気になるニュース
ちょっと、気になるニュース記事や論文を集めてみました。これらをどのように解釈するかは、みなさまそれぞれ…..
以下のお話し…
①中国の水中考古学! 金使ってるな~
②中国政府の主張
③そういえば、フィリピンとの対立
④中国は、南海で考古学調査を
⑤西沙で遺跡発掘
⑥重要な論文ー皆さん頑張って読みましょう!
⑦白さんの博士論文
⑧ユネスコ水中文化遺産保護条約
⑨日本政府の考えというわけではないですが
①中国の水中考古学! 金使ってるな~
深海文化財専用調査船。相当お金がかかってます。日本政府がこれまでに水中文化遺産の保護のために消化した全総額(戦後使った総額)とどちらが大きいのでしょうか?この他に、沿岸域の考古調査船もありますし、古代船引き揚げ専用の船もあるようです。
あと、ポイントは、考古船ですが、他の科学調査もいろいろできるよう装備が備わっていること。海洋地質学や生物学などとの学際的な研究を目指しているようですね。実際、アメリカなどでも遺跡の調査を行う場合、考古学者だけで調査することは、ほぼ考えられないでしょう。水中遺跡は海洋生物にとっての住処であり、生物多様性や環境などを考慮しながら調査をするのが鉄則です。
去年は、こんな発見がありましたからね。
中国の深海考古学元年!とも言われていますし、「2023年の中国10大考古発見」にも選ばれていました。明代の船2隻、東南アジアに向かっていた船(陶磁器などを満載)、東南アジアから帰ってくる船(香木などの積み荷)の2隻。
②中国政府の主張
合致していますね。外国の方としては珍しいことでしょう。とはいえ、難しい問題です。中国からすると、自分たちの海だと思っていたのが西洋の国々の論理で勝手に国境線が引かれたと…。国際的にはマイナーな意見なんでしょうが、どうなるか。
③そういえば、フィリピンとの対立
日本政府は、フィリピンの主張を支持。尖閣などもありますからね。「法の支配」のもと、海洋のリーダーシップを示したい日本。さてさて、「法」なんですが、日本と他国の文化遺産に関する法律の考え方は全く異なりますからね…。下でちょっと説明しますが。
④中国は、南海で考古学調査を
そうなんです…10年ほど前のニュースです。この当時から、中国の南海で行っている調査には政治的な匂いがしていると言われていました。領有権の主張に文化遺産を使うのではないかと。
https://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304125104579234572704439730
明代の鄭和の大航海などは、平和的な外交の証拠として説明されていることが多いですね。鄭和の宝船が見つかれば、中国では英雄になれそうです。探しに行こうかな…。
⑤西沙で遺跡発掘
もちろん、中国は水中考古学で成果を挙げています。中国に批判的な人は、「捏造したんじゃないか!」と言ってましたが…そんなはずはないでしょう。沈没船なんてゴマンとある、いや、300万でした…失礼。
⑥重要な論文ー皆さん頑張って読みましょう!
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalps/55/2/55_1/_pdf/-char/ja
抜粋…
ふむふむ…
⑦白さんの博士論文
日中における水中文化遺産の保護および保全に関する制度的研究 : 関連する国際法および国内法の比較検討を通じて
東京海洋大学学術機関リポジトリ TUMSAT-OACIS (nii.ac.jp)
この博士論文が書かれた意義はデカいです。中国がなぜ水中文化遺産保護に取り組んでいるのか…。ところで、ご存じでしょうが、中国の研究者は、しっかりと研究に取り組んでますし、ものすごく優秀です。真に科学者であろうとしています。得られた成果や研究成果に対しては、ありのままを伝えています。ただ、その成果の解釈を行っているのが、ニュースメディアや怪しい知識人と呼ばれる人。そして、どこが調査されるか予算の判断は政府ですからね。難しい。
さて、白さんの論文のなかで私のお気に入りの図が下のものです。
海域ごとの文化遺産の取り扱いに関する各国の違いがよくわかります。
さて、日本は…
規定なし!
とてもシンプルでわかりやすいですね。こういうシンプルさが好きな国民なのでしょう。海の中に文化財なんて日本では見たことも聞いたこともないし考える必要ないよね!諸外国のことは知らんけど。というスタンス。
さて、ユネスコ。ややこしいです…調整国とか遺産に対して利害を表明する国、文化的に関係の深い国などとの間でいろいろを決めていく必要があります。
そして中国。意外とシンプル。中国に文化的繋がりのあるものは、他国のEEZであっても中国が見て判断する権利を有するというものです。シンプルですね。中国のモノは中国のモノだ、と。
領海外における文化遺産について、簡単にまとめると以下の通り
日本=え、なんのこと?
ユネスコ=文化的に関連のある国・沿岸国などで調整必要
中国=私のモノは、私のモノ、以上。
⑧ユネスコ水中文化遺産保護条約
ユネスコの条約、日本は批准していません。2023年には、イラクが批准していますね。そろそろ締約国が80か国に到達しそうです。こうなると、国際的な慣例として認めての解釈もできるのかもしれません。
https://www.isan-no-sekai.jp/report/9079
詳しい条約の解説は割愛。
一つだけ…
第2条11項
フムふむ…なるほど…つまり、水中文化遺産を政治に利用してはいけません!ということ。
例えば、尖閣諸島周辺の沖200mの地点で水没した中国人の都市が発見されたと使用。14世紀から18世紀まで人が住んでいて、中国の文字資料も水中から見つかった。
こんな発見があれば、中国政府は尖閣が明確な中国の領土であったと主張するのではないか? ところが、ユネスコ水中文化遺産保護条約の締約国となると、主権の主張に水中文化遺産が使えなくなります。
ということは、中国はユネスコ水中文化遺産保護条約は加盟せずに引き延ばすほうが先決。また、そうすると中国としても日本にはユネスコ条約に入って欲しくない。さらに、できれば水中文化遺産保護の考えそのものが進まない方が良いと考えるのでは…。日本政府は無知のままで有って欲しいのではないか…いや…恐ろしい。
⑨日本政府の考えというわけではないですが
〈論点解説〉国連海洋法条約を侵食する中国-国内立法と解釈による歪曲 | 南シナ海・東シナ海 | 尖閣諸島に関する研究・解説サイト (cas.go.jp)
こちらもあります
政府 新たな「海洋基本計画」決定 中国脅威で海上保安能力強化 | NHK | 自衛隊
中国が海洋進出していることに懸念しているそうです。日本は文化的な側面で十分対抗できるのではないでしょうか?
日本の海洋政策でほぼ一言も出てこない言葉、それは「文化」です
まさに、中国の思うがままの対応しかしていない印象ですね。
こんなことも書いてますので、よろしく。
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