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名のつかぬ日々

20
濁り血
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2021年4月の記事一覧

ウェットな社会とドライな思考

東京の人はドライだ冷たい

地方の人はそう言う

だから悪いのか?

と聞きたくなるが喧嘩腰になりそう

一旦その言葉は飲み込む

あんた冷たいね



褒める人はそんなにいなかろう

ウェットで居続けるの長所短所がありゃ

ドライで居続ける長所短所もある

それ相応の理由もあったりなかったり

ドライな人かと思えば

意外なところでウェットだったりする

そうやって社会で生きてんなら

別にど

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怯えた貝

深い海の中にいる

呼吸は浅く

動きも小さく

誰にも気配を気づかれぬように

そっと布団の殻に籠もる

慰め

寂しい悲しい

人肌恋しい

ぽかんと空いた穴を満たす

熱く交わしながら囁きあう

言葉に潜む愛の有無などすぐ分かる

快楽より直感が勝る瞬間

そんなわけで

一度脱いだ服と心を仕舞うのには

ほんの少し遅すぎて

ふと

萎えてしまった感情に

流されるがまま鳴き続ける

何年もの間 恋だ愛だの

そもそもそこには何もなかったの、だの

いやはたまたあったのかも、だの

そんな慰め

もうそ

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中毒者

手がつけられないくらい

衝動的になるときがある

腹の中頭の中に

湧き巡り 蹲きまくる虫ゲラ共が

皮膚1枚を駮破らんが如く暴れまわる

人に向き合う強さなどない

喉まで焙れた言葉を必死に抑え

わたしは今日も震えながら自分の肉を蝕む

不仲事実婚

燃えるような恋をして

子供ができた

としても

愛しい時間が続くわけではない

愛とは移りゆくものだ。きっと。

少なくとも永遠という2文字を

期待するものではない、かも

少なくとも両親の子である以上

愛しあった2人の間に産まれたのだと思いたい

でもそれがたまたま

燃え上がっている間にセックスし産まれた

のであれば

消えてしまった火は

どこを辿れば再び燃えてくれるのだろうか

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遠い昔のこと

何もせずただただ家に籠もりきっていたことがある

何年もの間

説明し難いほどの

苦しみ、辛さを分かってほしい

その為の言葉が圧倒的に足りなかった

そうやって誰かに訴える為に

懸命に懸命に言葉を編み出した

でも誰も分かっちゃくれなかった

だから

頭の中で独りで誰かに話してた

何処かへ行ったりもした