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新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「内定承諾期間を延ばしたいと就活生に相談されたら、9割の企業は伸ばしてくれる」あじゅまるさん(9/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note



なぜ「うちが第一志望ですか?」と聞かれるのか?

ー面接が進んでいくと企業側から「うちって第一志望ですか?」って聞かれるじゃないですか。

あとは面接のアンケートとかで、「今の志望順位を教えてください」とか「今受けてる会社さん教えてください」みたいなので、ランキングとか書かされるんですけど、あれってどれぐらい企業側は真に受けてるんですかなんか?

みんな一応「一般常識的には第一志望ですか?」って言われたら「第一志望です」って答えなきゃいけないから、第一志望じゃなくても第一志望っていうんだよみたいなのが、就活生の間にまかり通っているなかで、企業はどう評価してるのかっていうのを教えてください。


 
『「えっとこれ、たぶん会社によるとは思うんですけど、僕らの会社では就活生の志望度の申告は信じてないと思ってます。志望度はわかんないので、正直なところ取る意味ないっていうか。

だから「うちが一番だって言わなくていいよ」って就活生に言ってますし。まあ聞いたところで一番って言われるし、そんな無駄なことはないよな、みたいな。
 
なので、学生と関わっていく中で「うちへの興味度合いは何パーセントぐらいありそう」っていうのは肌感覚で記録するようにはしてますけど、それぐらいでしかないですね。「こういうやりとりやフォローをしたんで、この子がうちに来る確率は60%ぐらいだと思います」っていうぐらいですかね?』
 

ーじゃあ、あじゅまるさんさんの会社ではそんなにそこは重視してないんですね。


 
『そうですね。多分そういうこと聞いてくる企業は、「じゃあいつまでにオッケーで出してくれんの?(内定承諾してくれんの?)」とか、その回答を持って自分たちの実績を表す材料に使いたいんだなと思いますね。』
 

ーあ、そういうことなんですね。


 
『「内定承諾の期間はこの日までにしてくださいね」って言って、いつまでにどれくらいの人数を確保できるかの予測をしておきたいっていうニュアンスだと思います。「うち第一ならもう承諾できるよね?」みたいな。』
 

内定承諾期間が短すぎる場合、まずは御社に相談してみること

ー周りが結構それで悩んでて、ある会社の内定承諾の期間が早すぎて、例えば第一志望じゃないんだけど、こっちの会社が承諾してくれって言ってて。


でももう片っぽもまだちょっと内定出るか分かるまで時間かかるからって悩んでる子もやっぱり結構いて。


 
『その悩みは確かによく聞きますが、実は回避できるんですよね。』
 

ーそうなんですか?


 
『例えば承諾期限2週間とかで切ってくると思うんですよ。じゃあ、「今日から2週間以内に承諾かどうか書いてください」みたいなこと言ってきたら、そしたらまず聞いてみればいいですよね。

メールでもなんでもいいんですけど、「御社が一番です。で、一番なんですけど、就活って今しかできない体験なので、やりきりたいんです。」と。ただ期限延長をお願いするには条件がいるので、「○○ごろまで待ってください」と言うために、学生側から「今の受けている会社がこの時期に終わりそうなんで、ここまで待ってもらえますか?」って言えばいいんです。』
 

ーその申し出を会社が受け取った場合ってどうなんですか?「そういう交渉してくるんだったら内定取り消すよ」みたいな展開にはなりませんか?


 
『期限交渉された場合に、「無理」っていう会社9割方いないと思います。』
 

ーそうなんですね。


 
『承諾期間2週間で短すぎるなと思ったら、一回メールか何かで交渉すれば良いと思います。

ただ例えば「3月に貰った内定を8月まで待ってください」って言ったら、多分「いやいや、そんなん無理だから」と企業側はなってしまうと思うので、「こうこう、こういう理由で、まだ他に2社だけ受けてて、その結果わかるのが5月末なんです。

なので本当にそこまで待ってもらえませんか?」ってすればいいと思うんですよね。』
 

ーそれだったら全然通っちゃうんですね。


 
『これで多分9割方オッケー出ると思います。
 
ただ、例えば企業側にも正当な理由があって「採用人数が3人って決まってて、○○さんが無理っていったら、もう1人を通さないといけない。なので、本当に2週間ちょっとで返答をお願いしたいです」と言われるんだったら、もうそこは悩むしかないと思います。
 
そういう就活生からの相談を「いや、2週間で回答できないんだったらいいです」ってピッて区切ってくるような企業は、まあ入らなくてもいいんじゃないかと…。』
 

ーじゃあちゃんととりあえず「まず内定承諾は交渉してみよう」みたいな感じなんですね。


 
『そうですね。交渉したら多分9割ぐらいやってくれると思う、っていう。』
 

ーいや、すごい話だな。みんな「企業になんか言ったらすぐ切られちゃうんじゃないか」みたいな感じでおっかなびっくりなんですよね。


 
『内定承諾って学生さんにめっちゃ強みがあって、企業が内定出すじゃないですか。経営状況の悪化で倒産とか、コロナみたいな感じで緊急の業界縮小に伴う採用取り消しみたいな、何かとてつもないことが起きない限り、「内定取り消し」は裁判やったら企業側が負けるんですよ。
 
なので、学生は「内定もらった=最強のカードもらった」って感じなんですよね。』
 

ーそうなんですね。


 
 


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