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りんごのかじりかた

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りんごは齧り方によっては芯も種も丸々そのまま食べれます。 りんごを齧るとは、実はりんごを齧る以上の行為なのです。 そしてそれは私たちの自尊心すら回復させます。 落ち込んだとき、う…
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#エッセイ

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

実はりんごのかじり方一つとっても、一人の人間の尊厳を保つほどの力がある。長野県民としてそのかじりかたを書いておく。だけどまずは、そのかじるものがりんごである、ということの意義を考えておきたい。どうかじるか、の前に、なにをかじるか、である。

ひとつは、りんごほどシンボリックな果実がないだろうからだ。古くは旧約聖書のアダムとエバが食べた禁断の実。あれも別にどこにもりんごという表記がないのに、いつの間

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りんごのかじりかた⑥〜からっぽのりんご〜

りんごのかじりかた⑥〜からっぽのりんご〜

りんごをお尻から齧ったあなたは、芯も種も思ったよりも簡単に食べれたことに驚いていると思う。手にはヘタだけが残っているはずだ。それを飲み込むかどうかは自由だ。いずれにしろ、きっと今あなたはいままで味わったことのない不思議な満足感を得ているだろう。もう一度、りんごを下から齧り丸々と食べることの意義を思い出しておこう。

・りんごは人類のDNAレベルに刻まれた普遍的、シンボリックな果実である。
・手や袖

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