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タイ生活のこと

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タイ生活であったこと、思ったこと
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#エッセイ

【タイ・バンコク】タイル屋のおやじとわたし

【タイ・バンコク】タイル屋のおやじとわたし

バンコクのジャルンクルン通りにあるタイル屋のおやじはわたしのダチである。

おやじとわたしの出会い
あれはまだ世界にコロナウイルスが現れる前のことだった。

夕暮れのオフィスからの帰り道、頭くらいの高さに咲いた花を摘み取るおやじに出会った。
彼はその花を「嗅げ」とわたしの鼻先に当てたあと、両手のひらに溜めた花3、4個を私のバッグに注ぎ込んでほほえんだ。

毎日通るその道が1年のうちのいっときだけ甘

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【あの日のタイ】2016年の10月13日と14日

【あの日のタイ】2016年の10月13日と14日

前回の続きです

10月13日数日前から「王様の容態があぶないらしい」というウワサはあって、
王さまが入院している病院のまわりは願掛けをする人たちでいっぱいになっていると聞いてはいた。

※その病院はわたしのnoteでは夫の痔の手術でおなじみのシリラート病院である。

王亡きあとのタイが想像できないだけに、なんだかんだずっと亡くならないんじゃないかと思ったが、やっぱりヒューマンなのでお亡くなりにな

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【あの日のタイ】7年後の回想

【あの日のタイ】7年後の回想

あれから7年あのころわたしは「今見てるものを一生覚えていたいな」と思いながら生きていた。

ひょんなことからこの国に来た私が、移住翌年に世界史に残るようなすごい出来事にうっかり居合わせちゃって、貴重な経験をしているという実感があった。

感動したし忘れたくないからアウトプットしたかったけど、
あの時期よそ者がこの話題に触れるのはちがうと思った。

でももうけっこう時間たったし、noteは日本語メデ

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タイで痔の手術をした夫のはなし⑤:後日談とトータル費用

タイで痔の手術をした夫のはなし⑤:後日談とトータル費用

ここまで私目線だったので、当事者にいろいろ聞いてみた。

インタビューー手術してからもう半年が過ぎましたが、経過はどうですか?

夫: もう完全に生まれ変わりました。これはNewティン君です!
※ティンは夫の名前

ー調子良いということですね。
ところで昨年はどうして急に手術を決意したのですか?

夫: あの頃症状が特に悪化したこともありますが
長いステイホーム期間を経て
【コロナが落ち着いた

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タイで痔の手術をした夫の話④:夫、帰還。

タイで痔の手術をした夫の話④:夫、帰還。


おかえりネロ
私が博物館に行くのを断念してから小一時間、
ベッドを運ぶガラガラという音と複数の人が談笑する声が近づいてきたので
もしかして!と思ったらやっぱり夫が運ばれてきた。

帰還した夫は安らかな笑みを浮かべており、
8人ほどのスタッフがささやくように笑いながら1、2、3、と掛け声をかけて
夫の体を持ち上げパラマウントベッドに戻すさまが
フランダースの犬のラストシーンのようで…

私はふだん

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