見出し画像

テレビを消して

ー 日頃、家にいるときテレビを常につけないようにしている理由がある。


テレビは気軽に観ることが出来る。スイッチを入れればいつでも何かしらの出来事が画面上に映し出される。ドラマだったり、ニュースだったり、お笑いだったり、料理番組だったり。もちろん、自分のためになる番組だってあると思う。

けれど自分がどうしてテレビは自分のためではないと気付いたか、それにはいくつか理由がある。

日本で長年暮らしていると意外と気付かないものなのかもしれないけれど、テレビ番組では人を差別するような言い方が日常茶飯事使われている。私たちはその光景をなんとも思わず眺めていると思うのだが、実はそれは無意識的に私たちの日常生活にも影響を及ぼしていると言える。


一、 無意識的な相手への非難

例えば、あるタレントさんが間違えたことを言ってしまったとして、周りにいる方はそれを当たり前にバカにしたように笑いながら指摘する。お笑いの方程式みたいなものが浸透しているのだから、これは非難しようと仕方がないことかもしれない。が、こういうのを見ていてやっぱり哀しく思ってしまうのは自分が海外に居た経験上、

誰かの間違いをそんなにも激しく指摘してバカにするようなことがなかった

からだろう。

例えば誰かが間違えれば、ひとは「It's okay」と言って、誰だって間違うことはある、と言うのが普通だ。間違えた時こそフォローしてくれる、という安心感があるのだ。
が、この国では間違えることはいわゆる"バカなこと"と見られてしまう。如何にかなしいことだろう。間違えた時、フォローしてくれる安心感というものは保証されない。


二、 社会における上下関係を忘れさせようとしない

バラエティ番組でもなんでもそうだと思うが、「おまえ後輩だろ」や「先輩ですので」というような言葉は誰だって聞いたことがあると思う。
この国が、上下関係の社会であることは誰もが知っていて分かりきっていることだとは思うが、やはりどんな時でさえ

誰もが対等である関係が一番楽しいんじゃないか

と思うのだ。

ゆえに、おまえ後輩のくせに何言ってるんだ、というようなフレーズは聞いていて心地よくないし、何よりこの国にいい影響を与えているものだとも思わない。
テレビ番組の中で終わる話ならいいかもしれない。
けれどテレビというのはやはり私たちに無意識に影響を与えていて、テレビ以外でだって「おまえ、後輩だろ」というような言葉は聞くと思う。
先輩だから偉い、後輩だから出来ないという考えはいつから出来たのだろう。
後輩だって先輩より出来ることはあるかもしれないし、先輩だって後輩より出来ないこともあっておかしくはない。どちらかというと「若い」、「新入り」という意味で言うと後輩の方が現代を理解していてもおかしくはない。だから今、テクノロジーが急激に進化して来たこういう時代でこそ、先輩や後輩、上司や部下なんていうどうでもいいレッテルは忘れて、お互いがお互いを助け合いながらやったらいいんじゃないか、と思うわけです。


三、 男女差別が大袈裟

どこの番組を観ていても男性が圧倒的な数なことはもう仕方がないこととしても、そこで女性のゲストが来た時に「女性なので」という扱い方はいかがなものかと思う。
女性がいわゆる"男性らしき"ことを日常でしている、と明かせば「女の子なのに?!もっと女性らしいことをした方が…」というような反応をする人も多々いるだろう。逆に男性がすこし"女性らしい"仕草をとれば「オネエか!」という風に言う場面だってあったりするだろう。
LGBTの活動が世界的に広まっている今、そう言った発言は差別に他ならない、そもそも

個人を尊重する心が欠けすぎている

と思うのだ。

もちろん、全員が全員差別をしようと意識して言っているものではないのはわかっているのだが、その無意識的な差別がテレビというメディアにおいては特に多い気がしてならない。

日本において「家にいる時テレビを付けっ放しにしておく」という人はきっと他の国に比べても多いのではないかと思う。いつかそんなことをテレビのリサーチで発表していたような気すらする。

テレビというメディアはそれが分かっているのにも関わらず、未だメディアとして、国民に"なにが良い影響で、なにが悪影響か"を課題にしているとも思わない。


四、 テレビを観ている間、脳の活動が殆どない

これについてはとても個人的な理由になるかもしれないが、
テレビをなんとなくつけて観るとき、観ている間というものは「観る」ということ以外特に何もしない。
どうでもいいことで笑う。どうでもいいことで変だ、なんて思う。その間ずっと、自分は微動だにしていない。ただただ時が過ぎていく。

メディアとは如何に無意識に自分たちを洗脳し、自分たちの暮らしに影響をもたらしているか、ということを今一度考えてみてほしい。

自分はこれでもひとりのクリエイターなので、この何も発生していない、言えば "無駄" な時間はきっと何か、他のものづくりに関連する出来事に当てられると、ふと気付いた。

映画を観て感性を磨く。
読書をして想像力を豊かにする。
絵を描いて少しアウトプットしてみる。
音楽を聴く。
気になっていたもののリサーチをする。
近所に少しの運動をしに自転車を漕ぐ。

テレビを消した瞬間、自分には無限大に 「自分のために出来ること」 があるではないかと気付いた。

テレビを消す。

相手に対する差別や非難を平気でしている瞬間を目の当たりにしてしまうのを回避する

そして

日頃テレビを観る時間をなくせば、出来ることはもっとあるということに気付く


そういうわけで日頃、
テレビは火曜日と土曜日以外、つけないように心がけている。


火曜と土曜はテレビをつける理由については次の記事で


なお、写真は全て自分で撮影したものです。
海外の写真はインスタに掲載していますのでぜひ見てみてください。


Instagramでは海外の写真をアップしています。https://www.instagram.com/shosemin/