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【試し読み版 1/4】 投資に正解は存在するか - はじめに:本書の目的

このページは書籍「投資に正解は存在するか:堅実な株式投資と資産形成の入門ガイド」の試し読み版(全4ページ)で、1ページ目「はじめに:本書の目的」の章です。

本書の正式版は、ペーパーバック版およびKindle版が発売中です(Kindle Unlimitedにご加入の方は無料で購読できます)。書籍の詳細については、シロイブックス公式サイトの書籍情報のページもご参照ください。

※本書は当初、有料マガジンの「note版」としても公開されていましたが、Amazonの規約の関係で独占販売とする必要が出たため、note版は公開終了して「試し読み版」として公開し直す形とさせていただきました。

ペーパーバック版の表紙イメージ

この本の特長

投資情報の氾濫に戸惑う人たちへ

本書「投資に正解は存在するか:堅実な株式投資と資産形成の入門ガイド」を手に取っていただき、ありがとうございます。

投資に関する情報というのは、既に世の中に溢れ返っています。大抵の書店には投資本のコーナーがありますし、ネット上で無料で読める記事だって山ほどあります。投資を始めてみようと思い立ってこれらに手を伸ばしたとき、最初に口にしたくなる苦情が、この「情報が多すぎて、何を信じたらいいのかわからない」という点なのです。ただ量が多いというだけではありません。専門家と呼ばれる人たちがそれぞれに違うことを言っていて、それぞれ自分が正しいのだと主張しています。

こうした中で、私たちはどうすればいいのでしょうか? 経済や金融の専門家でもなく、昼間はごく普通に会社などで働いていて、週末にパソコンやスマホで証券口座の画面を開いて資産形成を行おうとしている人たちは、いったい何を頼りをすればいいのでしょう。

本書は、そのような状況に戸惑う「普通の人」たちに向けて書かれました。最初に、本書の特長を簡単に説明しておきたいと思います。それは以下の3つです。

本書の特長①:現実的な方法を示す

まず、特殊な才能が必要だという投資手法は最初から除外します。「カリスマ投資家」ないし「カリスマトレーダー」たちの持つ(とされている)こうした才能というのは、実際には単に偶然の結果を切り取って見せているだけという可能性があり、純粋な実力による結果というものをそこから選別するのは極めて困難です。

既によく知られているとおり、投資というのは偶然性が大きく絡む世界です。仮にスタジアムを満席にするほどの人数でジャンケン大会を開いたら、おそらくは10連勝や15連勝する人が現れます。全体の数が十分であれば、運だけで勝つ人が現れるのは必然です。そうした人が「あなたにもできるジャンケン必勝法」という本を出したとしても、それは参考にはならないはずです。本書では、世間に流通するこうした疑わしい話を詳しく検討した上で、きちんと否定していきます。

また、投資にかけられる時間やエネルギーについても、専業投資家や専業トレーダーと呼ばれるような人たちは視野の外に置き、普通に会社員などの仕事をしている人が実現可能な方法だけを扱います。勉強するということが大切だと強調はしつつも、専門的な仕事として投資をフルタイムで行う人が取るような投資手法は、本書の範囲外になります。

本書の特長②:勧誘の意図がない

第一章でも最初に触れますが、投資についての情報を読むときは、それを発信している人の思惑と、その人がどういう利害関係の中にいるかという点に注目する必要があります。「ぜひ○○に投資しましょう、将来有望で間違いなしです」と自信たっぷりに主張している人が、その○○という商品を販売する会社を経営していたとしたら、それを信用すべきかというのは疑問です。

この本の筆者は著述と出版の仕事をしており、投資や金融の業界の内側にいる人間ではありません。私が読者のみなさんに対して持っている直接の利害関係は「この本が広く読まれて、販売部数と売り上げが伸びたら嬉しいな」ということだけです。どのような仕事でもそうですが、特に個人の名前で行う著述業のような仕事については、いいかげんなことを書いて読者の信用を失ったら、もうそれでおしまいです。そのため、筆者である私には、読者に対して正確で役に立つ情報を提供しようという動機があります。もちろん、長期的な悪評が起こる前に短期集中で詐欺まがいの商売をしようとする人間もいるにはいるので、この信用という点については、次に述べる特長③を確認していただく必要が出てきます。

念のため補足しておくと、筆者は投資の世界において、まったくのアマチュアというわけではありません。普通の社会人として長期の株式投資を長らく行なっている他に、専業でトレードに従事していた経験も2年少々あります。

ここで、投資や金融に詳しい方は「トレード」と「投資」の違いを理解していると思うので、今の記述には「おや?」と思われたかもしれませんね。ざっくり言えば、短期間の価格変動の中から利鞘を稼ごうとするのがトレードで、長期的な価値の上昇を期待するのが投資です。本書はトレードの本ではなく、投資の本になります。投資の本質を考える上で、短期のトレードの話題についても取り上げますが、数時間や数日といった、短期間での売買を繰り返すトレード手法を正解として扱う本ではありません。(つまり、この本の筆者はトレードに職業的に取り組んだ上で、それを「正解」と見なさなかったということです)

本書の特長③:理由と根拠の話をする

投資手法の解説であれ、「○○の株が上がる!」などといった個別の情報であれ、そこにしっかりした根拠があるということは稀です。トラックの積載量だとか、ひとつのエレベーターに同時に乗っても問題ない人数の上限だとか、そうした安全上の綿密な計算が必要であろうものを製造しているメーカーが「なんとなく大丈夫な気がするので」などと言っていたらびっくりするでしょう。しかし、投資の世界では、そういうあやふやな言説のほうがむしろ普通だったりします。

この本で「こうするべきです」と主張するときには、それを読んだ読者が少し考えた上で「確かにそうだな」と納得できるような理由を示すことにします。経済や金融の専門家だけが持つような専門知識は要求しません。ここで示された理由に「なるほど」という感覚が起こらないのなら、読者の取るべき行動はひとつで、それはこの本を信用しないということです。投資の世界で何を信用して、何を信用しないでいるべきかという疑問は、本書の第二章までの中心的なテーマになっています。

ただ、経済学などのやや難しい話に触れることがどうしても避けられない場合もあります。そのときは、理論の詳細や数式などを出すことはせず、出典を明らかにした上で結論だけ持ってくるという形にしたいと思います。

注意点、範囲の限定、免責事項

避けてはならない難しさについて

本書が目指すのは、投資という難しい話題に対して「これ一冊でひとまず大丈夫」と言えるだけの内容を提供することです。堅実な投資に関する知識の全体というものがあるとして、それを実践するために「これだけは外せない」と思われる要点を抽出した上で、なるべくわかりやすい言葉と構成によって一冊の本にまとめるということを行ないました。

しかし、投資という話題を正直に扱うことを宣言した以上、すべてを簡単に済ますことはできません。実際、この本は投資の入門書としても、一般的な実用書と比較してもやや分厚い部類であり、それなりに真剣に頭を働かせて読むことが必要な内容になっています。

相手が知らない物事を手早く説明したいとき、例え話を使うことがありますね。書籍であれば、イラストのような視覚的な要素を増やして「わかりやすさ」を前面に打ち出す方法もあります。これらは確かに、使い方によっては意味のある方法です。本人が既に理解している考え方を別のテーマに適用させたい場合であれば、例え話は有効です。たとえば節約のコツについて解説したいときには、前置きとして「節約とはダイエットのようなものだ」という比喩を出すことができます。これによって、それが口で言うほど簡単なことではないという感覚や、数字の記録と習慣化の重要性といったポイントをすんなり理解してもらうことができます(今、例え話の効果を例え話によって説明しました)。また、イラストというのも一種の視覚的な比喩として使われることがありますが、普通の「絵」だけでなく適切なグラフや概念図を使えば、言葉では伝わりにくい内容を一目で理解できる形に整理することができます。

しかし、数学や物理学を学びたいときに「簡単な例え話とイラストだけで説明してくれ」というのは無理な要求です。例え話とは思考の枠組みの流用なので、あなたがまだ知らない思考の枠組みを例え話によって学ぶということは、原理的に不可能だからです。また、図表でうまく説明できるのは「A・B・Cに分類できる」「X軸・Y軸の各要素に分解して考えることができる」といった、比較的シンプルではっきりした性質や構造を見出せるものに限ります。

数学を学ぶことが難しいのは、そのテキストが簡単なことをわざわざ難しく書こうとしているからではなく、数学という分野の内容自体が持っている避けられない難しさによるものです。そして、投資の分野にも(純粋な数学ほどではないにしろ)これに似た難しさが存在します。

投資の入門書でこのような難しさの要素を避けてしまうと、それは「わかったような気はするけど、いまいち信じ切ることができない」という消化不良の感覚として残ることになります。一般に流通する多くの「わかりやすい入門書」の欠点は、このような「省略してはいけない部分」を省略してしまっている点にあり、これは実は投資という分野では致命的なものです。

投資というのは、少なくない金銭的な損失が発生しうる行動です。あなたがこれから投資を行っていく上で、最大の敵となって現れるものは、株価の暴落のような現象そのものではありません。本当の相手は「大切なお金を失ってしまうかもしれない」「これで合っているのか」という、あなた自身の不安と動揺です。そして、不安とは単なる「気持ちの問題」ではありません。理解と訓練によってのみ解決できる問題です。ここで、読者のニーズに応じて不十分な「わかりやすい解説」を提供するとしたら、結局は読者が損をする結末になってしまうので、筆者はそのようなことは避けたいと考えました。

「簡単に儲かるはずがない」という当たり前の事実は、本書の早い段階で指摘することになる、この世界の基本的な原則です。当然、筆者としても難しい話題をわかりやすく説明するための努力はしますが、ここで述べたような根本的な難しさの認識は持っておくようにしましょう。

この本では何を書かないか

本書では、投資という行動の本質を一般的な入門書よりも深く、丁寧に掘り下げながら、その特殊な世界に向き合う上で必要となる知識や考え方について解説していくつもりです。そのため、ネットで証券口座を開くときの手続きや、画面の操作方法といった内容は扱いません。

NISAやiDeCoのような個別の制度については、その意義やメリットについて解説した上で、活用することを推奨していますが、これらはあくまで「利益が出た際の税金の負担を減らす方法」です。それはそれで必要な知識ではありますが、本書の主要な目的は「利益そのものを出すための方法」を考えていくことにあります。そのため、制度の詳細については、必要に応じて別の手段で調べていただく形となります。

また、経済学の難しい理論を数式のようなレベルまで詳しく取り上げたりしないという点は、さきほど述べたとおりです。使用する用語についても、普通の社会人がニュースや世間話の中で見聞きしそうな単語以上の予備知識は想定せず、新たな専門用語が出てくる場合にはその都度解説することにします。

ただし、わからない部分が出てきたらなるべくその場でスマホを手に取って検索するなどして、すぐに調べるようにしましょう。きちんと勉強した人だけが最後に勝つことができます。そのため、わからなかったらすぐに調べるという習慣を持つことは重要です。

子どもが勉強をするときに「質問をする子は伸びる」と言われることがあります。自分の中に湧いた疑問点や違和感をそのままにしておかないということですね。そしてこれは、将来役に立つかどうかもわからない詰め込みの受験勉強のようなものではなく、あなた自身の将来の生活の豊かさに直結する話なのだということを意識するようにしましょう。

お約束の免責事項

本書では、可能な限り正確な情報を提供することに努めますが、情報に誤りがないことを保証するものではありません。また、実際の投資行動については、常に投資者自身の判断と責任において行うものとなりますので、その点もご留意をお願いします。

個別の金融商品や税制などについての詳細は、本書が執筆された2024年6月現在の情報となっています。

今、ここでちょっと堅いことを書いたのは、本書がお金という話題を扱う関係のお約束であって、筆者としては読者のみなさんに楽しんで読んでいただけるような内容を盛り込んだつもりです。モヤっとしていた疑問を解消したり、知らなかった世界を知るといったことは、基本的には楽しいことだと思っています。その上で、あなたの資産形成と将来設計に本書の内容が役立つことがあれば、筆者としてはとても嬉しく思います。

どのような話をしていきたいのか

本書の構成

本書は「はじめに」の章と第一章から第八章、そして全体のまとめである「おわりに」の章を加えた、全十章で構成されています。

大まかな流れとしては、投資にまつわる疑問をひととおり取り上げた上で、そのような中で模範解答と呼べるものを示し、さらにはその改善や周辺的な話題についても考えていくという形になっています。この流れに合わせて、扱いたい領域の種類と広さも変化します。最初は世間に存在する投資全般の話題を扱い、次に株式投資という分野に集中し、最後には投資以外の日常生活にまで視野を広げるということを行います。

章の一覧と、各章の内容は以下のとおりです。

  • はじめに:本書の目的 …… この章。本書が誰に対して書かれていて、あなたに何を説明したいと思っているのか

  • 第一章:「投資する」とは実際には何をすることなのか …… 投資でお金が得られる理由を理解する。なぜ投資は危ないと言われるのか、上がり下がりする株価チャートの正体はいったい何なのか

  • 第二章:投資でがっかりするための確実な方法たち …… 世の中で話題になる投資手法は本当に儲かるのか。未来が予測できるなどということはあるのか。常識的な理屈に基づいて、投資の世界に存在する誘惑と幻想を排除する

  • 第三章:資本主義全体の成長に賭ける …… 経済学者による研究データを参照して、株式インデックスへの長期分散投資という解答を提示する。さらに、予測に基づいた投資対象の選別をやめるという発想の転換を行う

  • 第四章:商品の選択 …… ネット証券の画面を開いて、ずらりと出てきた商品の一覧に迷わないために。適切な金融商品をどのように検索して、何をチェックしながら選んでいけばいいのか

  • 第五章:必ず起こる暴落に対処する …… 社会人として働きながら、投資家としてのマインドに切り替える。株式投資が難しいと言われることの本当の意味とは。これからあなたを襲うはずの心理的な動揺と、その対処のためのヒント

  • 第六章:リターンの向上を狙う …… ここまで考えてきた投資手法に改善点はあるのか。リスクという概念をより正確に理解し、データの参照方法を身につける。その上で、第三章で採用した基本的な方針に例外があるのかを探る

  • 第七章:投資と生活を結びつける …… お金を扱う以上、投資と日常生活は切り離せない。どこから元手を用意して、それをどう振り分けるべきか。長い人生の中でしっかり資産形成をしていくために、あなたが考えていくべきこと

  • 第八章:投資的思考とあなたの人生 …… 結局のところ、私たちが投資を行うのは何のためなのか。投資家として、不確実で難しい現実に対処する能力を身につけることができたなら、それはその人自身の人生を豊かにしていくためにも役立てることができる

  • おわりに:全体のおさらい …… 本書全体の復習と結び。最後に、あなたに覚えておいてほしいこと

また、第一章から第八章までの各章の最後には、その章で述べたポイントを箇条書きでまとめることにします。

全体の流れ

各章の概要を見ることができたので、本書全体がどのような流れになっているかについて、もう少し詳しく説明しておくことにします。

まず、本書の前半はかなり夢のない話から始まります。投資の本質というものをよく考えてみると、世間に流通する儲け話をどうして信じるべきでないのかという点が次々と明らかになってきます。これがそのまま第一章と第二章の内容です。ひとことで言えば「投資で儲かるとしたら、そのお金はどこから来るのか?」というのが本書の導入部分であり、事実を認識することで、誤った投資行動に走ってしまうことを避けるというのが、この本で最初にやろうと思っていることです。

次に、第三章が最初の答えとなる章です。本書のタイトルとして掲げたのは「投資に正解は存在するか」という問いかけでした。しかし、さきほどの各章の概要を見返してみると、第三章についての短い説明文で「何が正解なのか」という点が既に出てきてしまっていますね。株式インデックスへの長期分散投資を行おうというのがその解答で、予測と選別をやめるという重要な考え方についても書かれています。これはどちらかというと、投資の解説本を書く立場からすると、もったいぶって最後まで秘密にしておきたいタイプの事柄です。

しかし、この解答は、そこに至るまでの過程を理解しないと役に立ちません。これは「武道の追求とは精神性を高めることだ」というような抽象的で掴みどころのない主張とは異なります。投資においては、市場の暴落のような非常に動揺させられる局面があり、市場への理解の十分でない参加者がこれを無事に生き抜くことは、ほとんど不可能です。無事かどうかというのは、あなたが焦りと不安によって不適切な行動を起こし、投資で多額の損失を出すかどうかということです。ここで問われるのは、心理という領域において現実的な対処能力を自分のものとして持っているかという点です。そのために有益な道具を提供しようというのが本書の目的であり、これは具体的な道具を用意しない精神論的な立場とは正反対のものです。

投資という難しい世界に対処するとき、必要なのはあなた自身の理解の深さであって、ワンフレーズの答えは無力です。投資における正解と呼べる行動が、言葉で記述すれば比較的あっさりしているにも関わらず、世間にあまり流通していないように見えるのは、実はこの点が関係しています。その記述が客観的に見て正解であったとしても、知らない誰かの「そうしましょう」という言葉だけを信じて多額の資産を投じるということは普通はできないからです。それはするべきことでもありません。第三章は、本書全体の根拠が多く含まれる章になるので、やや長い内容となります。

続く第四章では、具体的な金融商品の選択を扱います。あなたが実際にパソコンやスマホに向かって、どういう名前の商品に投資するかを選ぶとき、ガイドブックとして役立てていただける章です。投資を実行に移す段階になって、目的のキーワードで商品の検索を行ってみると、何やら似通ったものがいくつも表示されることに気づきます。このとき、どのような点に注目して商品を選んでいけばいいのかということを解説していきます。

第五章では、市場の暴落という非常に重要なテーマを扱います。先述のとおり、第一章から第三章が投資の本質について深く掘り下げる内容となっているのは、この局面への対処として、投資行動への深い理解が必須だからです。この章では、暴落という非常事態に対してあなたが適切な対応を行うことができるようになる(というより、不適切な行動を行なってしまわないようにする)ための、心理的なヒントを提供します。本書を購入して最初に一読した際には、この章の重要性はさほどピンと来ないかもしれません。しかし、この章は自然災害に対する非常持ち出し袋のようなものであり、ここに書かれた内容があなたの助けになる日がいつか来るはずです。さきほど第三章を長い内容と言いましたが、この第五章はさらに長い内容になります。

ここまでの章が基本的な行動方針を決める話であるとするなら、第六章からはその改善の話です。第六章では「予測に基づいた選別をやめる」という考え方に基づいた長期分散投資において、何か選別によって利益を向上させることができるポイントはあるのかということを考えていきます。さらに第七章では、お金の話題を実生活と切り離すことはできないという視点から、投資の元手をどうやって確保していくか、日常の中の限られた時間やエネルギーをどのように配分していくべきなのかといった課題について考えることにします。

第八章は、投資とあなたの人生について考える章になっています。これは投資の解説書としてはやや珍しい内容と思われるかもしれませんが、そもそもの話、私たちがどうしてお金についてこんなに悩む必要があるのかというと、それは私たち自身の人生をよりよくしていくために他なりません。ある面では、お金は力であり、極めて重要なものですが、別の見方をすれば、本当にどうでもいいようなものです。この章には、お金と人生というテーマについて、筆者がどうしてもお伝えしておきたいと思っているメッセージが含まれています。

最後に、全体のおさらいとなる「おわりに」の章で、すべての章のポイントを改めてまとめたいと思います。

本書の前置きはここまでです。それでは、さっそく第一章の内容に入っていくことにしましょう。筆者がこの本に込めたものは、世間では大きな声で宣伝されることが決してない、投資という不思議な世界の本当の姿を明らかにするための道のりです。お楽しみいただければ幸いです。

【次の章へ】第一章:「投資する」とは実際には何をすることなのか

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