正覚寺WEBムービーの制作秘話（前編）

合掌

10月に入ると途端に気温が下がる日も多くなりました。秋の訪れを感じます。

ちょうど昨年の今頃は、正覚寺公式WEBサイト準備の一環として、WEBムービーの制作をしていました。
リアルな場だけではなく、オンライン上でも正覚寺の姿を体感していただきたいという想いから、サイト上では「Experience Shogakuji」としてトップページに４つのムービーが掲載されています。

今日はその内の２本についての解説と制作の裏側をお話しいたします。

まずはこちらのムービーをご覧ください。

Experience 01 「三光天子」

「三光天子」とは、太陽・月・明星の３つの光を意味します。私たちの生活にとって最も関係の深い３つの光であることから、法華経では日天・月天・明星天の三天を仏法守護の神として説いているのです。

太陽の輝き、空の青さ、雲の流れ、月や星の煌めき。
Experience 01「三光天子」では、太陽・月・明星の光に焦点を当て、正覚寺に移ろう１日の自然を表現しています。
日頃忙しなく過ごしている私たちは、ついその美しさやありがたみを忘れてしまいますが、ぜひこのムービーを通して改めて実感していただけたら幸いです。

ちなみにこの撮影では、定点で時間を早送りするタイムラプスという撮影手法をとっているため、日の出前から長尺の撮影が開始されました。
制作メンバーが集まったのは午前3時。事前に調べた日の入りの方角に向けてカメラをセットし、朝日が昇るのをじっと待ちます。
もちろん、太陽の動きを長時間定点で捉えるため、最初にセットする方角のミスは許されません。しかし厳密に方角を合わせるのは大変至難の技。実際に撮ってみると太陽が周りの建物の影に隠れてしまったり、少し狙っていた角度とズレてしまったり。最終的に２日ほど追加撮影をして映像ディレクターやカメラマンの方々を中心に試行錯誤していただきました。

日が徐々に落ちていくとともに、影の落ちていく本堂や浄行殿様の移ろいはまさに幻想的。こうしてタイムラプスで見ると、日々正覚寺で過ごしている私でさえ知らない境内の表情がありました。

また「東京は星が見えない」ともよく言われますが、満天までとはいかずとも、街の明かりが消える頃には星の輝きが散見されます。これまた星の軌道を予測して定点撮影する大変さもあったのですが、制作メンバーが一丸となり、美しい星の流れを映像に納めることができました。

今回WEBに掲載されている４本のムービーのうち、撮影に一番苦労したと言っても過言ではない「三光天子」。カメラが捉えた正覚寺のさまざまな表情をぜひご体感ください。

Experience 02 「朝勤」

続きまして、WEBサイトの２本目にある「朝勤（ちょうごん）」についてご紹介します。まずは上記のムービーをご覧ください。

「朝勤」とはその名の通り、正覚寺で毎日行われている「朝のお勤め」のことであります。朝6時過ぎから堂内や境内を掃除し、各お堂に供えられている御仏膳を用意する。一通り各お堂の準備を終えたあとは僧侶全員で鬼子母神堂に集まり、これからはじまる1日の平穏、そして今日を生きる万人の平和を願い、法華経を読経します。

私たち正覚寺のスタッフにとっては当たり前のように毎日行うお勤めではあるのですが、制作の方々と打ち合わせをした際に、この朝勤を毎日6時からやっていることに驚きがあったようでして、この正覚寺のリアルな日々を映像に残して広めていくことに価値があるのではないかということで撮影する運びとなりました。

撮影では、いつもの読経の様子を何台かのカメラで押さえていただくことでより臨場感のある映像となりました。太鼓を叩くシーンや、５人の僧侶を俯瞰から映すシーンなど、私も普段では見られないアングルから見ることができ、この映像を見返すたびにとても新鮮な気持ちになります。

ちなみに、映像内で読経している「南無妙法蓮華経」の意味につきましては、以前投稿した記事「【百度石・お題目】万人のために工夫された仏教」を読んでいただけるとよりを深くご体感いただけるかと思います。

撮影当日は早朝に少し雨が降ったものの、撮影時には晴れ、日が昇ってくるにつれとても暑かった記憶があります。スタッフの方々も水分をとって熱中症に気をつけながらスムーズな撮影をしていただきました。

撮影を進めていくと偶然撮れるカットもあり、本堂の前で水を貯めている天水桶に鳩がやってくるシーンなどは本当にたまたま入り込んできたものでした。

私たち僧侶の日々のみならず、正覚寺の訪れる動物や自然も併せてご体感ください。

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次回は残りの２本のムービー「木剣加持」「無常無為」について解説いたします。
ご拝読いただきありがとうございました。

再拝

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