白石方一

シライシ ミチカズです。 京都をこよなく愛した祖父の志を受け継ぎ、京都の公職を経験して…

白石方一

シライシ ミチカズです。 京都をこよなく愛した祖父の志を受け継ぎ、京都の公職を経験してきた私は、くまなく公平に京都の良さを見出してきたつもりである。 「とっておきの京都を案内してほしい」ーーその声に応えるべく薦められたnoteを恐る恐る始めてみる。 〈撮影〉北山さと

マガジン

  • とっておきの京都手帖

    私、白石方一が 「とっておきの京都」をご案内します。 京都をこよなく愛した祖父の志を受け継ぎ、 京都の公職をいくつも経験してきた私は、 くまなく公平に京都の良さを見出してきたつもりです。 ありがたいことに よく各地の友人たちから、 「とっておきの京都を案内してほしい」と 声をかけられ、どうお応えしようかと悩んできました。 そうした中で、友人達に請われ、noteなるものをおそるおそる始めてみます。                           二十四節気七十二候に合わせて、四季折々の京都をお楽しみください。

最近の記事

とっておきの京都手帖6

<立夏/ 5月15日は賀茂祭> 柔らかな新緑の中、薄紫の藤の花が揺れる。 その下には、金色とも見える山吹と、葵の葉が、牛車を彩る。 御所車だ。 ゆっくりと歩を進める立派な黒牛のその先には朱色の水干姿の可愛らしい牛童が行く。 大きな傘は風流傘と呼ばれ、その上には牡丹や杜若等の花を飾り付けている。 「なんと雅やかな…」「古の京を思わせる…」 と、平安時代にタイムスリップしたように思うかもしれない。 しかし、その歴史はさらに遡り、飛鳥時代の少し前、古墳時代に至る…!

    • とっておきの京都手帖5

      <立夏/よしもと芸人も推しの 食堂「はやし」> 少し元気をつけようと思うと、かならず通う「食堂 はやし」がある。 看板女将の 林智恵子さんの笑顔を見れば、ホッとする。 厨房では、店主の 林 学さんが腕をふるう。 創業は昭和28年。 アイスキャンデー屋、うどん屋、そして3代目の林さんが、季節のメニューや新作をつくり続け庶民の味方「昭和の食堂」として大きく発展させた。 ノスタルジーあふれる店内は、町内の常連さんから観光客などでいつも賑わっている。 地下鉄東西線「東

      • とっておきの京都手帖4

        <立夏/心をとらえるハレの色「シュイロ」> 日本を訪れる外国人から「なぜ、神社の色は朱色なの」とよく聞かれる。 「神社は、朱」、私たちの常識では、当たり前、なぜ?」 朱は魔力に対抗する色と考えられ、古くから宮殿や神社仏閣の多くに使われてきた。 鳥居や神社の鮮やかな朱色は、力強い霊性を感じさせる。 朱色は、丹塗りとも言い「丹」は鉛に硫黄と硝石を加えて焼いて精製したもの。 神社以外にも橋の欄干などにも塗られている。 魔よけだけではなく防腐剤としても使われていた。

        有料
        100
        • とっておきの京都手帖3

          <夏はじまる/夏は京都ラーメン> 若者が支え、日々、進化する“Ramen”。 京都は、「食文化の都」である。 なかでも京都は有数のラーメンの激戦区だ。 それは、日本一、学生さんが多い街だからだろう。 実に、京都市民の10人に一人が学生さんだ。 「早くて」、「安くて」「美味しく」食べることができるラーメンに、たちまち行列ができた。 90年ほど前、屋台から始めたラーメン店も今や老舗にランク入り。 京都の良さは、伝統文化を大切にしつつ、常に新しいものを取り入れてきた

          有料
          100

        とっておきの京都手帖6

        マガジン

        • とっておきの京都手帖
          7本

        記事

          とっておきの京都手帖2

          <西国街道> 京都というには少し外れているが、京都らしさ、歴史、そして実益を兼ねた絶好のスポットがある。 それが西山・乙訓・大山崎地域だ。 昨今のオーバーツーリズム対策にも通じるので、ぜひ旅行プランで一考してほしい。 ちょうど京都と大阪の狭間、東京方面から新幹線で京都を過ぎると、右手に緑の山が迫ってくる景色がある。 そしてJR京都線、阪急京都線が並行しているくびれのような地域だ。 地形的にも京都から桂川、木津川、宇治川の三つの川が合流する要衝の地である。 山崎

          とっておきの京都手帖2

          とっておきの京都手帖1

          <八十八夜/茶畑> 宇治には朝霧が立つ。 今日5月1日は八十八夜。 新茶の季節到来だ。 この日を楽しみしている方は多い。 「八十八夜」とは立春からかぞえて88日目の夜です。 農家にとって、大切な恵みの作物に「霜」は、要注意です。 この「八十八夜」以降「霜」は少なくなり、安心して「茶摘み」や「田植え」の作業ができる目安とされてきました。 皆様ご存知の茶畑、思い浮かびやすいのは、新幹線で静岡県(牧ノ原台地)を通過している時に目にする光景かもしれません。 あのなんと

          とっておきの京都手帖1

          はじめに

          穀雨/東山界隈 山紫水明の東山の新緑が眩しく美しく、そして懐かしくもある。 ここは「蹴上」という地名だ。 12世紀のヒーロー・九郎判官義経が事件を起こした場所。 地名の由来は、ガイドブックに譲る。 最近では、将棋界のヒーロー・藤井聡太さんが、初の8冠全制覇を達成した「ウェスティン都ホテル京都」が記憶に新しい。 あと数年も経てば、歴史的な対局の場所として刻印されるだろう。 「蹴上インクライン」はフォトウェディングの絶景だ。 ここには、今まで、ガイドブックにもほとんど載