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嫉妬するほどスキ

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僕の嫉妬するほど大好きなnoteを僭越ながらまとめさせて頂いています。自分が何度も読み返す用です。こんな文章を書きたい。
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近況と雑感

近況と雑感

実家の猫が亡くなった。

20年生きた。

20年前、私は当時の事務所で徹夜仕事をしていた。朝5時頃、当時のマネージャーとフラフラになりながら事務所を出て、渋谷駅へ向かっていた時のことだ。

事務所は渋谷中央街という歓楽街の路地の突き当たりにあり、私たちは大雨降りしきるなか駅へと急いでいた。

なにやらカラスが騒がしい。路肩に目を向けると小さな小さな仔猫がカラスの攻撃を受け瀕死の状態であった。

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【小説】ヌャンペフの日

 今夜はヌャンペフが食べたい、と彼が呟いた。私が布団に潜ったまま黙っていると、ヌャンペフが食べたい、と彼はもう一度呟いた。
「どうして急に、ヌャンペフなんか」
 私は顔だけを布団から出して、返事をした。ベッドの脇の小さな窓から差し込む朝日が眩しい。彼は一足先に起きて、二人で暮らすには少しばかり手狭な寝室の隅で、ワイシャツ姿でコーヒーを啜っていた。
「ちょうどいい時期だろう。今日なんて、まさにヌャン

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あじさいと空き瓶の間で

国道沿いに一本だけあるあじさいのことを母が言っていて、次の日に見てみるとたしかに一本だけ唐突にある。青い花が何個か咲いている。種がどこからか不時着したのだろうか。ツツジの葉が繁る中であじさいは浮いていた。

ドトールの一人席が連なる長テーブルの一席に着座した。隣の席の領土となるテーブルに大きな葉っぱが一枚ある。誰かが置いたか、とんできたのか、いやそれは考えにくいからやっぱり置いていったのだろうか。

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ノストラダムスのおじさん

ノストラダムスのおじさん

子どものころ、

今みたいに、わからないことをすぐ携帯でポンと検索できたり、Wikipediaとかもない、

昭和と平成。その間のギリギリな空気を味えた

わからないことが、ずっとわからないまま存在する、へーんな時代だった。

『1999年、人類は滅亡する』

ノストラダムスの大予言

その予言を信じて、小学生のとき、

夏休みの宿題をしなかった。

ノストラダムスのおじさんは、僕たちみたいな「宿

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竹野内豊の“野”

竹野内豊の“野”

竹野内豊(敬称略)はカッコいい。これは誰もが認めるところだと思う。「竹野内豊をカッコいいと思わない権利」は全ての人間が生まれながらに持っているが、それを行使する人はほとんどいない。

何をカッコいいと思うかは人それぞれで、世の中には様々な基準の「カッコいい」が存在している。そんな多種多様な「カッコいい」がちょうど重なり合っている部分に、竹野内豊は立っている。そんな印象がある。

では、竹野内豊の何

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