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志×技能×高等教育=新しい職人学校創設プロジェクト

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大きな社会問題となっている建設業界の職人問題と、高等教育からドロップアウトする若者の増大の両方の課題を解決する新しい学校創設プロジェクトの歩みを書き溜めて行きます。
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#タレンティズム

2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動① 〜出逢いこそが宝〜

2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動① 〜出逢いこそが宝〜

私が代表を務める株式会社四方継はいわゆる大工工務店で、社員大工による施工ができる分しか工事を請け負いません。なので、若者の採用を積極的に行い、育成に努めてきました。現在も、3年生、6年生の若手大工が目覚ましい活躍をしてくれており、今後の成長が本当に楽しみです。翻って建築業界全体を見渡すと圧倒的な高齢化が進んでおり、あと10年もしないうちに深刻な職人不足になるのが目に見えて明らかな状況です。建築現場

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2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動③ 〜ビジネスモデルとタレンティズムとセルフイメージ〜

2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動③ 〜ビジネスモデルとタレンティズムとセルフイメージ〜

このnoteでは今や建築業界だけでなく日本のインフラ保証や産業全体の喫緊かつ重大な問題になっている職人不足と、近年社会問題化している学生の不登校、学歴マイノリティーの増加の両方の課題の解決を目指す新しい職人高等教育学校創設のプロジェクトについての構想と進捗を公開すると共に、広くご意見を募る場として設定しています。ご意見、ご感想頂ければ嬉しいです。
これまでの記事はこちら、

オレの志

私は元大工

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構造化はぼんやりしたイメージを明瞭、明確にする事から 〜アクティブブレインセミナーを推す理由〜

構造化はぼんやりしたイメージを明瞭、明確にする事から 〜アクティブブレインセミナーを推す理由〜

現在、大阪で開催している第19期職人起業塾で、カリキュラムに組み込んでいるアクティブ・ブレインセミナーを開催しました。同セミナーは一般的に記憶術と呼ばれている脳の使い方の技法ではありますが、単に記憶力を良くするだけのものでは決してありません。その効果は絶大で、私が研修のメインテーマというか、中心的な概念に据えている「タレンティズム」=(才能主義)を塾生に理解してもらい、自分には無限の可能性が秘めら

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たまたま、ひょんな事で、ツイてた。を計画する

たまたま、ひょんな事で、ツイてた。を計画する

ひと昔前、私がまだ経済新聞を熱心に読んでいた頃「私の履歴書」というお気に入りのコラムがありました。経済界のみならず、政界、芸能界、スポーツ界と幅広いジャンルで大きな活躍をして功績を残された大御所の方々が次々と生い立ちから現在までの履歴書を1月に渡り連載されており、いわゆる成功者の思考やその身に起こった奇想天外な出来事を読んではなるほど、成功者のパターンはこうか、なんて勝手に分かったつもりになったり

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なぜ、10年以上にわたり誰も職人不足問題の解決を見出せなかったのか?

なぜ、10年以上にわたり誰も職人不足問題の解決を見出せなかったのか?

この度、リフォーム業界最大手メディアのリフォーム産業新聞社から取材を受けました。取材内容は現在私たちが推し進めている職人育成の新しい高校創設のスキームについてです。私が事業内容を説明すると、「確かに高橋さんが言われる通り職人不足問題の根本的解決策になるかもしれませんね」と大いに共感して頂いたと共に、「これまで10年以上に渡って職人不足問題は喫緊かつ重要な問題だと言われ続けていたにもかかわらずどうし

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増え続けるフリースクールの課題と職人育成高校という新たな選択肢

増え続けるフリースクールの課題と職人育成高校という新たな選択肢

「お盆休みを利用して訪問させていただいてもいいですか?」と連絡があったのは山梨県でフリースクールを運営されている村松さんから。先月、山梨で開催されたソーシャルカンパニーフォーラムに出席した際、懇親会の席でほんの少し、私たちが現在進めている職人育成の高校のプロジェクトの話をしたのが印象に残っていたとのことで、詳しい話を聞いてみたいとご連絡を下さいました。夏休みが終わると本格的に2023年入学の学生の

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アスリートのセカンドキャリアを考える

アスリートのセカンドキャリアを考える

先日、アスリートのセカンドキャリア構築の支援をされているアポロプロジェクトなる団体の元Jリーグの山内理事長、元ラグビー日本代表キャプテンの広瀬専務理事とご縁を頂き、私たちが行っている職人育成とコラボレーションできないかとの話で大いに盛り上がりました。アスリートと職人、肉体と技術を研ぎすますと言う意味で非常に共通点も親和性も多くあり、志の教育を中心に据えている共通点も相まって大きな可能性を感じました

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夢も目的もなく高校進学する君たちに

夢も目的もなく高校進学する君たちに

私は神戸で建築と地域コミュニティーの事業を営む株式会社四方継という会社を経営しています。元大工で今も自社の大工を育成し自社社員による工事を特徴として住宅や店舗、オフィスなどの工事を行なっています。今日は、これから中学校を卒業してから進路を考えようととしている若者にささやかなメッセージを送ります。

なんとなくの高校進学中学生の頃、私は勉強よりも仲間と遊び回ることの方がずっと大事で、学校にはあまり真

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自己認知の重要性と個性分析の正しい使い方

自己認知の重要性と個性分析の正しい使い方

これまでになかった新しいキャリア教育の高校、マイスター高等学院は職人を目指す高校生が実社会で活躍できる能力を育む学校です。実際の現場に出て技術を学ぶと共に、月に2回の座学では、人間力を高める在り方=本学を学ぶ機会が用意されています。今日の授業では大学の素読と第一節にある「大学の道は明徳を明らかにする」の件を紐解いて、世の中を良くしたいならまず身を修めること、身を修めるなら心を誠にすることだと大原則

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マイスター高等学院の授業で大学の素読を行う理由

マイスター高等学院の授業で大学の素読を行う理由

「大学の道とは明徳が明らかにすることなり。」とは、孔子の弟子達が編纂した有名な大学の冒頭の一文です。この春、新たに開校し、授業を開始した職人育成の高校、マイスター高等学院では午前中は古典を学ぶカリキュラムが組まれており、まずは仮名大学の素読からスタートしています。
姿勢を正し、25分間の素読の後、一節ずつの意味を丁寧にひもといて、半年ほどで15歳の若者が大学を完全に理解出来るようになります。大学が

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