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夫との出会い④

こちらの続きです。

そのころ私は、取男とはちょくちょく連絡を取っていながらも、幼なじみの女友達、まいちゃんと毎週のようにスノーボードにでかけていた。
中級コースは、なんなく滑れるようになっていた。

恋愛なんぞ、おもんないのじゃ!

大阪の梅田から兵庫、岐阜や長野に夜行バスで行く。
土曜日の夜に出発し、日曜日の早朝に現地着。
丸一日滑って、また帰りの高速バスに乗り、バスのトイレ休憩10分できつねうどんを食べて、夜に大阪に到着する。
タクシーでうちへ帰る。
翌日も、朝から仕事。
今から思うと、なんちゅーパワーだ。(なんという力だ)

ある週末。岐阜のダイナランドスキー場に、いつものようにまいちゃんと夜行バスで行った。

ガンガン滑って休憩場所に行くと、
後ろから、トントンと肩をたたかれた。

振り向くと、ウェア姿のオットとその友達がいる。

私「え?!オットくんやん。来てたん?バス?」

オ「連れの車」

私「へーめっちゃ偶然やな!あ、この子私の友達のまいちゃん。まいちゃん、この人私の同僚のオットくん」

オ「あ、どうも〜。どこ滑ってんの?オレら上行くけど一緒に行く?」

『上』とは、上級コースだ。行ったことはないが、まいちゃんに聞くと行ってみたいとのこと。
私も、中級は滑れる。何でもチャレンジや。

私「よし!いこう!」

意気揚々と『上』に行ったものの、急な傾斜で
ものの見事にこけまくった。

オットは思いの外、上手に滑り、私らがコケているのを見て笑っている。

(なんやねんアイツは…)

オットとその連れはどんどん先へ行ってしまい、
まいちゃんと私は顔を見合わせて、
「私ら、中級でええよな笑」
「な笑」
と笑って言って、中級をただひたすらに楽しく滑って帰ってきたのであった。


とある日曜日の夕方。私の携帯電話がなった。

「もしもし?オレ」
オットだ。

私「あー、オットくん?どないしたん?電話なんてエライめずらしいやん」

オ「おぅ。こないだ、ダイナランドで会うた(おうた)まいちゃん、紹介してや!」

(ハァ??)

私「え?まいちゃん?…ていうか、オットくん彼女おるやん。また二股する気なん?」

オ「いやいや、そない怒らんでええやん。付き合うゆうてんのちゃうんやから」

私「そやかて、まいちゃんは、私の幼なじみでめっちゃ大事やし、そんなパッパパッパ次から次へと女変える男なんて紹介できるわけないやろ!」

私は、心底腹がたってこう言ったのだ。

まいちゃんは、私が3歳からの幼なじみ。姉妹みたいなものだ。
オットは、デリカシーの粉末さえも無い。

電話の向こうでは、ガヤガヤと音がしている。

オ「そしたら…俺と付きあって」

私「…え?なんて?意味がわからん。どうゆうこと?」

オ「だから、しろが俺と付きあって」

私「………アンタ……スノボでこけて頭打ったん?無理に決まってるやろ笑」と言って電話を切った。

酔うてたんやろか。日曜日の夕方4時から酒飲んで酔っ払うんもおかしいな。まあ、いいわ。

どうせ月曜日にわかる。
また明日も仕事や。

つづく。

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