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とっておきの京都手帖12


<JUNKeeeeS(ジャンキーズ)ROKU君との出会い>


「ロックンのグッドモーニングラジオ」で始まる朝。
リアルタイムでは9月末から聞き始めた。
合わせて「グドモコーヒー」をいただく。

このコーヒー、私のお気に入りなのだ。
豊かな深いコクが口の中に広がる。
苦味や酸味が主張するのではなく、とても奥行きのある味でまろやかなのだ。
だから、朝からでもスッキリ飲める。
ドリップバッグ1袋13gに込めたROKU君の「グッドモーニング感」、こだわりを感じる。



ROKU君とは、一昨年の2022年11月末、下京区にある「世界倉庫」で初めて会った。
倉庫2階のギャラリーは、会場の真っ白な壁いっぱいに、カラフルなイラストが飾られていた。
可愛くて、ちょっぴりやんちゃなテイストも含んだイラスト達が、来場者の目を見開かせ、笑顔にし、迎え入れてくれた。
コロナ禍を耐えてきたアーティスト達の、思いの丈が詰まった作品だと思った。
ROKU君が中心となって呼びかけ、集い合ったアーティスト達は、若い中にも世代も広く、住まいも全国各地だ。
アートを志す仲間の、誰人も置き去りにしない団結が感じられた。

amity先生と
世界倉庫にて(2022年)



JUNKeeeeS(ジャンキーズ)

ジャンキーズは2022年から活動を開始し、ジャンキーズの応援コミュニティには3,000名超のメンバーが所属しているという。

そんなジャンキーズの中心者ROKU君は、コミュニティメンバーと日頃からの交流を持ちたい、また新しい人との出会いをとの思いから、昨年8月より「ロックンのグッドモーニングラジオ」としてXのスペースを活用し、平日毎朝7時30分〜8時までパーソナリティーを務めている。

私は、X(旧Twitter)にはアカウントは持っていたものの、スペースとやらが何なのか、最初は分からなかった。
操作方法を教わり、恐る恐る、聞き逃しのための録音を聞いてみた。
そして、操作もなんとなく理解したような気持ちになり、いよいよ朝のリアルタイムでの「ロックンのグドモ」を聞くことにしたのだ。
慣れない操作、初めてというものは、誰かが近くにいてくれないと不安にもなるが、これまた恐る恐る参加する。
マイクがオンになってやしないか、まさか、ビデオ通話がオンになってやしないか、鏡を一旦見た。
そして念の為に、スマホのカメラレンズ部分に指で蓋をしながら参加した。
私のプロフィール画像の下には「リスナー」との表示が出ており、顔が映ってもいないのでホッと安心した。





ジャンキーズ、とりわけ今年の活躍が目覚ましい。

2月、大阪心斎橋OPAにて、
POPUPストア「キャラフェスOPA 2024」がパワーアップして開催。

3月、名古屋喫茶七番・スペース七番にて、
「JUNKeeeeS Fes 2024」。

4月、京セラドーム大阪にて、
西日本最大級の【Web3×NFT】イベント「NEXT ARTEC COLLECTION OSAKA(NコレOSAKA)」へ出店。

5月、東京ビッグサイトにて、
「デザインフェスタ(デザフェス)vol.59」初出店2ブース展開。

そして9月、京都高島屋SCにて、
「CHEAT DAY KYOTO / チートデイキョート」が開催された。

昨秋オープンした京都高島屋SC(四条河原町下ル)前から撮影。
伝統と現代が交わる街はますますにぎわう。
巨大マリオがウェルカム
高島屋SC1階
「CHEAT DAY KYOTO / チートデイキョート」
2024年9月11日〜9月24日開催
京都高島屋SC
京都高島屋SCエスカレーターのデジタルサイネージ




ROKU君は「CHEAT DAY KYOTO」の宣伝も兼ねて、9月6日のα-STATION エフエム京都、加賀成一さんの「K-Style radio」に出演。

進化し認知度が高まるNFTの話を、初心者の方でも分かりやすいように話していた。
加賀成一さんと同じく、私も身を乗り出すようにして聴いていた。

加賀成一さんの「K-Style radio」に出演
α-STATION エフエム京都にて
2024年9月6日放送




「CHEAT DAY KYOTO」は京都での開催だったため、私は足を運びやすかった。
何度かお邪魔し、ROKU君の話を聞いて三宅一生さんを思い出した。

1960年(昭和35年)5月、一生さんが多摩美術大学の学生時代に開催された「世界デザイン会議/World Design Conference(WODECO)」に、「服飾デザインは含まないのか」との質問状を送ったという逸話だ。

α-STATION エフエム京都の
「K-Style radio」加賀成一さんも駆け付けて来られた





with PIZZA

アートは、何もないところから創造し価値を生み出す。
私は出来上がった作品を見ているだけでも胸が一杯になるのだが、作者、アーティストの方々は、どれだけの思いを込めて時間を費やして作り上げていくのだろうと考えると、気が遠くなる。

ROKU君と一緒に、ジャンキーズを育てている仲間がたくさんいる。
それぞれに創造する苦悩も絶えないだろう。
個人もジャンキーズも、存続させていく苦労もあるだろう。
ROKU君や中核の方々は、仲間がいるからこその、成果として実益を求めることにも苦慮したかもしれない。
彼らの、何が何でも成功させていきたいと懸命に踏ん張っている健気な姿に感動した。



“with PIZZA“Tシャツが販売されていた。
青い文字のものと、赤い文字のものがあり、“with PIZZA“とハート型のピザが描かれた2種類が、白や黒、薄いグレーのTシャツにプリントされている。

「グドモ特別編」でもROKU君は話していた(要旨)。

「ピザは友達や仲間とシェアする。
 “共感“、“共創“とピッタリだと思った。
 僕は仲間と、“共感“、“共創“し、みんなと一緒に楽しんでいきたい。
 ロシア、ウクライナ、紛争が起こっている地域は、すぐさま争いをやめて、
 『Let's smile with pizza ピザと一緒に笑顔になろう』」と。

みんなを笑顔にしたい、それがジャンキーズ。
誕生した“with PIZZA“のアパレルブランドのコンセプトだという。



ちょうど1年ほど前だっただろうか。
京都新聞に載った当時小学5年生の女の子の記事があった。
彼女はクラスメイトと合唱祭で歌った感謝を作文にしていた(抜粋)。

「歌というのは、とても不思議なものだ。
 歌を歌えば、心が通じ合って仲良くなれる。
 ゼレンスキー大統領や、プーチン大統領も仲良く歌えばいいのに。
 この合唱祭で、私の心はとても豊かになった」と。


合唱の不思議な魅力ーークラスメイトと信じ合う心や一体感を楽しんでいる。

国家レベルや、民族間、領地が関わることだから難しいことなのだろうか?
いや、違う。
京都に来られている外国人観光客の方々と、私は言葉は上手く交わせずとも、誠意をもって、笑顔で接すると、相手もまた笑顔を返してくれることを毎日実感しているのだから。


日本には、小学生も30代のROKU君も、うんと長い未来を生きる人達の中に、「戦争は絶対に起こしてはならないもの」という揺るぎない認識があり、「争うことよりももっとみんなが笑顔になれることをしよう」という心で世界を見ていることに、胸が熱くなった。




これからのジャンキーズの活躍に期待を込めて、三宅一生さんの言葉を贈りたい。

「デザインには 希望があると僕は信じている。
 デザインは 驚きと喜びを 人々に届ける仕事である」





10月に入り、少し秋めいてきた。
とはいえ、日中はまだまだ暑い。
秋の長雨もこれから来るそう。

ジャンキーズの熱は、季節が変われど冷めることはない。
今年、まだこれから4つもイベントを控えているそうだ。
私は目新しいことに触れ、背筋が伸び、若返ったような気持ちになった。
彼らと会い、話していると、人生は毎日の延長ではないと気付かされる。
いくつになっても、いかようにも自分の未来の彩りを豊かにしていけるのだと感じる。
下がりそうな口角も自然と上がる。

最後にROKU君の「グドモ特別編」を聴いてのツッコミを入れておこう。


ROKU君、
三谷幸喜さんの映画名は『スオミの話をしよう』だ。
…「スミオ」ではないのだ。




<参考> JUNKeeeeS公式サイト
     JUNKeeeeS X
                 週刊少年ジャンキーズ
         【アーカイブ第63号】
     毎日新聞2022/8/11 東京朝刊Web版
     DND大日本印刷 artscape
       美術館・アート情報のWebマガジン
    株式会社三宅デザイン事務所公式サイト
    京都新聞 少年少女わたしの作品







<(c) 2024    文 白石方一 編集・撮影 北山さと 無断転載禁止>

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