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心地よく生きるために。スペインが教えてくれた、「NO」と言うことの大切さ

こんにちは、しえです!いつもご覧いただきありがとうございます!

EURO2024が始まりましたね!これから約1ヶ月の間、熱い寝不足の日々が続きます。

スペイン代表を応援するための大切な時間、邪魔な飲み会や接待や残業は完全に排除したい。飲み会や接待はすべて断りますし仕事も調整します。人の目?今はもう、気になりません。私の特技はNO!と言えることです。

この「NO」と言えるメンタルは、元々持って生まれたものではありません。スペインでの生活が私に与えてくれた、幸せに生きるために大切な力なんです。

今回はスペインが私に教えてくれた、「NOと言うことの大切さ」についてご紹介します!


NOと言えなかった頃

忍耐は必要な場面でするべき、と思う

行きたくないものには行かない。嫌なことは嫌。自分が楽しめることを最優先していいんです。自分の人生だもの。

私がこのように考えられるようになったのは、スペインでの長期留学を経験してからのことです。

元々の私は、誘われたり頼まれたり勧められたりしたらNOと言えない性格でした多少自分の予定を曲げてでも飲み会に参加したり、バイトに出かけたりするような若者でした。

断れなかった理由

どうしてNOと言えなかったのか?今となって考えてみると、断ったら嫌われるかもとか、せっかく誘ってくれたのにとか、相手が困ってるから行こうとか、そんな理由だったと思います。しかも「できる限りNOと言わないこと」が普通だと思っていました。

バイト先に来るお客さんの言うことは絶対でしたし、上司の言うことも聞くべきと信じて疑わない性格でした。ま、ビビリで真面目な若者でしたね。

ビビリはスペインに行くまで変わりませんでした。初日はスペイン語を喋るのも恐ろしく、電気の付かないホテルの部屋で顎を強打するというひどくマヌケな体験をしています。詳しくはこちら。

断れない私に襲いかかる現実

2日目で現実を見た

しかし、NOと言えないことがトラブルを招くと思い知ったのは、スペインに到着してなんと2日目のことでした。早々に痛い目に遭ったんです。

マドリードで散々な初日を過ごした私は2日目、ホームステイ先に到着し意気揚々と街の散策に出かけました。私が留学先に選んだ街は世界遺産があるマドリード郊外の小さな街。いくら気の小さい私でも、怖がらずに散策に出かけられる雰囲気でした。

世界遺産も見たいし、これから住む街も見たい。昼間だし人もいっぱい歩いているので、まったく問題ない雰囲気でした。

今考えれば隙だらけ

家からすぐそこに世界遺産があり、賑やかな通りもある。当時は初めてのヨーロッパ。

見るものすべてがとっても新鮮で、地図を片手にウキウキしながら散策を楽しんでいました。今から考えると地図を持ってスペインの街を歩く、なんて「私はよそ者です」と言っているようなものなので危険。ですがそんなこと、当時は思いつきもしませんでした。

きれいな街だなあ、こんなところに長期間住めるんだなあ!学校も見に行けたし明日から楽しみだなあ!と幸せな時間を過ごしていた時、声をかけられました。「この街は小さいから、地図なんていらないよ!」と。

NOと言わないから付いてくる

もうお願いだからどっか行って

地図を持って歩いている明らかによそ者の私に声をかけてきたのは、20代後半くらいの男性。到着したばかりの街なので、もちろん知り合いではありません。

「どこから来たの?」「旅行なの?」「スペインに来たのは初めて?」など質問され、私は立ち止まって律儀に答えてしまいました。昨日はタクシーで行き先を言うのも緊張していたのに、意外とスペイン語が分かる、という嬉しさもあった。結構会話できるやん、自分!みたいな。

ニコニコと質問に答えてしまった、この初動が悪かった。悪すぎた。立ち去ろうとしたけれど、「今から街の中を案内してあげる!」と付いてきてしまったのです。

うざいのに撒けない

「えぇ・・一人で楽しんでるのに・・」心のなかではそう思っています。しかし「案内してあげる!」と言われて断ったら悪いかなというビビリでヘタレな性格のせいで、はっきりとNOと言うことができませんでした。

スペインでは、NOと言わないのはシィ(YES)と同じ。私の本心になんて気付きもしません。空気を読んでくれと願いましたが、暖簾に腕押しです。

せっかく一人で楽しんでいたのにずっと付いて来られ、愛想笑いも限界なのにまったく空気を読まれず、挙げ句の果てには手を握られ、振り払ってやっとこさ「NO」と口にしました。でも、相手も引き下がりません。

最後は走って逃げた

嫌!ということを言えない自分

明日ワインのおいしいレストランに連れて行ってあげる、友達になろう、スペインの生活を教えてあげるとしつこいしつこい。

お酒は好きじゃないし、得体の知れない人と友達になんてなりたくありません。家に帰りたいけれど場所を知られるのは嫌なので、ここで撒かなければ帰れません。

「もう家に帰ります」と言っても電話番号を教えてくれ!と食い下がるので、日本の電話ですと適当な数字を言って後は走って逃げました。

自分が最初にNOと言えないせいで散々です。なんなのスペイン。あかんわこの国、NOはNOと言わなければ面倒くさいことになる、と悟った瞬間でした。

この男の人、後日エンカウントしました。この出来事から3ヶ月後くらいかな、街の中で。声をかけられましたが「NO」で通しました。3ヶ月でNOを言える日本人に、私はなったのです!

NOが必要な場面は多い

空気を読む能力は、スペイン人にはない

たった3ヶ月でNOと言えるようになるのか?なるんです。少なくとも私はなった。スペインは日本よりはるかに、NOと意思表示をしなければいけない場面が多い。

NOと言わないとまったく伝わらないということを、日々の体験を持って学びました。以下、私が経験したNOと言うべき場面の一部です。日常的に起こるもので、これ以外にも単発でNOと言うべき場面はもちろんやってきますが・・。

◯◯してあげたからお金払って

まず一番多いのがこれですね。頼んでもいないのに、◯◯してあげたからお金を払って系。スーツケースなどの荷物をタクシーに積んであげたから、靴を磨いてあげるから、写真撮影してあげたから何ユーロ払って、ですね。

観光で出かけると特に狙われるし、NOと言わない間に勝手にやられることも多い。特に写真撮影や荷物を積んでくれるなどは親切に声をかけてくれていると思いがちですが、お金目的以外で写真撮影しましょうか?なんて向こうから声をかけてくれることなんて多分、ない。私は経験ありません。

No,graciasノー、グラシアス(結構です、ありがとう)一択です。

小銭をくれない?

NO!で一発撃退です

日本では考えられませんが、スペインの街角では「小銭をください」と声をかけられることが頻繁にあります。電話をかけたいとか、バスに乗るのにお金が足りないとかね。知らんがな!

いわゆる「物乞い」の方もいますが、身なりから明らかに普通に生活できている人もいる。お断りです。大丈夫、スペインの人たちも断っていますよ。

おつりないから、これでいい?

これも信じられませんね、「おつりが足りないからこれでいい?」です。

単位がセントである場合はもう別にいいかなと思いますが、時々2ユーロがないとか言ってくる場合があります。大抵の場合、嘘だと思う。

本当にない場合は最初から「おつりの小銭がないの。どこかで崩して来てくれる?」と言ってくれます。NO、でお願いします。

ボッタクリ価格で「何円だよ」

ボッタクリ黙ってられない

蚤の市なんかに出かけると、平気でボッタクリ価格をふっかけられることがあります。スペイン人には2ユーロと言っていたのに、外国人には5ユーロとかね。明らかにボッタクリ価格のときは「NO、さっき2ユーロ言うてたやろ」と言ってください。

普通のお店でそんな目にあうことはよっぽどないので、ご安心ください。蚤の市や道端で商売しているお土産物屋さんとかが多い。そもそも路上で布を広げて物を売るのは違法ですので。

タバコをくれない?

喫煙者の方、気をつけてください。スペインではタバコを吸っている方に近づいて、「1本ください」という人がとても多いです。喫煙所の周りをウロチョロして、手当たり次第に声をかけている姿を頻繁に見かけます。

NO、でいいんですよ。タバコなんてやめりゃいいんですから。NO、NO!!

フィエスタに出かけない?

https://note.com/sietesiete11/n/n19f69e54262d

スペイン生活に欠かせないFiestaフィエスタ。先日フィエスタが幸福感をもたらすらしい、というnoteを投稿しましたが行きたくない日は断ってOK。なんの問題もありません。

誘われるフィエスタすべてに顔を出していたら、毎週末出かけることになります。断っても平気です。行きたい気分の時に行けば、健康にいいそうですよ。

NOへのハードルが下がった結果

断っても誰も気にしないよ

こんなにたくさんNOと言うべき場面があるのですから、嫌でもNOへのハードルが低くなります。しかも、NOと言ったところで反応は「あ、そう。じゃあまた次ね」とあっさりしたもの。個人の意志を尊重する文化なので、断るのも断られるのも当たり前なんです。この経験が一番大きかったかもしれません。

私が断ったところで、私が行かなかったところで、相手は特に気にしていない。そうスペインで学んだ私は、NOと言うことにどんどん抵抗がなくなりました。

NOと言えることで得たもの

断れない性格だった私にスペインが与えてくれたNOへの耐性は、日本での生活にももちろん役立ちます。NOと言えることで得られるメリットは、

  • 自分の時間が増える

  • お金の節約にもなる

  • 勧誘・押し売りの類は一発撃退

  • 人に流されなくなる

  • ストレスから解放される

  • 自分に必要なものが分かる

などなど。

行きたくない場所に行かない、やりたくないことを断ることで時間、お金の節約になります。勧誘、押し売りなんて1秒でさようなら。あの人が行くなら行こうかな、流行ってるなら買おうかなと言う外部に流される現象もなくなります。

いらないものを極力排除することでストレスから解放されますし、結果、自分に必要なもの、好きなものが分かります。NOと言って初めて分かるもの、得られるものもある。そうスペインが教えてくれました。

座右の銘はNo,graciasノー、グラシアス

できません、も言えるようになった

「結構です、ありがとう」この言葉が言えるようになっただけで、以前より遥かに生きやすくなったと私は感じています。ありがとうスペイン。スペインに行かなかったら、私はきっと今もまだ必要のない我慢をしながら生きていたと思います。

もちろん、何もかもにNO!と言っていては人間関係や物事が立ち行かなくなることもあるので、その辺りの見極めは必要です。ただ、「これは不要だな」と感じるものにはNOと言える強さを身につける方が、きっと人生充実すると思う。

座右の銘はNo,graciasノー、グラシアス。NOへのハードルを下げることで、ストレス値もぐっと下がりますよ。スペイン人の自由でブレない生き方を、ぜひお試しあれ!
























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