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099 ひともをし【令和訳百人一首】

【原文】

人も愛し 人も恨めし あぢきなく

世の思ふゆゑに もの思ふ身は

(後鳥羽院)


【個人的解釈】

ある時は人を愛おしく

ある時は人を恨めしく思う。

この世は思い通りにならないから

私は思い悩んでいる。


【感想】

院(朝廷)と鎌倉幕府が対立しはじめた年に詠まれた首。

この9年後に作者は承久の乱を起こして島流しとなるが、この首の内容とは関係がない、とされている。

これが結局、真理よ。これに気付いている人がむしろ普通です、正常です。

この世をば~って詠んだ藤原さんとか、平家にあらずんば~って詠んだ平さんとか、ぶっちゃけ頭おかしいです、花畑すぎる。

こんな人に政治を任せられるわけがない。

だから、後鳥羽院のようにちゃんと世の理を理解している人の方が、私は推せますね。

この時代って、天皇はいわゆる神の生まれ変わりでしょ。

神でも人を恨めしく思ったり物事が思い通りにいかなかったりするんだ~って思ったのかしらね、当時の人々は。

どんだけ可愛い大人気アイドルも、ファンを思い通りには出来ないし

どんだけカリスマ社長でも、自分の会社全て思惑通りに経営は出来ないし

どんだけ仲良しの友達でも、全てを許せるわけじゃないし

どんだけ愛し合ってる恋人でも、お互いを支配は出来ないです。

どの時代でもどの立場でも一緒なんよ。結局。

そういう集団、社会の中で生きていくしかないのです。

ほどほどが一番大事。


【令和に言い換え】

人間関係がポジティブになる時もあれば

ネガティブになる時もある。

自分の思い通りにならずに悩むのは

どんな立場の人間であろうとみんな平等なんだよ。


【備忘録】

・をし:愛し。いとおしい、愛らしい、かわいらしい。

・あぢきなし:人の力や心ではどうにもならないこと。


【自己評価】

★★☆☆☆

気付けば99!明日で終わりだと!?!?

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