くるり official
岸田の公開手帖です
主に'50年代〜'80年代製造の鉄道車両にフォーカスし、岸田繁が写真やコラム、インタビュー、走行音などをUPします。
おもむろに気になった作品や、よく聴いていた過去音源、素敵な新譜なんかをやんわりした言葉で紹介していきます。
怒涛の日々が終わりつつある。 アルバム『感覚は道標』の制作から発表、『くるりのえいが』の舞台挨拶やプロモーション、初の2日間開催となった京都音博、その後のイベント出演など。 もっくん含め、メンバーやスタッフも常にフル稼働で、数年分の仕事をここぞとばかりにやり込んだ感覚。 日々生きてるだけでなんやかんや色々あるから、ここに書く私たちの活動以外のところでも、なんだか色々あるから少し休みたいというか、いちど副交感神経優位にしてみたいところ。 映画を観てくれた方々、アルバムを
私が敬愛している存命の音楽家は沢山いらっしゃるけれど、なかでも南イタリアはナポリの鬼才Daniele Sepeは特別な存在であり続けていた。 私がまだ中学生だった頃、恩師だった音楽の先生は授業のなかで、古いイタリア歌曲を学生たちに歌わせていた。「サンタ・ルチア」や「オーソレミーオ」など。私は音楽の授業は嫌いだったが、それらの歌をうたうことがとても好きだった。 麺類が好きで、イタリア料理が好きな私はイタリア、特に南イタリアには憧れを抱き続けたままオジサンになった。 私は若
happy turn くるりオリジナル・メンバーの3人には、1990年代オルタナティヴ・ロック以外にも、音楽的に共通する参照点が幾つかある。 くるり結成前後は、3人とも古典R&Bやブルース、ファンクなんかを好んで聴いたり、演奏していた。 もっと若い頃には、1980年代ポップの影響も受けていただろうし、ビートルズやフー、ローリング・ストーンズをはじめとする1960年代ブリティッシュ・ロックは3人共通の大きなリファレンスである。 くるりはそもそもシンプルなロック・トリオな
暑いですね。 くるりは、5人編成のバンドでライブツアー中です。ツアーが終わったら、イベントやフェス幾つかに出演予定です。 佐藤さん以外のツアーメンバー、まっちゃん、のっちとはもう10年くらい一緒に演奏してますし、石若とも5年くらいになります。あらきゆうこちゃん、クリフとはもっと長いですね。彼らは、レコーディングにもたまに参加しますし、サポートメンバーという肩書きではありますが、代わりが利く人たちではありません。これからも末永く一緒に演奏したいな、と常々思っています。 く
ジェンダーレス・トイレ、というモノが、東京の歌舞伎町に設置されたと聞きました。様々な波紋を呼んでいますが、課題意識が整理されていない中での導入であることがわかります。 トイレが男女別に分かれている、というのが当たり前のように感じている前提でのトピックですが、そもそも小さい飲食店や、住宅などでは男女共用トイレが殆どなわけで、古い便器は男女共用便器なんてのも存在します。段差というか踏み台のある和式便器なんかはそうですね。あと、U字型になった便座も、男女共用が前提だと思います。
2023(令和5年)。 くるりは結成27年目。音楽家を生業にしてから25年ほど経ち、私は40代後半になりました。 バンドは紆余曲折を経て、まだまだ活動中ではありますが、ここ10年ほどで私はくるり以外にも様々な活動をしてきたように思います。その辺り、あまり周知されていないものもあると思うので、紹介しておこうと思います。 ソロ活動として、交響曲2曲を書き、劇伴制作やCM楽曲の制作なんかも幾つかやりました。 そして、奥田民生さん、伊藤大地くんとのロックバンド、サンフジンズを
京都音楽博覧会を前に、京都ネタ。 京都市、財政難(今に始まったことではないが)。かなり大変そう。色んな理由があるので、検索してもらえればわかると思いますが、いよいよ色々ヤバいんだろうな、と個人的には思います。 京都市、人口減少。これも、色んな理由と事情があり、どこの自治体でもだいたい人口減ってますが、京都市の場合はかなり特殊な事情で不健全に減っているので、これも色々ヤバいのかも知れません。 京都市は2007年に制定された「新景観政策」によって、建物の高さ規制がかなり厳し
長くミュージシャン生活を続けるための秘訣(若い音楽家向け)をまとめて、そのうち本にでもしたいと思っています。多分自分語りになりますが。 ソングライターでも演奏者でも、バンドマンでも、ポップ音楽作品に携わる仕事をする者であれば、以下ふたつが結構重要なことだと私は考えます。 ひとつは流行の少し先を意識すること、もうひとつは古典を多く知ることです。 ポップ・アーティストは常に、最新の流行に敏感であるのが望ましいと言われています。当然、シーンに風穴を開けるには、その時流行ってい
最近観た映画。『トップガン・マーヴェリック』と『リコリス・ピザ』。ふたつともなかなか面白かったです。 この2作品、真逆のベクトルの作風ではあるものの、1970〜80年代アメリカの世界観をヲタク的なまでに追求する、という意味において、あまりにも良くできたパースペクティブ。コスプレの域を軽く超えてきます。映画ヲタクが作る映画ってエグいですね。音楽ヲタクも、とことんまで皆さんやってほしいところです。 ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)好きとしては、どうしても贔屓目で観
コロナ禍と言われるようになってから、とにかく仕事場に篭りっきりの時間が増えた。 私はバンドマンだから、ライブハウスでライブをしたりフェスに出たりしたいし、色んなところへ行きたい。 とは言え、ここ3年ほどはコロナ禍でそうも言ってられないので、こつこつと音楽制作仕事を請負っている。 私はバンドマンであると同時に、(自称)作編曲家でもあるので、来た仕事はタイミングさえ合えば、ジャンルなど限定せず引き受けるようにしている。 他アーティストへの楽曲提供や編曲、映画やアニメの劇伴
中央リニアって、どうなってるんだろう、と疑問に思ったので、色々調べてみる。 南アルプスの水源問題など、なかなか難しい問題が山積みなようだ。 10年ほど前、上海でリニアモーターカーに乗車したことがある。上海空港から市内(といっても中心部ではない)まで、8分ほどの乗車時間だった。時速は420キロメートル毎時だから、のぞみやはやぶさよりだいぶ速い。 上海リニアは常電導というシステムで、愛知のリニモなんかもそうらしい。中央リニアに導入予定の超電導とは仕組みが異なるようだ。 リ
当事者でないとわからないこと、について考える。 英国の人気ロックバンドだったOASISのドキュメンタリー『supersonic』をBlu-rayで観た。当事者による証言に溢れていた(ように見えた)ので、彼らのリアルな姿を少しばかり垣間見たような気がする。当時から、彼らのことを好き放題言う人は多かったが、あの兄弟のことはあの兄弟にしかわからない。彼らならではの苦悩があったんだとも思った。これまでと歌詞の聴こえ方も曲の捉え方も変わった。30年近く聴き続けてきたけど、やっと私はO
馬鹿みたいに忙しい、というわりには読書をしたり、音楽を聴いている時間があるのだから、優雅なもんだ、と自分に言い聞かせてはいる。 寝る時間がないとか、マルチタスクで頭が混乱するとか、そんなことで悩むくらいならほんの1時間でもインプットの時間を作った方が良い、ということに46歳になって初めて気付く。 往々にして、無意識のうちに身体と心に鞭を打ちながら、創作や自分自身の活動に打ち込んできた毎日で、それは今もあまり変わらないけれど、中年は中年なりに、自分自身の心身を労らないといけ
都会では当たり前の「地下鉄」。くるりの名曲にもありますよね。 そのくるりの曲の一節に、「地下鉄は走る地上に出るために」という歌詞があります。 地下鉄とは言っても、多くの路線は都心部の地下区間から郊外に向かって路線が伸びており、時折地上や高架に顔を出します。ちなみに東京の渋谷は都心ですが、「谷」なのでメトロ銀座線が地上に姿を見せますよね。 郊外に足を伸ばした地下鉄は、そのまま他の私鉄やJRなど、他の鉄道に乗り入れるケースもあります。東京は殆どの地下鉄路線がそのパターンです
マーベルコミックス原作のMCU版映画の最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』について少しだけ書きます。 『アベンジャーズ』、『ブラックパンサー』などから観始めたMCU版マーベル映画ですが、時系列グッチャグチャで掘っているせいか、まだまだ分からないことだらけです。 近年作『ブラック・ウィドウ』や『ホークアイ』など、観応えのある作品も楽しみましたが、時系列でもう一度観直していった方が良いのかと考えると少しうんざりしますが、結構楽しんでいます。 私は幼
SNSによく流れてくる漫画の広告に釣られることをやめたいです。 と思いながらも、結果『ファブル』には無茶苦茶ハマってしまいました。 私は長らくヤングマガジン誌を読んでいなかったので、この長期人気連載をスルーしていたことを悔やみました。 同作の続編も、どんなもんだろうとチラッと読んでみたのですが、無茶苦茶面白くて先が気になって仕方がありません。 私は元々漫画好きで、いわゆる少女漫画以外ならかなり幅広く読む方です。近年では『鬼滅の刃』にハマり狂いましたし、京都の和菓子屋が