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Dishwashing
皿洗いが好きだ。
好きと言っても、それは日々やらなくては仕方がないことで、だから好き、てことにしたいのかもしれない。
仕事で皿洗いもできないかも。僕はマイペースで皿を洗うから。ときおり中断してコーヒーを淹れたり、iPhoneで SNSを見たり。そう、この文章も皿洗いを中断してかかれている。
器用な人は料理をし終わったら同時に洗い物も片付いてたりする。これも僕には無理だ。食後には山のように洗い物が積
My Mummy's Dead 2
私は東京で生まれた。和泉多摩川が最寄り駅の、多摩川沿いにある町だ。1974年には多摩川水害があった。19戸もの住宅が流されたらしい。これは『岸辺のアルバム』という山田太一脚本によるTVドラマのモチーフにもなった。家族が崩壊していく話である。
母は、母の知人の家も流されたと言っていた。なんでも、家が流されてから大量の見舞い品が届いた。その中で花も届いた。被災地の千羽鶴のように要らないもののように思
My Mummy's Dead
母が死んだ。
でもそれは突然にではなかった。今年の五月の上旬にいよいよだ、と介護施設に呼び出され、その二週間後には死んだ。
私は私の娘と一緒に介護施設に行った。母が死んだ日に。娘は小学二年生だ。
母は目を閉じていた。口は開いていた。私は母の頬にふれた。冷たかった。娘はまだ「死」というものにぴんときていない風だった。私もとくにその場で泣かなかった。
「ばあばは天国に行ったんだよ」
と私は言った。
Meaningless Name
僕は君に名前をつけた。
「、るあぬ」なんてどうかな。
意味なんてない。
ただ君の名前がなにか窮屈そうに感じたから。
名前は檻だ。
一方的に与えられ、原則的には変えられない。
べつのかりそめの名前を持つことはできても。
「、るあぬ」が気にいらないなら自分でつけたらいい。
あとでこっそり教えてほしい。