嘘っぱち怪談大会 No.2, 3
No.2じとっとした嫌な汗で目が覚めた。初めて悪夢を見た。
家の周りを歩いていたら、突如として巨大な自転車に乗った老【婆】に追いかけられた。遠くにいる時は避けるだろうと思っていたが、異常なほど速かった。漕ぐスピードも速ければ、車輪の大きさも異常なほど大きいのだ。老婆は言葉を発するわけでもなく、猛スピードで近づいてきた。焦った私は大急ぎで走った。じゃりじゃりとした自転車のチェーンの音が響く。角を曲がっても尚自転車の走る音が聞こえており、振り返ると老婆は私を追いかけていた。無我夢