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【小説】ヌャンペフの日
今夜はヌャンペフが食べたい、と彼が呟いた。私が布団に潜ったまま黙っていると、ヌャンペフが食べたい、と彼はもう一度呟いた。
「どうして急に、ヌャンペフなんか」
私は顔だけを布団から出して、返事をした。ベッドの脇の小さな窓から差し込む朝日が眩しい。彼は一足先に起きて、二人で暮らすには少しばかり手狭な寝室の隅で、ワイシャツ姿でコーヒーを啜っていた。
「ちょうどいい時期だろう。今日なんて、まさにヌャン
ノストラダムスのおじさん
子どものころ、
今みたいに、わからないことをすぐ携帯でポンと検索できたり、Wikipediaとかもない、
昭和と平成。その間のギリギリな空気を味えた
わからないことが、ずっとわからないまま存在する、へーんな時代だった。
『1999年、人類は滅亡する』
ノストラダムスの大予言
その予言を信じて、小学生のとき、
夏休みの宿題をしなかった。
ノストラダムスのおじさんは、僕たちみたいな「宿