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りんごのかじりかた

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りんごは齧り方によっては芯も種も丸々そのまま食べれます。 りんごを齧るとは、実はりんごを齧る以上の行為なのです。 そしてそれは私たちの自尊心すら回復させます。 落ち込んだとき、う…
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2020年10月の記事一覧

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

実はりんごのかじり方一つとっても、一人の人間の尊厳を保つほどの力がある。長野県民としてそのかじりかたを書いておく。だけどまずは、そのかじるものがりんごである、ということの意義を考えておきたい。どうかじるか、の前に、なにをかじるか、である。

ひとつは、りんごほどシンボリックな果実がないだろうからだ。古くは旧約聖書のアダムとエバが食べた禁断の実。あれも別にどこにもりんごという表記がないのに、いつの間

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りんごのかじりかた②〜丸を丸のままに〜

どうかじるか、の前にもう一つ、なぜりんごか、ということだ。あるかじり方をすると、実はりんごは芯まで食べられる。プロはへたまでその気になればいける。この、丸の生命を丸のまま食べる、ということだ。

意外と、手を一切加えず、捨てるところも一つもなく食べているもの、というものは少ない。バナナやみかんであれば、皮のまま食べる人はあまりいないだろうし(時にはいると思うが)、卵はまさに丸っと生命というイメージ

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りんごのかじりかた③〜掌の中の輝くハート〜

りんごのかじりかた③〜掌の中の輝くハート〜

さあ齧ろう、りんごを。
だが焦らないで欲しい。できれば近くのダイエーでりんごを買って手にして読んで欲しい。今年はシナノスウィートの出来がいいらしいから。

りんごの素晴らしさは齧る前からある。りんごを掌でくるんで、2〜3回こすって欲しい。高いオシャレ着でなければ、袖に優しくこすり付けて欲しい。ほら、あっという間に輝くだろう。こんなに簡単にこするだけで光りを増す果物はりんごだけだ。これはリノール、オ

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