刈り込んで収穫していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1688890202624-tIY2puJzUB.jpg?width=800)
はい収穫完了です。25Lバケツ(蒸留釜と同じ容量)ですが、あふれんばかりにモッサモサのドクダミブーケと化してしまいました。
ビジュアルが素敵だったので、見頃を迎えてるわがラベンダーたちと共に撮ってやりました。いや〜美しい!!
■いざ蒸留!
![](https://assets.st-note.com/img/1688890312960-yhLWxxdVy1.jpg?width=800)
で、先ほどのバケツから溢れ出ていたドクダミブーケをザクザク粗めに刻んで細かくしました。凄まじいドクダミ臭です。フレッシュですね!(気分も爽快!)
ドクダミはわりと万人から愛される和ハーブでもあるためか、そこまでくどい嫌な匂いではないんですよね。
基本的にレモンのようなシトラスな香りに甘み丸みがあって、かつ洗濯物のような清潔ないい香りがします。
まさか洗濯洗剤の香りってドクダミエキスとかだったりしないよな…!?
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ぶちこみました。物量としてはギリギリって感じですね。
ドクダミは2キロ分集めると蒸留釜を満たせるちょうどいい収穫量のようです。
■蒸留結果は…!?
![](https://assets.st-note.com/img/1688899384085-af8HbF6owT.png?width=800)
まずい!!笑
抽出以前に冷却管など通気管を洗浄しきれていなくてしっかりカマズレンの青が移ってしまい、ドクダミ精油が青く色づいてしまいました・・・!!
香りはアキレア精油の香りを感じることなく、しっかり濃いレモン香がします…!!
1.収油率
![](https://assets.st-note.com/img/1688899582504-YIWK9luVEn.png?width=800)
抽出量[ 0.8mL ]÷ 素材重量[ 2034g]x 100 = 0.039%
ドクダミは刈り込んだりちぎって嗅ぐるとしっかりTheドクダミ!の香りがするんですけど、いざ水蒸気蒸留してみると得られる精油の量はそこまで多くないみたいです。
けど分析的には、時期や早朝か昼下がりかでもまた得られる精油の量が変わってきそうです。
2.香りとか
さてさてお楽しみの生薬成分濃縮のドクダミ100%精油の香りははたしてどのようなものか!?
香りを味わってみます。
しかしこの精油の香りはまさしくドクダミの持つレモン様の柑橘香が濃縮されて濃くなったような、イメージ通りの香りがします!
抽出量はかなり少ないですが期待を裏切らないいい香りがしますね!
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