マガジンのカバー画像

読んで面白かったnote

109
感想を書かせていただいたもの以外にも、面白かったnoteをまとめさせていただきます。
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

困乱する言場と世壊

 目覚めると俺はベッドの上に横たわっていた。ベッドは床の上にあった。      俺俺俺俺…

涼雨 零音
3年前
78

【短編】生活問題

 仕事を変えることになった。新卒採用されたが一年を待たなかった。今度は遠方だ。実家から引…

【短編】海辺の散歩

 ホテルに泊まった。由比ガ浜の。  朝、起きて、テラスに出た。  海が見えた。  着替えて…

〈雑記〉小説の登場人物について、計算してみました

ああ! だめです! 気づいてしまった! 気づいてしまったから! 計算をしなければならなくなっ…

50

喜び 【ショートショート】

その昔、何か調べものをするには図書館に行くしかなかった。 多くの人はそのためにバスや電車…

P-610
3年前
23

「わからないもの」の時間。【渾身の短編・3710文字】

僕の中学校には、一風変わった授業がある。 「わからないもの」の時間だ。 道徳の時間を使…

果報者
3年前
23

きんぴら大根に秋のなみだ

冷気を逃がさないためじゃなくて暖気を閉じ込めるためにドアを確認したとき、秋の香りがした。金木犀の甘いにおいじゃなくて、秋雨前線のじっとりしたにおいじゃなくて、自分だけが気がつく秋の香り。ああ、秋だ。だれにも伝わらない香りを噛みしめて、木枯らし色のブーツに足を入れた。 第六感、っていうのは結構あなどれないものだと思う。幽霊とかスピリチュアルとか占いとかそういうのじゃなくて、自分の勘のほう。今日はうまくいきそうだな。このお店よさそう。こっちの道から行ってみよう。こういう良い勘は

奇妙な死に方が流行っている。 隣の爺さんはやせ細り、白くなり、脚が1本に統一され、頭から…