水中考古学者の…

海事・水中考古学博士です。 水没遺跡・沈没船の研究をしています。 海に囲まれた日本です…

水中考古学者の…

海事・水中考古学博士です。 水没遺跡・沈没船の研究をしています。 海に囲まれた日本ですが、水中に存在する文化遺産の保護・研究はまだまだ。 日本でこの分野を定着させるための奮闘記です。

最近の記事

気になるニュース 

ちょっと、気になるニュース記事や論文を集めてみました。これらをどのように解釈するかは、みなさまそれぞれ….. 以下のお話し…    ①中国の水中考古学! 金使ってるな~   ②中国政府の主張   ③そういえば、フィリピンとの対立   ④中国は、南海で考古学調査を   ⑤西沙で遺跡発掘   ⑥重要な論文ー皆さん頑張って読みましょう!   ⑦白さんの博士論文   ⑧ユネスコ水中文化遺産保護条約   ⑨日本政府の考えというわけではないですが ①中国の水中考古学! 金使ってるな~

    • 研究者日記 Day29

      この前の火曜日、オンライン配信トークしました。 Youtubeのライブはひさしぶり。けっこうグダグダだったかも。 内容は、神戸大学とおこなっている「海洋文化遺産プロジェクト」 市民参加型の水中・海洋文化遺産の探求。大人の自由研究です。現在、このプロジェクトの参加者を募集しており、その呼びかけです。 どうしたら多くの人を水中・海洋考古学に興味を持ってもらうか、どうしたら関わってもらえるのか、そんなことを話しました。ゲスト4名。水中ドローン会社経営者、ダイビング産業の方、水

      • 気になるニュース 海洋開発と文化遺産

        海洋開発…海底油田やガス、そして最近は風力発電。 今日は書きすぎてしまう可能性大。 海洋開発に際して、「水中文化遺産も守る必要があるよね」という合意は世界で形成されつつあります。国連組織(ユネスコなど)も、それに向けて動いています。多くの国では、風力発電など施設を建設する際には、事前に調査で影響を受ける水中遺跡の有無を確認します。掘るところだけではなく、建設により「影響を受ける範囲を事前に調べる」ことをします。 その結果、世界各地で水中遺跡の発見ブームが起きており、先進

        • 研究者日記 Day28 生い立ち4

          大学院生活は、まあ、過酷でしたが楽しかった。充実していましたね。 最初の一年は、毎週木曜日は大学に泊まってほぼ徹夜でした。今はもう、All Lightなんか無理です。年をとりました。 住んでいた町の名は、「College Station」 名前のまんまの町です。 もともと全寮制の農工大学(たしか1876創立?)で、何もないところに大学を作ったようです。当時ですので、鉄道が敷かれました。で、駅の名前をどうしようと…。そこで、わかりやすく Collegeにしようと。 なの

        気になるニュース 

          研究者日記 Day27 生い立ち、その3

          昨日に続き、連続投稿。金曜と土曜は、忙しそうなので。 あと、昨日はちょっと愚痴っぽかった。20年前の話ですので。今は、ダイブ改善されました。また、不思議なのは日本の個々の研究者はトップレベルであること。 そう、これも理解不能なんです。水中遺跡への理解度を見ると、日本の政府(内閣府・議員など)は、北朝鮮以上こーとじぼわーる以下。一方で、研究者はマジにトップレベル。個人の努力でできることをバリバリこなしている。 さて、大学卒業後、しばらく放浪の生活をしていました。大学院に行

          研究者日記 Day27 生い立ち、その3

          研究者日記 Day26 生い立ちその2

          生い立ちの続き、というか、自分が水中考古の専門家としての人生を振り返って思うこと。  もしかしたら、この日記の口調はいつもより硬いままかもしれません…。今日は、専門的なちょっぴり固めな内容についてずっと書いていたので。 ところで、私には理解できないことがある… 「水中にも遺跡があるんですね(驚き)」という感覚 水中考古学について初めてその存在を知ったのがいつかは全く覚えていない。アメリカの大学で普通に考古学の授業を受けているうちに、なんとなく興味を持ったから。テレビのド

          研究者日記 Day26 生い立ちその2

          研究者日記 Day25  生い立ち…その1

          今日から私の生い立ち…というか、なぜこの分野に足を踏み入れたのか…を数回に分けて書きます。 水中考古学と聞くと、浪漫とか、子供の頃からの夢とか、なんかカッコいいイメージがあるかもしれませんが… はっきり言って、なんとなく、なりゆきです 今でも、なんで自分がこの道を進んでいるのか、不思議に思うことがあります。ですが、自分の選んだ人生に一片の悔いなしです。そして、今では自分を突き動かすものは、使命感です。 子供のころは、宇宙の起源が好きでした。おそらくNHKかなんかのドキ

          研究者日記 Day25  生い立ち…その1

          研究者日記 Day24 お仕事紹介

          いよいよ大学での授業が始まりました。今年度本格的に動き出してきました。私は学期はじめはスロースタートですが、我が研究所の所長含めメンバーの多くは明日から海外調査です。 これからガンガン進んでいくのだが、一度ここで整理。今年度の大学でのお仕事のリストを作って紹介しようと思う。ああ、こんなことをしているんだなというのが分かってもらえれば。 考古学者・研究者のお仕事紹介ですね。 進行中の調査研究事業  山梨県・本栖湖湖底遺跡(研究所・大学)  福島県・桧原湖湖底遺跡(科研・

          研究者日記 Day24 お仕事紹介

          研究者日記 Day23

          4月に入って1週間以上経過しました。 日本の株価は上がっているようですが、私の生活は苦しいまま。どうしたもんでしょうか。とりあえず節約をしながら臨時収入(私の次の本が出たら買ってね!)が入ったら投資しかありません。 今月は…  未だにビール0杯   不必要な外食0回  ビールは、クラフトビールが好きなんですが、どうも高い。外食は、ラーメン、から揚げ、牛丼、時々ハンバーガーぐらいかな。あ、あとカレーは外せませんね。 特に続けるつもりはありませんが、ここに書いてしまえば、

          研究者日記 Day23

          研究者日記 Day22

          現在関わっているプロジェクトの一つ 市民のみんさんから一緒に水中遺跡について考えて実際に調査を主体となって行ってくれる人を募集しています。 ここでは、海洋文化遺産と呼んでいますが、それは、海と人の関係を重視しているからです。別に水中にだけ特化しているわけではありません。海に関する知識を高めるプロジェクトであり、海と人の関係の歴史を学びます。その中で、特に水中に存在する遺跡があまり知られていないので、そこに焦点を当てます。ですが、本質は、海に関して、人と海の関係の歴史を探る

          研究者日記 Day22

          研究者日記 Day21

          4月  桜と入学式の季節  武道館で入学式がありました。帝京は、毎年武道館のようです。吹奏楽部の演奏がありましたが、去年と同じでしたね。悪くはないですよ、でも、あ、「去年と同じだ」と思ってしまった。 研究所が山梨なので東京に行くのは結構時間がかかります。今週は、新入生ガイダンス、教員説明会、入学式と3回往復しました。 まあ、最寄り駅まで徒歩40分ってのが???なんですが… 私は各駅停車での移動が好きです。落ち着いて仕事ができるからです。パソコンを開いて執筆。ここ2~3

          研究者日記 Day20

          ヴァーサ号について その0ヴァーサ号、それは、世界一有名な発掘された沈没船。 ヴァーサ号については、語るべきことが多すぎるので、数回に分けて書いていこうかと思っています。まあ、今、書いている本で、ヴァーサ号について書いているので、その内容をちょっぴり公開。 と言っても、いろんなところでヴァーサ号について書かれているので、まあ、裏話・私にしかできない話を中心に。 というわけで、ヴァーサ号について書くネタとなると、いくつかある… ①沈没の理由~船体の詳細調査からわかったこ

          研究者日記 Day20

          研究者日記 Day19

          さて、4月2日。 3~4月は出張が少ない。 大学の授業も、まだこれから始まるので落ち着いた時期。とはいえ、準備の期間である。やり残した仕事もあるので、がんばっていたら、静岡方面からいや~なニュースが… 川勝知事、差別発言。  「県庁職員は知性の高い方たち。野菜売ったり牛の世話したりモノを作ったりとかと違う」とのこと。まあ、どのような脈略で言ったのか、詳しくは分かりませんが…。残念な発言、ここまで軽率な方だったのかと。 最近は、リニアの問題などもあったり、どうしちゃった

          研究者日記 Day19

          研究者日記 Day18

          今日は4月1日 あ、April Fools's Day でしたね。全く忘れていた。アメリカでは、結構健在な楽しい日。ニュースメディアも、作り物の記事をジョークで流したりする。なんか嘘を考えるのが面倒だ。 本日、大学に行ってきました。新入生ガイダンス。大学院生の前での紹介と、新入生への紹介…などなど。 大学院生のクラスを受け持つのですが、受講者がいないと開催されない! これ、なんともったいないことか。去年は、結局開催していません。他の大学から聞きに来たいと潜り込んだ学

          研究者日記 Day18

          研究者日記 Day17

          もう、3月も終わる 今月を振り返ってみる 今週末は、今年初めての「何も予定のない週末」でした!  久しぶりにゆっくりできました。 1)3月初めは、イシククル湖周辺にいました。キルギス… この湖の水中遺跡は有名。その昔、NHKのシルクロードのドキュメンタリーで紹介されていました。 このNOTEは、あくまで私個人の遊びなので、写真などは載せません。ちょぴり残念? 帰国の際は、なぜかイスタンブール経由。しかも…飛行機が遅れて空港に足止め6時間ほど。 2)福岡~長崎出張 鷹

          研究者日記 Day17

          研究者日記 Day 16

          The Project Gutenburg  時々、活用しています。西洋の古典図書など著作権が切れた書籍のEbookを無料で提供しているサイトです。20世紀よりも前に書かれた本を読むなら、ここですね。 アマゾンなどで注文すると1万円以上する本も、FREE まあ、しかし、古典文学なんて読む人がどれほどいるのか。マルクスの『資本論』とか、ダーウィンの『種の起源』など。名前はみんな知っている。ルネッサンス以降、科学の本はたくさん書かれてきたが、チャールズ・ライエルの『地質学原理

          研究者日記 Day 16