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「うつの世界にさよならする100冊の本」 寺田真理子



「心に言葉があると、またうつの波が襲ってきたときにも、その言葉を思い出して踏みとどまれるようになります。 」


  

「うつの世界にさよならする100冊の本」 寺田真理子


ここ最近、仕事が忙しくて心に余裕がなくなっていました。


そのせいか、本を読む時間も持てず、
さらに、心に不安がつきまとっていました。


心を亡くすと書いて「忙しい」。


だからなのか、ただただ不安が募り「この不安はなんだろう?」と思って
いました。


この1か月は、休日も家に居ることがほとんどできなかったのですが、今日は久しぶりに家でゆっくり読書ができました。


そうすると


いつのまにか不安を忘れて本に癒されていました。


今日、本棚から選んだのはこの1冊。


「うつの世界にさよならする100冊の本」
本を読んでココロをちょっとラクにしよう


著者の寺田真理子さんは、 日本読書療法学会の会長をされています。


読書が療法的に用いられてきたのは、
古代のギリシャからなんだそうです。


古代ギリシャの図書館のドアには、
「魂の癒しの場所」
と書かれていました。


今日、本を読んでいて思ったのですが、もし何もしてなくてボ~っとテレビでも見てたら、この不安はさらに大きくなっていたに違いないと。


確実に本を読むことで、魂を癒されていました。


また


そのときの心の状態によって本を選ぶということも、不安を取り除く
大きな要因ではないかと思いました。


この本は、寺田さんが本によって心が救われたエッセイと、100冊の
選書された本で構成されています。


最初から16ページまで、寺田さんの心の叫びが綴られていました。


うつの経験をされた、寺田さんの苦しみが迫ってきました。

死ぬことばかり、考えていませんか?

わたしもずっとそうでした。

振り払おうとしても、しつこい自殺願望が
何度も頭をもたげてくるのです。
ただ、ただ、つらいのです。



この苦しさの告白は、「苦しんでいる人たちを絶対に救いたい」という覚悟を秘めた鬼気迫る魂からの叫びでした。


そして

そんな状態から救い出してくれたのが、本たちだったのです。


寺田さんは

本に助けを求めました。

本に答えをさがしました。

本に知恵を分けてもらいました。



心を本に癒された寺田さんだから、選んだ本も苦しんでいる人たちに寄り添った選書です。


僕も何冊か読んだ本はありましたが、ほとんどがはじめて目にする本でした。


どの本もやさしく読者に寄り添ってお薦めしていて、「魂を癒す場所」で読む本としては、最高なのではないでしょうか。


本の紹介の間には、寺田さんの経験した
うつや心の癒し方が書かれています。


それは


僕が感じていた不安を拭い去ってもくれました。


これからどうなるのかわからないし、考えれば考えるほど、悪い想像ばかりしてしまって・・・・・・。

うつで起き上がれないような状態で考える未来だから、明るいものはとても描けませんでした。

結局、「いま、ここ」で何もできていない自分の状況に何度も思いがめぐってぐるぐるするばかりだったのです。

(中略)

そんな状態から抜け出させてくれたのが、人生の先輩たちの本です。

(中略)

実際には、とても大変な人生をみなさん歩んでおられました。じゃあ、どうしてあんなに幸せそうなのか・・・・・・。

それは、「幸せに生きる練習」をしてきたからだったのです。どんなことがあっても、幸せでいられるように、自分の心を意識して幸せのほうに向けてきていたのです。そのコツを、人生の先輩たちの本から、たくさん教えてもらいました。


本は言葉で編まれています。


本で心を癒されるというのは、
言葉で心を癒されることなんですね。


だから


良い言葉を心に刻むことが精神衛生上、心の健康上、良いことなんですよね。


あなたの口ぐせは、何ですか?

「死にたい」それが、わたしの口ぐせでした。

「死にたい、死にたい」そう言って頭をガンガン打ちつけたり。

「いままで生きてきて、よかったことってなんだろう・・・・・・。何もない」と部屋の隅で泣いていたり。人と一緒にいるときも、出てくるのは誰かの悪口ばかりでした。

(中略)

自分の言葉に、自分がいちばん影響を受けていることを知らなかったのです。自分の言葉を耳にするのは、ほかならぬ自分自身です。

否定的な言葉や、いやな気分になる言葉を使うことで、どんどん自分の気持ちを暗くしていっていたのです。


潜在意識は、人称を判断することができないそうです。


つまり


悪い言葉を使うと、他人に言った悪口も潜在意識は自分に言った言葉として
受け取るのです。


なので


結果、悪い現実を引き寄せてしまうことにつながるんですね。


潜在意識は心の大部分を占めています。
気をつけないといけません。


逆に


人に言った良い言葉は自分にも言っていることと同じなんです。人も自分も良い気持ちになります。良い現実を引き寄せることにも繋がります。


自分の心にとどまってくれる言葉たちをノートに書き留め、何度も読み返すことで、心に深く植えつけてきました。

言葉たちと一緒にうつを乗り越えてきたのです。心に言葉があると、またうつの波が襲ってきたときにも、その言葉を思い出して踏みとどまれるようになります。

心に言葉を持つことは、再びうつの世界に舞い戻ってしまわないための命綱として、とても大きな力を与えてくれるのです。


悪い言葉を使ってしまったとしても、良い言葉で上書きしましょう!


良い言葉は、良い現象を引き寄せます。


だから


大丈夫、大丈夫、どんなことがあっても大丈夫!




【出典】

「うつの世界にさよならする100冊の本」 寺田真理子  ソフトバンククリエイティブ


いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。