石井柊伍
ある人の心
狂うための実験
言葉遊びの庭
築何十年かの古い賃貸に住んでいた。 家賃等が安いことを理由にその物件に決めた。平家で家具…
一、扉の前に立つ 二、できる限りの想像力を使い、その扉の向こうに幽霊がいることを思い浮か…
女の人と田舎道を歩いていた。横に並ぶのではなく彼女は前を行き、私の手を引いていた。 …
深夜、ある団地に行くと、全身黒い服の男が、子供たちが遊ぶための広場で不思議な踊りをして…
バスツアーに参加していた。 私は霊的能力、祓う力を持っていた。ツアーの最後に高尚な神社に…
こんな噂が学校で流行っている。「紫陽花で花占いをすると、それがたとえ嫌いで終わったとし…
「ねえ、今夜、空いてない?」 「いいよ、ご飯食べようか」 「……じゃあ、北口ね。私、少しだ…
楽しい夢ばかりをみる 醒めなければいい 夢であった。悪夢だ。
どこか大都市。四つ辻の一筋を歩いており、私の歩くその先には薄暗く小さなトンネルがある。…
「命は美しい。 だけれど、そこに付随する生活がどうしようもなく汚い。 たとえば花を見…
どこか日本家屋の縁側に座っていた。 見つめる先には雪が降っており、これまた日本庭園、…
異様に混んでいるコンビニを出た。半袖を着ているので夏であるようだ。蒸し暑い。コンビニの…
灰色、水しぶき、反射する空、傘を差さないで歩いている。 ゆっくり、ゆっくり歩いていた…
西洋の巫女になっていた。齢は若く、十七、八くらいだろうか。 私の家系は代々、神官をし…
生きている人です。名前は一冬としています。 自由連想では取り留めもなく、思いついたま…
空を知らない少年がいた。私は彼に空を教えてあげたかった。 海というものがあるでしょ…