悪夢日記 九 『エアコンから漏れる』
築何十年かの古い賃貸に住んでいた。
家賃等が安いことを理由にその物件に決めた。平家で家具つき、あまり稼ぎが多くない身としては、多少の怪しさはあれど、好物件である。
夏が過ぎて、そして秋に入って、少しの暑さが戻る春の日。迷ったけれど、このままでは部屋の中が暑いな、と冷房を入れた。涼しさが部屋に満たされる。これで読書に集中できる。
しばらくして、どこからか水が滴る音がすることが気になった。すぐに冷房からだろうな、と察しがついた。近くまで寄って冷房を見上げてみたが、やはり、ど