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【絵本】「もしぼくが本だったら」ジョゼ・ジョルジェ・レトリア (ぶん) アンドレ・レトリア (え) 宇野和美(やく)

「もし ぼくが本だったら 戦争したがる心をいっぺんでうちくだく 効果的でやさしい武器になる。」



「もしぼくが本だったら」 ジョゼ・ジョルジェ・レトリア (ぶん) アンドレ・レトリア (え) 宇野和美(やく)



本好き、読書好き、本屋が好きなあなたなら、ここに描かれている本の気持ちをすべて理解できるのではないでしょうか。


本好きなあなたなら、この絵本のすべて=絵・言葉・余白・空気感・装丁・色合い、それらが全部好きになるに違いありません。


もしも ぼくが本だったら


「きっとこんな風に読まれたい」という思いが伝わってくると同時に、自分も、「こんな風に本を読みたかったんだ」と思い知らされます。


もし ぼくが本だったら 
ずっとしまってきた昔の秘密を
ぼくの読者とわかちあおう。

もし ぼくが本だったら
ぼくのことを〈友だち〉とよぶ人に
夜がふけるまで読まれたい。

もし ぼくが本だったら
「この本がわたしの人生を変えた」と
だれかが言うのをきいてみたい。


そして


読み手としての僕と、もし本だった「ぼく」が交差したとき、この言葉の頁が〝風に吹かれて〟開かれたのです。


もし ぼくが本だったら
戦争したがる心をいっぺんでうちくだく
効果的でやさしい武器になる。


         ◇


この絵本、ポルトガルの絵本なんですね。


絵を見ていても、文字を追っていても、
とても安らいだ気持ちになれました。


この絵本の装丁やオーラが、とても素敵なんです。


この絵本の出版社・「アノニマ・スタジオ」さんの言葉どおりの絵本でした。


アノニマ・スタジオは、風や光のささやきに耳をすまし、暮らしの中の小さな発見を大切にひろい集め、日々ささやかなよろこびを見つける人と一緒に本を作ってゆくスタジオです。

遠くに住む友人から届いた手紙のように、何度も手にとって読みかえしたくなる本、その本があるだけで、自分の部屋があたたかく輝いて見えるような本を。

「アノニマだより 40」より


もし僕が本だったら、「こんな本になりたい!」って思ったんです。


何度も読みかえすために、この絵本を見えるところに置いていると、確実に自分の部屋があたたかく輝いて見える。そんな絵本でした。


もし ぼくが本だったら
だれかをしあわせにできるなら
どこへでもゆこう。



【出典】

「もしぼくが本だったら」 ジョゼ・ジョルジェ・レトリア (ぶん) アンドレ・レトリア (え) 宇野和美(やく) アノニマ・スタジオ


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