きっと見つかる好みの一杯!スペインのコーヒー大辞典
こんにちは、しえです!いつもご覧下さりありがとうございます!
スペイン大好きな私が、スペイン滞在中に「ああ、今人生で最高に贅沢な時間を過ごしている!」と思う瞬間があります。それは天気の良い日、午前中からテラスに座ってコーヒーを飲んでいる時!
スペイン滞在の楽しみのひとつにこのテラスでコーヒーが上げられます。何をするでもなく、コーヒーを飲みながらテラスでゆったり過ごすのが本当にたまりません。人生の贅沢が詰まってると思う。
スペインのコーヒーはとってもおいしい。薄かったり酸化していたり、おいしくないコーヒーに出会ったことがありません。しかも種類も豊富で気分によって選ぶことができます。ぜひ、旅行に出かけた際に試してほしい!
そこで今回はスペインのコーヒーの種類をご紹介!これでバルやカフェで迷うことはありません。ぜひ、最後まで!
スペインのコーヒー事情
スペイン人たちは朝起きて、午前の休憩に、お昼ごはんの後に、夕食の後になどコーヒーをよく飲みます。コーヒー豆の輸入量はヨーロッパで第4位と高く、国民の70%が毎日コーヒーを飲んでいるのだとか。
コーヒーは基本的にエスプレッソで、ハンドドリップのコーヒーはあまり見かけません。日本のようなお湯で溶かすインスタントコーヒーもあるにはありますが、種類豊富ではありません。
コーヒーチェーン店はとても少ない
コーヒー好きのスペイン人たちですが、街の中を見渡してみるとスターバックスやコスタコーヒーのような世界的なコーヒーチェーン店はあまり見かけません。
ヨーロッパ最大のコーヒーチェーン店、イギリス発祥のコスタコーヒーもスペインにあるのはたったの7店舗。しかもそのうち6 店舗がマドリードにあり、残り1店舗はバルセロナにあります。以前はもっとあったみたいですが、閉店しています。
日本ではあちこちに見かけるスターバックスもスペイン全土で152店舗のみ。日本の店舗数は1900を超えているので、10分の1にも満たないことになります。
コーヒーはバルやカフェで飲む!
インスタントコーヒーもあまり飲まない、コーヒーチェーン店も少ない、ではスペイン人たちは一体どこでコーヒーを飲んでいるのでしょうか。答えはバルやカフェテリア!スペインのコーヒー文化はバルやカフェテリアと強く結びついており、どこででも注文できます。
お酒と料理を楽しむ場所というイメージの強いバルですが、「どれだけ料理がおいしくても、コーヒーがおいしくないバルは流行らない」と言われるほど。
テイクアウトもバルででき、朝はコーヒー片手に職場に向かう人の姿を多く見かけます。日本のコンビニコーヒーのような立ち位置ですね。
スペインのコーヒーは種類豊富!解説します
バルやカフェテリアで注文することができるスペインのコーヒーは種類も豊富!好みやその時の気分によって「今日はこのコーヒーにしよう」と選ぶことができます。
種類が多いということは、旅行者にとってみるとその分複雑で分かりにくい。でも大丈夫!スペインオタクがスペインの主なコーヒーを解説致しましょう。
Café solo(カフェ ソロ)
まずは一番ベーシックなCafé solo(カフェ ソロ)から。カフェと後ろにアクセントをつけて発音します。ソロとは「〜だけ」という意味で、その名の通り何も加えられていないブラックのエスプレッソコーヒーのことです。
通常小さいカップに入れてサーブされ、お砂糖も入れずに飲むのが主流です。
Café corto(カフェ コルト)
カフェ ソロでも十分に強いコーヒーなのですが、それを上回る濃いコーヒーがこのCafé corto(カフェ コルト)です。
カフェ ソロと同じ分量のコーヒー豆を、おおよそ半分のお水で抽出するのかカフェ コルト。カフェ ソロと同じカップでサーブされますが、量は少なく風味は濃くなります。
Café largo(カフェ ラルゴ)
カフェ コルトとは反対に、2倍のお水で抽出したのがCafé largo(カフェ ラルゴ)です。イタリアが発祥で、Café lungo(カフェ ルンゴ)と呼ばれることもありますがラルゴで伝わります。
コーヒー豆の分量は同じなため、エスプレッソだと濃いけれどブラックの濃いめのコーヒーを飲みたい時はこのカフェ ラルゴを注文しましょう。
Café americano(カフェ アメリカーノ)
カフェ ラルゴとの境界線があいまいに見えて、違うものとして扱われているのがCafé americano(カフェ アメリカーノ)です。アメリカンコーヒーですね!
カフェ アメリカーノとカフェ ラルゴの違いはエスプレッソマシンを使うか否かです。カフェ ラルゴはマシンを経由して倍量のお水を加えますが、アメリカーノは通常量のお水で抽出したエスプレッソに、後からお湯を加えます。
エスプレッソを薄めているので、カフェ アメリカーノの方が優しい味わいで飲みやすいコーヒーになります。
Café solo doble(カフェ ソロ ドブレ)
ダブルという意味のドブレ。コーヒー豆が2倍という意味ではなく、カフェ ソロの分量が2倍になったコーヒーです。カフェ ソロはブラックで飲むのが好まれますが、カフェ ソロ ドブレはミルクも一緒にサーブされることが多いです。
エスプレッソは量が少ないため、強いコーヒーをたっぷり飲みたい方はこのカフェ ソロ ドブレを注文してくださいね。朝に飲むのにぴったりです。
Café con hielo(カフェ コン イエロ)
https://elpais.com/gastronomia/el-comidista/2016/06/03/articulo/1464957383_989010.html
暑い夏になると冷たいコーヒーが飲みたくなりますが、スペインには日本のようなアイスコーヒーは存在しません。アイスコーヒーに一番近くなるのがこのCafé con hielo(カフェ コン イエロ)です。
conは英語のwith、hieloは氷という意味のスペイン語なので、日本語に訳すと「コーヒーと氷」。その通り、温かいエスプレッソと氷の入ったグラスが一緒に出されます。
たっぷりの氷に淹れたてのエスプレッソを注ぎ、薄めながら飲むのがこのカフェ コン イエロ。初めて飲んだ時には日本のアイスコーヒーとは違う濃厚なおいしさに驚きました。
Café con leche(カフェ コン レチェ)
コーヒーはミルク入り!という方はCafé con leche(カフェ コン レチェ)を頼みましょう。カフェ コン レチェはコーヒーとミルクの割合が半分ずつのミルクコーヒーです。
大きめのカップに注がれたエスプレッソに、温めて少しだけホイップされたミルクを注いで出来上がり。どこでもいつでも飲める一番人気のコーヒーです。
Café cortado(カフェ コルタド)
カフェ コン レチェよりもコーヒーの風味が濃い、けれどミルク入りなのがCafé cortado(カフェ コルタド)です。エスプレッソのような小さいカップに注がれて出てくることが多いですね。
カフェ コルタドはエスプレッソが75%、ミルク25%が主流。カフェ コン レチェよりミルクの割合が少なく、しっかりとホイップされたふわふわのミルクが注がれているのが特徴です。
Café manchado(カフェ マンチャード)
エスプレッソの割合が高いミルクコーヒーが存在するのですから、もちろんその反対もあります。Café manchado(カフェ マンチャード)はエスプレッソが25%、ミルクが75%の優しいミルクコーヒーです。
スペインのコーヒーはエスプレッソが一般的なため、日本のコーヒーを飲み慣れている方は苦いと感じることも。そんな時はこのカフェ マンチャードを頼んでみてください。コーヒーは飲みたいけれど苦いのは苦手という方におすすめですよ。
ちなみに、スペイン人たちはカフェ コン レチェやカフェ コルタード、そしてこのカフェ マンチャードのようなミルク入りコーヒーを甘くして飲むのがお好き。小分けのお砂糖が一緒に付いてくるのですが、他のヨーロッパ諸国が5グラム入りなのに対し、スペインの場合は8グラム入りだとされています。
全部入れてしまうとかなり甘くなるので注意してくださいね。
Café bombón(カフェ ボンボン)
https://youtu.be/qDUwsxlTlbI?si=RUx8FrgNwhKhhLas
ここまで朝に飲むのにぴったりなコーヒーの種類を紹介してきましたが、午後、甘いものがほしい時におすすめなコーヒーも存在します。
日本にもホイップたっぷりの甘いコーヒーがありますが、スペインの場合は練乳たっぷりのCafé bombón(カフェ ボンボン)が好まれます。エスプレッソの同じ分量の練乳が加えられ、2層、またはホイップミルクをのせて3層になった状態でサーブされるカフェ ボンボン。スペインのコーヒーの中では一番甘いものとされています。
たっぷりの練乳をスプーンでよく混ぜると、とろりとしたテクスチャーに早変わり。デザートコーヒーのような立ち位置です。
Café carajillo(カフェ カラヒージョ)
https://youtu.be/0m7uSUyKHQQ?si=Zj7BHvUliBKyImU0
カフェ ボンボンが午後にぴったりのコーヒーなら、夜飲むのにぴったりなのがCafé carajillo(カフェ カラヒージョ)。ブランデー入りのコーヒーです。日本でも時々見かけますね。
スペインのバルでは夜になるとこのカフェ カラヒージョが多く注文されています。ブランデーを加える場合が多いですが、お店によってはウイスキーや香りの良いアニス酒が使われる場合もあります。
お酒の分量はエスプレッソと同じくらい入っているので、アルコールに弱い方は注意してくださいね。中にはカフェ カラヒージョを注文すると、アルコールは飛ばすかどうかを聞いてくれることもあります。
種類は多いけれど注文は簡単!
以上11種類がスペイン全土で飲まれるコーヒーの種類です。好みのものは見つかりそうでしょうか?
どこのバルに行ってもあると考えて良いと思いますので、ぜひ注文してみてください。私はカフェ コン レチェやカフェ コルタード、夏はカフェ コン イエロをよく注文します。
コーヒーの種類が多いので、例えば旅行中、英語で「coffee,please」と注文をすると「どのコーヒー?コン レチェ?」などと聞き返されてしまいます。種類がたくさんあるということを知っているだけで、好みのコーヒーが注文できるようになりますよ。
注文の仕方はとっても簡単!コーヒーの名前をカウンターで伝えるだけで大丈夫です。ちょっとコミュニケーションを取ってみようかな、という方は
Para mí,café con leche,por favor(パラ ミ カフェ コン レチェ ポルファボール)
と言ってみてください。「私にはカフェ コン レチェをお願いします」という丁寧な言い方になります。
コーヒーにうるさいスペイン人
実は他にも生クリーム入り、シナモン入りなどさらに細かく分かれていますが、この辺りは好みによるので一般的ではありません。今回ご紹介した11種類で十分にスペインのコーヒーを楽しめると思います!
コーヒーの種類をここまで細かく分けてしまうなんて、スペイン人たちはどれだけこだわりが強いんだ、と思いませんか。それぞれの名前を覚えるのはちょっと面倒ですが、覚えてしまえばスペインでおいしい自分好みのコーヒーに出会うことができますよ。
スペイン旅行の際、ぜひ様々な種類のコーヒーを試してみてください!新しい好みに出会えるかも。
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