写楽斎

坂道グループから着想した、色んなものを書いています。 作品はpixivとPrivatt…

写楽斎

坂道グループから着想した、色んなものを書いています。 作品はpixivとPrivatter、X(Twitter)でも公開しています。 ちなみに最推しはPerfumeです。

マガジン

  • 中編まとめ

    中編をまとめています。

  • 1000文字以内シリーズ

    X(Twitter)に投稿した1000文字以内の短編をまとめました。

  • Squawk77

    鈴木絢音ちゃんを、絢音ちゃんも大好きな飛行機ネタで書いてみました。 文章の特性上、専門用語が多数出てきます。 飛行機をあまりよく知らないという方向けに、解説を用意しています。 一緒に見ながら、本編をお読みいただければ幸いです。

最近の記事

自分からの卒業

※作者の実体験を基にしたフィクションです。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「おはようございます」 先輩方に挨拶をして、 パソコンを立ち上げる。 入社して約2年。 苦戦していた仕事にも、ようやく慣れてきた。 それでも、事務職という、 あまり新人が入ってこない部署だから、 「あの、先輩。」 "あぁ、小池さん、どうした?" 「この申請、ちょっと変だと思うんですよね」 "どれどれ…ちょっと見せて" "あー…これはねぇ" 丁寧に教えてくれる先輩。 「あ

    • 「逆さ虹」

      『痛てて…』 「大丈夫?」 『流石に、ちょっと無理しすぎたかな…』 前には無かった腰の痛みと共に、 ひかると過ごした時の長さを感じる。 「ごめん…」 『いや、別にひかるは悪くないよ』 『久しぶりに旅行できたからさ、つい張り切っちゃっただけで…』 2人で同じ時を過ごすようになってから、 お互いに中々タイミングが合わず、 やっとの思いで叶った旅行。 思い切って、良いホテルを取ったからと 頑張った結果がこれだ。 『ありがとね、気遣ってく

      • Baby Face

        『先輩!帰りましょ!』 「うん」 校門の前で待ってくれていた彼は、 私の彼氏。 手を繋いで、近くの公園まで歩く。 ベンチに並んで座って、 購買で買ったお菓子を一緒に食べる。 『愛季先輩!今度の土日、どっか行きます?』 「こらー、敬語禁止って前にも言ったでしょ」 『えー、だって先輩だし…』 「だーめ」 『わ、わかった…』 『じゃあ、先輩だけ付けさせて!』 「うーん…」 「しょうがないなぁ…いいよ」 『やったぁ!』 可愛くて素直な彼の姿に、 つい、頭を撫で

        • 「パチパチ強炭酸」

          僕の彼女は、 ほんわかしているけど 嫉妬深くて、刺激的だ。 例えるなら、 仕事帰りの疲れた日に飲む 濃い目のハイボールが、喉を通り越す感覚に近い。 「ねぇ。」 「この写真、何?」 桜が持つ僕のスマートフォンには、 この前、後輩と撮ったツーショット写真が。 『いや、この子は会社の後輩だから』 「でもさ、だからって」 「飲み会でツーショット撮らなくない?普通。」 『まぁ、そうかもしれないけど…』 「好きじゃなきゃ撮らないよね?」 「なんで許したの?」 『それは

        自分からの卒業

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        • 中編まとめ
          24本
        • 1000文字以内シリーズ
          30本
        • Squawk77
          2本

        記事

          「ふわふわ微炭酸」

          僕の彼女は、 ほんわかしているけど、 爽やかで心地よい。 例えるなら、 夏の蒸し暑い日に つい欲しくなってしまう炭酸飲料を 一気飲みしたような感覚に近い。 今朝起きた時も、 「ふわぁ…おはよぉー…」 あくびをすると、寝ぼけ眼の奥にある 透き通った瞳で、僕を見つめてくる。 『おはよう、桜。』 「今日、何しようかぁー?」 『う~ん…』 『思いつかないなぁ…』 「じゃあ、今日はお家でゴロゴロしよっか?」 『うん、そうしよう』 『ここ最近、お互い忙しかったもんね…』

          「ふわふわ微炭酸」

          「通路側がお気に入り」

          新横浜を出て、加速するのぞみ。 学生だけど、麗奈のレベルに合わせて、 頑張って貯金した甲斐あって 今、こうやって旅行を楽しめている。 『ねぇ』 「ん、なにー?」 『指定席で良かったの?』 「え、なんでー?」 『お嬢様って、グリーン車移動が普通なんじゃないの?』 「ねぇー!いじってるでしょ」 笑いながら僕は、窓側のフックにかけた レジ袋から駅弁を出した。 対する麗奈は、いちごサンド1個。 『麗奈は、いつもより少なめなんだね』 「せっかくなら、大阪で美味しい

          「通路側がお気に入り」

          Magic of love

          恋の魔法。 もしも、そんなものがあったとして、 私が使えたとしたら、 きっと、彼のことを 振り向かせることも、できるのかな。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「よし!今日も頑張るぞっ」 髪型もバッチリ決めて、 先生にバレない程度のメイクをして、 私は教室に入る。 「おはよ!」 声のトーン高めで、彼の目を真っすぐ見つめる。 『お、守屋。おはよう。』 目一杯のあいさつに対して、 彼の返事は、ドライだ。 まぁ、これはいつものこと。 切り替えて、次に

          Magic of love

          「さくらん状態」

          「ねぇ、かっきー」 「どうしよ…」 『どうしよう、って言われても…』 『でも、自分の気持ちは、さくちゃん自身にしかわからないからさ』 『まずは、自分に聞いてみたらいいんじゃないかな。』 「うん…そうだよね」 そうは言ったけど 私は、混乱していた。 初めて、男の人から告白された。 確かに、「どうせ私なんて…」が口癖だった 昔の私とは違う。 でも、私よりもスタイルも頭も良くて、 何より、一緒にいる時間が長いはずのかっきーじゃなくて、 なぜ、私を選んでくれ

          「さくらん状態」

          「ATTESA」

          「じゃあ、行くよー」 半クラでシフトを繋ぎ、アクセルを踏む。 柚菜が長年の貯金をはたいて買った、 黒色のR32は、綺麗な加速で伸びていく。 昔から運転の上手い柚菜は シフト動作もスムーズ。 高速に乗れば、その上手さがはっきりと出る。 車もそう。 一般的なやつと違って、 加速した時に後ろからグンとくる感じは いかにも、スポーツカーだ。 『ほんと、運転うまいよな、柚菜って』 『俺とは大違い』 「そんなことないよー」 「でも正直、オートマだったら変わんないと思うよ?」

          「ATTESA」

          「1日遅れ」

          「ただいまー…」 人々が寝静まった夜中、 俺は家に帰ってきた。 システムトラブル続きで ここ最近はまともに家に帰れた試しがない。 昨日も今日も、 いや、日付が変わってから家に帰ってきたから 正確には1日ずつ前だけど、 俺達にとって特別な2日間さえも 仕事のせいで台無しにされたとあっては たまったもんじゃない。 いつか絶対、何倍にも変えて取り返してやるからな。 そんな決意を胸に、服を放り込むついでに 風呂で汗を水に流す。 短い時間で風呂

          「1日遅れ」

          「2日違い」

          『はい、これ。』 『誕生日、おめでとう。』 「じゃあ俺からも。」 「誕生日おめでとう。怜奈。」 生年月日が2日違いの俺達は、 俺の誕生日に、こうやって お互いの誕生日を一緒に祝うのが習慣だ。 プレゼントも、事前に聞き合った お互いの欲しいものを交換する。 付き合いたての頃は、 日付通りにケーキを食べたり、 お祝いをしていたけど 『もう、面倒くさいから一緒にしない?』 『1日置きにケーキ食べるのも、正直、胃がもたれるし』 という怜奈の一声で、そうなっ

          「2日違い」

          「優しすぎるお母さんに甘やかされてます」

          『お母さん、宿題出来たよー』 「はーい」 お母さんが、お菓子とジュースを持ってくる。 「あ、そうだ。この前のテストどうだった?」 『出すの忘れてた、ごめん!』 『はい、これ!』 「95?!」 「よく頑張ったじゃーん!」 そういって、頭を撫でてくれる。 「じゃあ、今日は特別にご褒美ね。」 そう言って、太ももをぽんぽんと叩くお母さん。 僕はありがたく、膝枕させてもらうことにした。 この年齢で、おかしいと思われるだろうけど 僕らにとって

          「優しすぎるお母さんに甘やかされてます」

          裸足の人魚

          小さい頃に、この本を読んだ時は まだ意味がわからなかったけど 今なら、理解できる。 人魚姫は、美しい声と引き換えに足を手に入れた。 でも声を失い、足に痛みを抱え、 憧れの王子に気づいてもらうことが出来なくて 結局、自ら身を投げる道を選んだ。 想いを叶えるには『代償』を払わなきゃいけない時がある。 しかも、その代償を払っても、叶わないこともある。 想いを叶えるって、こんなにも難しいのか。 私は、そのことを実感しながら、本を閉じた。 ーーーーーーーーーーーー

          裸足の人魚

          「良妻賢母」

          『楽しかったねー!』 手を繋いで歩く、久々の2人っきりのデートの帰り道。 『ねぇ、晩ご飯、何にしようか?』 「うーん。何でもいいかなー」 『困るんだけど、そーいうーの』 ほっぺたを膨らませて怒る璃花。 正直、かわいいが先行してしまう。 「ごめんごめん。じゃあ、オムライスで。」 『わかった。いつものように作るね!』 俺の好きな甘めの味付け。 それは、近所の親戚に預けていた、 娘も同じ嗜好で。 『ご飯出来たよー!』 『はい、あーん』 娘にご飯を食べさせ

          「良妻賢母」

          スヴェート

          「(1分)27秒315」 "もう少し削れるとは思うけど、ちょっとアンダー気味かなー" "あと、トラクションが思ったよりかからない" 「了解。2周後にピットインね」 2周後、ピットに白色のポルシェが帰ってきた。 サイドには、<99>のゼッケンナンバーとアニメのキャラクターが描かれている。 俺の好きな、というか 正確に言うと、俺の好きな声優さんが 生徒役の1人を務めているアニメだから、 コラボの話を会議で聞いた時は、 机の下で、こっそりガッツポーズしたのを覚え

          スヴェート

          ダ・カーポ

          『いただきまーす!』 2人で学食のランチを食べる。 凪紗は日替わりランチのAセット、オムライスとサラダ。 俺は、ラーメンと半チャーハンのセット。 2人、向かい合って席に座る。 「そういえばさ、凪紗って、いっつも日替わりランチ選ぶよね」 『だってほとんど毎日通うんだよ?』 『同じメニューだとつまんないじゃん』 「なに?それは毎回ラーメン選ぶ俺に対する当てつけ?」 『違うよ違うよ!好みの違いってだけ』 慌てて否定する凪紗。 「冗談だよ、冗談。わかってるって」

          ダ・カーポ