マガジンのカバー画像

脳卒中

193
運営しているクリエイター

#マンガ

タンデム肢位ができないときには

タンデム肢位ができないときには

タンデム肢位ができないときには

片麻痺患者では麻痺側後方位でタンデム肢位がとれないことが多い。

そのため介入としては、麻痺側を軸としたクロスステップ時の重心移動・筋活動の補償を意識してハンドリング介入をすると良い。

遊脚である非麻痺側のクロスステップの動きに伴って体幹が麻痺側前方に崩れやすいことが多く、下部体幹から操作が必要。

非麻痺側が遊脚から接地に至るまで、麻痺側軸足の支持基底面内に重

もっとみる
装具を決めるための簡単な検査

装具を決めるための簡単な検査

背臥位

①SLRが可能な場合、短下肢装具の適応

②膝軽度屈曲位でわすかに踵が持ち上がる場合、さらに努力すると下肢屈筋共同運動パターンが出現する場合は短下肢装具の適応

③SLRが保持出来ず、膝屈曲できても踵が持ち上がらない場合は長下肢装具の適応

④全く下肢が持ち上がらない場合、座位保持が可能なら長下肢装具の適応

立位

①膝折れがある場合、長下肢装具の適応

②膝軽度屈曲位で保持可能なら短

もっとみる
脳卒中片麻痺患者の歩行再建における重要なルール

脳卒中片麻痺患者の歩行再建における重要なルール

脳卒中片麻痺患者の歩行再建における重要なルール

歩行練習のゴールは

「速く歩けるようにすること」
     ↓
たくさん歩く・大股で歩く
     ↓
立脚後期を鍛えること

①脳卒中片麻痺患者の歩行能力の特徴、問題点は何か?

歩行の実用性は歩行速度により規定される。

・歩行速度0.8m/秒以上の地域生活者は制限なく屋外歩行可能

・屋外歩行のカットオフ値 快適速度0.61m/秒 最大速度

もっとみる
脳卒中片麻痺患者における Toe clearance獲得戦略

脳卒中片麻痺患者における Toe clearance獲得戦略

脳卒中片麻痺患者における Toe clearance獲得戦略

片麻痺患者の足部‐床面距離は健常者に比べ低い値を示す。(クリアランスの低下)

Toe clearanceの構成要素

●小さくなるもの

・SHTL(股関節と第5中足骨頭の直線距離)

●大きくなるもの

・骨盤傾斜による股関節上方移動距離

・外転による足部上方移動距離

・対側股関節上方移動距離

バレー徴候

バレー徴候

・上肢

座位または立位にて、両上肢の手掌を上にして、前方水平位に挙上させて開眼させる。

そのまま保持させ、上肢が回内し、徐々に落下してくると陽性となり、軽い不全麻痺を示す。

・下肢

腹臥位で両膝を45°屈曲させ、そのまま保持させる。

自然に落下した下肢は軽度の不全麻痺を示す。

理学療法評価学

ヒールライズ

ヒールライズ

①端座位で行う。この時に骨盤前傾位を保つことを忘れずに。

②立位で行う。膝は屈曲して構わない。

③立位、麻痺側下肢後方ステップ位で行う。膝は屈曲して構わない。

※爪先は接地したままで行えるように。

④立位で膝伸展保持で行う。重心が下がらないよう、骨盤は臀部から挙上介助を行う。

歩くということ

歩くということ

●歩行介入における運動量の重要性

脳卒中患者における運動療法が「学習」定義された以上、学習即に基づいた量の確保は大前提である。

運動量の確保は、脳卒中の運動療法においてもはや公理である。

出来るだけ高頻度。高強度で目的動作を続ける方法が最もエビデンスの高い戦術である。

●実用歩行獲得に必要な三つの要素

歩行速度、歩行距離(耐久性)、安定性(転倒)

実用歩行獲得のための最も端的な戦略は、

もっとみる
足を振り出すということ

足を振り出すということ

脳卒中片麻痺患者の遊脚期の最も一般的な障害として、麻痺側下肢の振り出し困難が挙げられる。

代表例としては、共同運動などにより遊脚時に麻痺側膝関節屈曲が生じないstiff-knee-patternが挙げられ、その代償として体幹の側屈と骨盤挙上による分廻し歩行が観察される。

ヒトの歩行において遊脚期には位置エネルギーを使用した振子運動(遊脚振子)が大きな動力源となっている。

運動麻痺が重度である

もっとみる
歩行にはイメージも大切

歩行にはイメージも大切

歩行にはイメージも大切

運動イメージ能力とは、心的時間と実行時間の一致性

心的時間:運動イメージの想起に要する時間

実行時間:運動の実行に要する時間

運動イメージと実際の運動の一致性を評価することで、対象者のフィードバック誤差学習を促進させることができると見込まれる。

イメージ想起は「自分が運動しているところを外から見てるようなイメージではなく、あたかも自分が行っているような感覚をイメー

もっとみる
姿勢よく歩いたほうが良い理由

姿勢よく歩いたほうが良い理由

歩行時に姿勢よく歩いたほうが良い理由

●症例

常に胸腰部および両股関節・膝関節屈曲位を呈す。

・麻痺側立脚中期から後期にかけて、麻痺側股関節屈曲・内転することにより骨盤の過度な麻痺側後側方移動が生じ、遊脚足底が内側へ急速に接地する。

→麻痺側大殿筋の緊張低下により、伸展運動が行えないため、股関節屈曲が生じる。
 麻痺側中殿筋の緊張低下により、立脚期に必要な内転の制動が行えない。

・胸腰部

もっとみる
麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

●症例

脳梗塞右麻痺

麻痺側後方ステップ時に不安定となる

●問題点の整理と理学療法

①立位姿勢から上位胸椎屈曲位、胸腰椎移行部屈曲、左側屈位

→両側最長筋緊張低下

※体幹直立位が困難だと、股・膝関節を屈曲し膝を前方に位置させ、臀部を後方変移させることで重心を支持基底面に留めている。

<アプローチ>
上位胸椎の伸展、胸腰椎移行部の伸

もっとみる
歩行中に足部が内反してしまう場合②

歩行中に足部が内反してしまう場合②

●症例

左麻痺

麻痺側底屈位で足尖設置を迎えることで立脚相が始まる。

麻痺側立脚初期から中期にかけて、空間的に後足部が回外し、その直後から、横足根関節の回内に伴い前足部と中足部の回内が生じるが乏しく、下腿が過剰に外側傾斜し、側方への不安定性が生じる。

→麻痺側腓骨筋群の緊張低下、麻痺側後脛骨筋の緊張亢進、麻痺側足関節の外返しROM制限。

麻痺側股関節内転に伴う骨盤非麻痺側下制が生じる。

もっとみる