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出版ふりかえり(著者生活12周年記念)

ことし(2022年)は、初の自著を出版して12周年です。

「世の中はらせん的に変化する(12年周期)」と考えているので、勝手ながら、いったんここでふりかえってみようかと思います。

「どうすれば出版できるの?」と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、あまり参考にならない予感もしますので、もし読まれる場合は期待なさらずにお願いします!w

でもって「初の自著」は2010年なのですが、「初の出版」は2001年に楽天大学の名前で出した『楽天市場直伝 EC商売繁盛60の秘訣』ですので、そこからスタートすることにします。

◆三木谷浩史監修・楽天大学編『楽天市場直伝 EC商売繁盛60の秘訣』(インプレス)2001年6月

楽天大学を立ち上げてから1年ちょっと経った2001年4月頃、偉い人からおもむろにこう言われました。

「三木谷さんから出版してって言われたので、仲山よろしくね。2ヵ月後に出したいんだよね。出版社はもう決まってる。楽天大学の6講座をライターさんに聴講してもらえばいいんじゃない」(←セリフはうろおぼえ)

当時、楽天のビジネスモデル(売上)は「出店数」だけだったので、「広く世の中(特に商売をやっている人)に、楽天市場やECの存在を知ってもらう」というのが目的だと受け取りました(直接聞いてないけど)。

「でも、9万円で提供している6講座の内容を、1500円とかの本にして出しちゃっていいのだろうか・・・。講座に来た店舗さんから『本の内容と同じだった。不満』と言われるのではないか・・・」

そんな恐怖におののきながらも、「ま、そうなってもぼくのせいじゃないからいいか」と思い込むことにして、出版プロジェクトが始まりました。

なお、この時点では、出版なんてしたことがないので「2ヵ月後に本を出す」ということの意味はわかっていませんでした(←地獄)。

早速、ライターさんに6講座を聴講をしてもらい、4月末に上がってきた原稿を見て、「えっ、なにこれ!?」となりました。思っていた内容と全然違ったのです。

ぼくのイメージでは、講座の内容を忠実に反映したものを想定していたのですが、そのライターさんは自著もある方で、「自分の言葉でまとめた取材記事」になっていました。

時間がないので、自分でゼロから書くことにして、GWの1週間、会社の会議室にこもって書き上げました。

ふだん講座でしゃべっている内容をそのまま書けばよいかと思いきや、口頭表現はあいまいでも通じてしまうので文字にするだけでは文章としてうまくいかないことに気づき、しんどすぎて吐きそうになる作業でした。。

こうして、本当に6月に発売されたのが『楽天市場直伝 EC商売繁盛60の秘訣』でした。表紙に「大入り」と書いてあることから、通称は「大入本」。

毎年、GWになると、あのときの吐きそうな気分をうっすら思い出します(←トラウマ)。

◆大入本改訂版『楽天市場公式 ネットショップの教科書』(インプレスR&D)2007年

「大入本」は新規出店者向けキットに入れられていたのですが、2007年に改訂版を出しました。

ブログやSNSなどの登場(いわゆるWeb2.0)により、アップデートしたほうがよいだろう、という流れです。

全面改訂するつもりで見直した結果、ほとんど直しが必要な箇所がなく、マイナーチェンジで済みました(吐きそうにならずにミッション完了)。

その時点で、商売を戦争にたとえることに違和感を持つようになっていたので、メルマガなどのツールを表すときに使っていた「武器」という表現を使うのをやめました。

◆『楽天大学学長が教える「ビジネス頭」の磨き方──あなたの成長を加速させる10の視点』(サンマーク出版)2010年1月

初の自著です。

お仕事でご縁のあったワクワク系マーケティングの小阪裕司さんの「著者生活10周年記念パーティー」に呼んでいただいて参加しました(2008年)。最後のほうで、ヒゲがボリューミーな人と会話をしたら、超ロングセラー『考具』の著者・加藤昌治さんでした。話がはずんで、そのまま駅まで一緒に2人で行きました。

その夏、加藤昌治さんから、「お世話になってる人を集めて、納涼飲み会をやるから来ませんか」とお誘いが。そこで名刺交換をしたのが、「作家のエージェント」なるものをやっているという鬼塚忠さんと宮原陽介さんでした。

8ヵ月後、その宮原さんから突然メールが。「仲山さんは本を出すことにご興味ありますか?」と書いてありました。あの飲み会のあと、ぼくのメルマガに登録してくれていたそうです。

「自著は出したことがないので興味はありますが、以前、執筆でしんどい思いをしたので腰が引けています。背中を押していただけるのであればありがたいです・・・」という中途半端なお返事をして、打ち合わせすることに。

宮原さんもサッカー好きだったので、ここぞとばかり、

「ぼく、人生の出来事はすべてサッカーにあてはめて考えられると本気で思っていて、いつか『サッカーとビジネスの架け橋になるような本』を書いてみたいと密かに思ってまして・・・」

などと、現実味のない企画を口走っていました。

宮原さんから、「こんど作家養成ゼミというのをやるので、それにご招待しますから参加してもらえますか。作家候補と編集者が集まって、企画案を練っていく会です」と言われて参加することに。

ゼミでの企画案は、現実路線で(笑)、当時やっていた「オンライン私塾」の内容(お題30問)を網羅したものを提出しました。

楽天での10年間で得た学び(ものの見方と考え方)を”全部盛り”にした内容で、

「視点・視野・視座」
「価値伝達」
「価値創造」
「チーム化」
「志・理念」

という構成だったので、ゼミに参加していた出版関係者から「欲張りすぎでは」などとフィードバックをもらいましたが、「一緒に本をつくりましょう」とオファーをくれたのがサンマーク出版の桑島暁子さんでした。

より具体的な内容は、この10の視点。

【視点1】気づき力をアップする「視点」という視点
【視点2】伝達力がアップする「わかりやすさ」の視点
【視点3】人が思わず動きたくなる「ベネフィット」の視点
【視点4】相手の吸収力を高める「設問」の視点
【視点5】アイデアが溢れ出てくる「発想」の視点
【視点6】強みを活かして価値を生み出す「とんがり」の視点
【視点7】自分も相手も強くなる「1.1」の視点
【視点8】自走型の姿勢を育む「アシスト」の視点
【視点9】変化の激しい時代を楽しむ「予見」の視点
【視点10】思わずクチコミしたくなる「感動」の視点

ちなみに、視点9の「予見」のところで「らせん的発展」のハナシが出てきます。

執筆は・・・やっぱり吐きそうになりました。頭から1行ずつ書いていくスタイルでやっていたのですが、書いては消しての連続で、キャッチコピーを10万字書くような作業でした(ふだんキャッチコピー講座とかをやっていたのが裏目に出た気が)。

半年かかって出版。「大入本」を1週間で書いて2ヵ月後に出たのが、ふつうじゃなかったと知りました(笑)。

◆『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則──『ジャイアントキリング』の流儀』(講談社)2012年10月

2冊めの自著。人気マンガ『ジャイアントキリング』とのコラボ本。通称「ジャイキリ本」です。

ある日、いきなり自宅にダンボール箱が送られてきました。

2007年にスタートした「楽天大学チームビルディングプログラム」の1期生、矢沢志朗さん(ざーくん)からでした。

「チームビルディングを語るなら、これ必読でしょ」と書かれた手書きのメモと、『ジャイアントキリング』17巻セットが入っていました。

大人になってからマンガなんて読んだことがなく、『ジャイキリ』のことも知らなかったのですが、

そういえば、前に会ったときに「サッカーの監督が主人公のマンガで、面白いのがある」とか言っていたな、

と思い出しました。

「でも、タイトルに『キリング』なんて、ちょっと物騒な感じだな。軍隊式マネジメントっぽいストーリーだったらイヤだけど、ざーくんが面白いと言うなら読んでみようか」

そう思ってページをめくり始めたら、1巻を読み終わったとき、どハマりしていました。むさぼるように17巻を読み終えて、「なにこれ、チームビルディングプログラムの理論のケーススタディーみたい!」と大興奮。その後、いろんな人に「ジャイキリ面白いよ!」と言いふらすようになりました。

それからほどなく、エージェントの宮原さんの会社で9周年パーティーがあり、そこで講談社の編集者・倉田卓史さんと出会いました。

「講談社さんといえば、いま『ジャイキリ』にハマってるんです!」と伝えたところ、

なんと、「ジャイキリの担当編集は、僕の同期なんですよ」という衝撃の一言が。

倉田さん自身、熱心なバルセロナファンなこともあって話が盛り上がり、後日、『ジャイキリ』担当編集者の宍倉立哉さんを含めてランチをすることに。

『ジャイキリ』がいかにチームビルディング理論にかなったストーリーになっているかを暑苦しく語ったところ、宍倉さんは「面白そうだから、何か一緒にできるといいですね」と言ってくれました。

早速、『ジャイキリ』のどのシーンがどう理論にあてはまっているのかをまとめたパワポ(スライド109枚)をつくって、送りました。宍倉さんから、

「ツジトモさんが息を吹き込んできたキャラクターたちの行動の意味づけがなされていて、『ジャイキリ』を再発見する面白さがあった」

というありがたいフィードバックをいただいたものの、そのあとは特になにもなく。

・・・と思っていたら、1年後、倉田さんから連絡がきました。

「時間が経ってしまいましたが、ツジトモさんから、マンガを自由に使って本をつくってもらって構いません、という驚きのオッケーが出たのですが、まだ執筆するつもりはありますか?」

「えええ! やります!」

ということで、出版決定。

今回は、キャッチコピー10万字修行みたいなことは避けようと思い、例のスライドを元に「ジャイキリ流チームビルディング講座」をつくって、何人か聴講者に来てもらって、そこで話したものを文字起こししてもらうやり方にチャレンジしました。

結果、楽ちんとまではいきませんが、前よりはかなり負荷が減ったカタチで原稿をつくることができたのでした。

おかげさまで、「ジャイキリ本」は新聞広告も出していただき、出版以来、毎年増刷を重ねて、息の長い作品になっています。ありがとうございます。

期せずして、「サッカーとビジネスの架け橋になるような本をつくりたい」という妄想が実現してしまったことになります。

◆『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか──ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」』(宣伝会議)2014年7月

3冊めの自著。ウェブ連載の記事を書籍化した、宣伝会議2作シリーズ。通称「しにものぐるい本」です。

ある日のこと(2013年)、楽天の広報担当者(細田さん)から、「宣伝会議さんが出している『販促会議』から、がくちょ宛に取材依頼がありました」との連絡が。

依頼メールには、こう書いてありました。

<ご執筆いただきたいテーマ>
「伸び悩みから脱出!競合激化時代でも伸びるネット通販の最新ノウハウ」(仮)
★ご執筆いただきたいポイント
・スマホやタブレットなど、メディア環境の変化に伴って、新たに重要になってきたポイントとは?
・多くの競合に埋もれず、「楽天市場」で業績を伸ばしているショップに見られる共通点 …等々
※レベルは<中級編>。「開業から時間は経ち、基本は押さえているが、競合激化により業績は伸び悩んでいる。競合に埋もれないためのフックをつくりたいがどうすればいいのかわからない」といった層が対象読者となります。
※ご著書『楽天市場公式ネットショップの教科書』が“普遍的な考え方”に重点を置いているのに対し、今回の記事では、メディア環境や消費者の変化に対応する“今のやり方”についてご執筆いただければと考えております。

この原稿に「レモン部」と「つくえつくろう」の事例を執筆したところ、すぐに宣伝会議の中澤圭介さんから「当社のサイト『アドバタイムズ(アドタイ)』でコラムを連載しませんか?」というオファーをいただきました。

「ジャイキリ本」を出して、少し心の余裕ができたタイミングだったためか、ふと、

「ウェブ連載の記事がたまったら、それをまとめて本にできるかも。ちょっとずつ締め切りがくるほうが、吐きそうにならなくて済むかも」

という思いが頭をよぎってしまい、「やります!」とお返事しました(←甘かったと思い知ることになるのは、少し後のハナシ)。

連載は、隔週で全12回。

・一目見たら欲しくなって買ってしまう人が続出の「キケンなハンコ屋」がSNSでシェアされる理由とは?
・なぜソーシャル時代のバレンタインで「ところてん」が売れるのか?
・スーパーより2倍高いタマゴがネットで超絶な売れ方をする理由
・なぜ1本498円の缶ビール500本が1分19秒で即完売したのか?
・なぜスーパーで買えるソフトドリンクが、価格競争せずにネットで月商7000万円売れるのか?
・81歳の店長にファンクラブができる風呂敷専門店のコンテンツマーケティングとは?
・ソーシャル時代に「ファンが集うコミュニティ」が自然発生したバラ苗店のSNS活用法とは?
・なぜ国内1店舗だった洗車用品店が、数年で8ヵ国300店舗を超えたのか?
・広島の書店が、大手ネット書店と戦わずに売上を伸ばした方法とは?
・なぜネットで「部屋の壁紙」が月商1億円も売れるのか?
・大手メーカーが「既存の流通との軋轢」を避けてネットで直販する方法とは?
・なぜ半額セール中に、値引きなしの高額日本酒100本が7時間で完売したのか?

おかげさまで、毎回、アクセスランキング1位になり、ページへの総「いいね!」数も10,000件を超えたということで、連載が終わるとともに「書籍化プロジェクト」が始まったのですが・・・誤算が。

1記事、だいたい4000文字くらいだったため、全記事を合わせても5万字弱。1冊が約10万字なので、半分にしかなりません!(←算数できたら事前に気づけるやつ)

どうしよう・・・と悩んだ末に、「はじめに」に【レモン部】という事例を追加した上で、12の事例の「総論」となるパートを1章として書き下ろすことに。

一発屋で終わって消耗戦に陥る「一発くん」と、長続きする「老舗くん」として対比させながら、「やってはいけない5つのこと」として、

・売れているモノを売ってはいけない
・ターゲット客を攻略してはいけない
・競合対策をしてはいけない
・スケールメリットを強みにしてはいけない
・勝つためのスキルを磨いてはいけない

という内容をまとめました。結局、吐きそうになりました(甘かった。。)

よかったことは、”キケンなハンコ屋”として事例で紹介した「邪悪なハンコ屋 しにものぐるい」の伊藤康一さんに、本のカバーイラストとトビラ絵を描いてもらえたことでした!(ゆるいのに毒があるシュールなネコ。通称「しにものぐるい本」となる由来)
  ↑
※いま思えば「組織のネコ」ならぬ、「ECのネコ」の本ですね。

ただ実を言うと、この本をつくる時点で、自分が本当に思い入れのあるテーマは「消耗戦を抜け出す」からさらに進んで、「お客さんとチームになる商売スタイル(チームビルディングマーケティング)」でした。

でも、当時の状況でいきなりそんなテーマを打ち出しても、「は?」と思われるだろうということで封印。

そんな思いで「しにものぐるい本」を仕上げ終わったくらいのタイミングで、新たな連載オファーが舞い込んできました。それが次の本につながることに・・・

◆『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか──13のコラボ事例に学ぶ「共創価値のつくり方」』(宣伝会議)2015年8月

4冊めの自著。ウェブ連載の記事を書籍化した、宣伝会議2作シリーズ。通称「パンダ本」です。

「しにものぐるい本」が発売される少し前(2014年)、日経BPnet「ビズカレッジ」さんから連載オファーをいただきました。

なんと「ビジネスモデル」と「チームワーク」のテーマで書ける方を探していると。

「その両方を合わせた感じの【チームビルディングマーケティング】でいいですか!?」と聞いたら「面白そう」となり、連載スタート。

ただ、日経BPの担当さんと出版部門がつながっていなかったため、出版プロジェクトは立ち上がらず。

そうしたら、宣伝会議の中澤さんが「しにものぐるい本の続編として出しましょう」と言ってくれて、企画がスタートしました(感謝)。

この本は、ぼくがECの世界に身を置いて16年間で学んだことの集大成となりました。

1999年から数年は、「人の購買行動」について探究していました。そのうち、まわりのネットショップが成長軌道に乗り、スタッフが増えて「人の問題」を抱えるようになったことで、「チームビルディング」を探究することになりました。

やってみると、商売もチームづくりも、究極的には「人はどういうときに行動したくなるのか」というテーマに行き着くことがわかりました。「いらない」と思っていたモノが欲しくなってしまうとか、「それは私の仕事ではありません」と思っていた人がチームとして動きたくなってしまうとか。

楽天大学で、商売とチームビルディングを一緒に学んできた仲間(店舗さん)が増えてくると、

「商売って結局、お客さんとチームになれたらいいってことだよね」

というハナシで盛り上がるようになりました。

そこで、「お客さんとチームをつくる」をテーマに「チームビルディングマーケティング(TBM)」という3ヵ月間の実践プログラムをやってみました(2009年)。

前著「しにものぐるい本」に出てくる「レモン部」は、そこから出てきた企画です。

そのうち、震災があって「南三陸町楽天出店プロジェクト」に携わることになり、まわりのEC経営者や店長さんに「一緒にやってくれる方いませんか〜?」と声をかけたら、全国から十数名が手を挙げてくれました。

そのメンバーでチームビルディングを進めながら試行錯誤した結果、この本の事例である「手元に届かない花火2000万円分が5日で完売」という成果につながりました。

のちに、その企画が「クラウドファンディング」という名前で呼ばれるような形態になっていたことを知ります。

結局、連載12回の過ちを繰り返して、半分を書き下ろすことになりました。やっぱり吐きそうになりました(笑)。

思い入れが強いので長くなってしまいましたが、2015年の時点では「クラウドファンディング」も「共創」もマイナーだったので、出版後の手応えが薄かった思い出があります(笑)。

ちなみに、この本だけ電子書籍化されていないので、もう手に入りません。。

この本も「邪悪なハンコ屋 しにものぐるい」の伊藤康一さんに手がけていただきました。表紙イラストにパンダがいるので、通称「パンダ本」。その由来はこちらです。「パンダが売れたら、みんなすぐパンダをマネしてきますよね」という(マネされパンダ)。


◆『組織にいながら、自由に働く。──仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除(+-×÷)の法則」』(日本能率協会マネジメントセンター)2018年6月

5冊めの自著。これまで「商売系→チームビルディング系→チームビルディングマーケティング系」ときて、初の「働き方」の本。通称「加減乗除本」です。

2014年のこと。ロングセラー『経営が見える会計』や、最近だと『会計の世界史』シリーズが大ヒットしている著者・田中靖浩さんから、「がくちょの働き方をテーマにコラボ講演をしよう」と誘われたところからハナシが始まります。

「不自由な自営業、自由なサラリーマン」という謎のタイトルで、初めて人前で自分の(ヘンな)働き方について話したところ、講演後、参加者の一人がニコニコ(にやにや?)しながら近寄ってきて言いました。

「きょうのお話、本にしませんか?」

それが、この本の編集者・柏原里美さんでした。

そこから構想に3年、執筆に1年かかりましたが、長い目で見守っていただいたおかげで期せずして「働き方改革」の波が起こり、時代の流れに乗っている「新しい働き方」みたいに思われる感じのタイミングで出版されることになりました。

いまで言うと、「越境学習」「リモートワーク」「自律」「複業」「イノベーション」「実践コミュニティ」「ウェルビーイング」といった概念にあたるのですが、当時はそんな言葉はまだまだマイナーでした。

(ちなみに、構想期間中の1年2ヵ月は「横浜F・マリノス」でプロ契約してお仕事。)

この本では「加減乗除の4ステージ」を初出の概念のように扱っていますが、実は「パンダ本」に載っているフレームワークです。

共創(コラボ)をする際、足し算ステージ同士だとうまくいかないけど、掛け算ステージ同士だとうまくいく、ということを表現するために考案したものなのでした。

「これは個人の働き方に置き換えてもそのまま使えるな」と思った・・・というか、「企業も個人も本質は同じだな」と気づいて、「加減乗除の法則」を働き方のメインフレームワークに据えることにしました。

執筆にあたっては、これまでの本が「楽天市場の出店者さん」を事例にしてきたのに対して、今回は「自分の事例だけでいこう」と決めたのがツラかったです。。

なにがツラいって、「こんな自分のエピソードなんて、全然おもしろくないし役にも立たないのではないか」というセルフダメ出しと折り合いをつけるのがツラかった。。(もちろん吐きそうになりました。)

しかも「あなたみたいな変人だからできるんでしょ?」と思われないよう、いかに抽象度を高めて「自分でもできるかも」と思ってもらえるように工夫しまくったつもりです。

それもあって、出版前にいろんな人に読んでみてもらうのはどうか、と思いつき、ダメ元で、

「発売前なのに読書会」というイベントをやるってどうですか?

と柏原さんに伝えたところ、

「面白そう! やりましょう!」

と即答されて、実施の運びとなりました。まだゲラにもなっていない、Word原稿をプリントアウトしただけのものを、イベント参加者のみなさんに読んでもらおうという前代未聞の企画です。

SNSで告知してみたところ、なんと50名もの人たちが集まってくれて、週末の半日を使って読書会をし、半数以上の人が懇親会に行き、さらにほぼ全員が2次会にも参加して、終電まで熱量高く語り合うというナゾの盛り上がりとなりました。

しかも、その1日の模様を「リクナビNEXTジャーナル」さんが「ヘンな働き方イベント」として記事にしてくれました。

帯のコメントは、「ハーバード・ビジネス・レビュー」の編集長だった岩佐文夫さんが、うれしすぎるメッセージを書いてくれました。

おかげさまで、多くの人から感想メールをいただきました(いまでも届いています)。ありがとうございます!

◆『まんがでわかる ECビジネス』(小学館)2019年11月

6冊めの自著。なぜか2019年11月にこの「まんがEC本」と、7冊めとなる「育成本」の2冊が出ることになりました。

たまたま縁あって、「横浜F・マリノス」でプロ契約スタッフとして働くことになったのが2016年10月。その翌月、知人の星野卓也さんから連絡がきました。

星野さんとは、神田昌典さん主催のイベントで同じ登壇者として知り合いました。脚本を書く仕事などをしているとか。その星野さんから、

「相談なんですが、いま小学館さんと『まんがでわかるシリーズ』の立ち上げ企画を考えていて、編集者さんが『三木谷さんでやりたい』とのことなのですが、可能なものでしょうか?」

と。

「ぼくにはまったく力はありませんが、ダメ元でよければ広報に聞いてみましょうか」

ということで、広報担当に企画書をメールをしてみたところ、なんとOKが出ます。その結果、『まんがでわかる 楽天と起業家三木谷浩史』(シナリオ:星野卓也さん、監修:楽天株式会社)が誕生。

ちなみに、楽天という会社のことがとてもよくわかる本なので、「楽天トラベル」のメンバーで読書会をやったら、「こんな本があったなんて知らなかった!」「楽天の歴史とか価値観がめっちゃわかりやすい!」「新人研修、これでいいじゃん」と好評でした。

その編集担当が、なんと『名探偵コナン』の初代編集者・畭俊之(はりとしゆき)さんで、おしゃべりするうちに、

「仲山さんの本って、人生訓みたいなのが書いてあるかと思ったら、めちゃめちゃ理屈がしっかりしてるんですね。仲山さんとも一緒に本をつくりましょう」

と言っていただき、企画がスタート。

「まんがでわかるチームビルディング」はちょっとイメージしにくいかも、ということで「ECビジネス」でいくことになりました。

コンセプトとしては、これから開店する人向けのガイドになりつつも決して初心者向けにとどまるものではなく、長くネットショップを実践している人が読むと、「そうそう、そういうことなんだよ!」と思えるような要素を散りばめて、【ベテラン店長が新人スタッフに手渡したくなる本】。

ただ、ぼくは星野さんみたいにシナリオを書けないので、畭さんと漫画家の高田千種さんと3人で、めちゃめちゃ意見のすり合わせをしました。自分がやりたいこと、譲れない部分、こだわりないのでおまかせしたい部分など。ぼくもお二方の意見を聞いて、すごく勉強になりました。

言ってみれば、初めての共著です。

初めてラフ案が上がってきたときのことは印象に残っています。ぼくのざっくりした構成に、高田さんがユーモアを交えつつステキなストーリーにしてくれていて、感動でした。

そこから1年くらいかけて、ようやくマンガ部分が一通りある状態になりました。売上至上主義に陥った主人公が消耗戦から目が覚めるシーンあたりで目から汗を出しながら、文章パート(章と章のあいだに入るやつ)をつくり始めました。

その際、EC運営者の有志(ベテラン多め)にマンガ部分を見てもらう「先読み会」をやってみました。そうしたら、

「このまんがは私たちが経験してきたそのもの」
「経験したからわかるけど、これを経験してない人が読んだときに伝わるだろうか」
「これ、月商数億円レベルなら十分あてはまるし、商材も問わないよね」「スタッフみんなで読み合わせしたい」
「これはECの神話なんだと思う」

という、うれしい声をいただきました。

実はこの本は、「20年前の自分に渡してあげたい本」です。もしタイムマシンがあったら、マニュアルも前例もなく、ネットショップ店長さんたちとひたすら試行錯誤を繰り返していた頃の自分に、「これ読んでみて」と手渡したい本になりました。

◆『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質──才能が開花する環境のつくり方』(徳間書店)2019年11月

「横浜F・マリノス」のオフィスで最初に話しかけてきてくれた人がいました。どこかで会ったことがあるような気がします。

その人は「菊原です。こんにちは!」と言いました。

すると、そばにいた利重孝夫さん(シティ・フットボール・グループ日本代表、横浜F・マリノス取締役、元楽天常務)が「知ってるよね、菊原志郎」と言うではありませんか。

「えええ! あの読売クラブの天才・菊原志郎さん!?」

日本リーグ時代からのサッカーファンである仲山、どうりで見たことがある気がしたわけです。

テンション高めに、「僕も育成の仕事をしています」「仕事で大切なことはすべてサッカーが教えてくれると思っているんです」「子どもが憧れる、夢中で仕事を遊ぶ大人を増やしたいと思っているんです」という話をしたら、

「本当にそうなんですよ。そういうことを世の中に広く伝えたいと思っているんです」と盛り上がって、あっというまに意気投合しました。

今までやってきた仕事のことなどをいろいろ話すうちに、「仲山さん、面白そうだから、僕が受けもっている中学2年生のジュニアユースの選手向けに何かやってもらっていいですか?」ということになりました。

こうして月1回の「ジュニアユース(中2)向け育成プログラムがスタート。内容は、「ものの見方・考え方」や「チームビルディング」的なものです。

あるとき、別の学年を担当しているコーチが話しかけてきてくれました。

コ「仲山さん、中2の研修ってどんなことをやってるんですか?」
仲「え、どうかしました?」
コ「中2の子たちに『研修どう?』って聞いたら、『楽しい』って言うんですよ。彼らが研修みたいなものを楽しいなんて言うことはなかなかないので、どんなことやってるのか気になって」

その後、「育成コーチ向け」と「スクールコーチ向け」にも育成プログラムを展開することになりました。

そんなふうに志郎さんと楽しくコラボで活動しているなか、知人が紹介してくれたサッカー大好きな編集者・苅部達矢さんから、

「仲山さんが本日Facebookに投稿していたオシムさんの話を見て、書籍の執筆をお願いしたくなりました」

とのメッセが。マリノスのオフィスに遊びに来てもらって、おしゃべりしたら、

仲「いまマリノスに菊原志郎さんがいるんですよ」
刈「えっ、あの天才・菊原志郎さんですか!? なんでマリノスに!?」
仲「去年から移籍してジュニアユースのコーチをやっていて、いま一緒に活動させてもらってるんです」
刈「僕、2003年に『ストライカー』という雑誌の連載企画を志郎さんがやっていたときに、志郎さんにドリブルで抜かれる役をやったことあるんです!」
仲「なんと、そんなつながりが!(笑) 志郎さんが出版に興味あるって話していて、一緒に本をつくれたら面白いなと思うんですけど、どうでしょう?」
刈「それ、面白そうですね!」

そこに、打ち合わせが終わった志郎さんが通りかかりました。

「志郎さん、ちょっといいですか?!」と言って、苅部さんを紹介し、その流れで出版プロジェクトがスタート。

共著はお互い初めての試みだし、そもそも「”すごいことをさらっと言う” 志郎さんのすごさをどう表現したらわかりやすく伝えられるのか!?」というところで試行錯誤を繰り返した結果、形にするまでに2年以上かかってしまいました。

その間に、志郎さんは中国の広州富力へ移籍して、勝てなかったチームを全国優勝させるという偉業を成し遂げました。「本のプロジェクト、時間がかかったけど逆に内容が濃くなったかもしれませんね」などと言い合いながら、ようやく出版にたどり着きました。

その発売のタイミングが、なんと「まんがEC本」と10日違い。どちらも企画スタートから2年かかって、たまたま同じ月に出版されるという不思議な展開になりました。

執筆のボールが回ってくるタイミングが奇跡的にかぶらなかったから何とかなりましたが、重なっていたら・・・と思うと恐ろしい(笑)。もう複数企画の併行はしないようにしたいです。

なお『育成の本質』は、「サッカー本大賞2020」の「読者賞」と「優秀賞」を受賞しました!

◆『「組織のネコ」という働き方──「組織のイヌ」に違和感がある人のための、成果を出し続けるヒント』(翔泳社)2021年11月

8冊めの自著。「働き方」第2弾。通称「組織のネコ本」です。

「不自由な自営業、自由なサラリーマン」の働き方イベントを田中靖浩さんとやったときに参加してくれていた一人が、編集者の坂崎絢子さんです。

あるイベントで、坂崎さんに再会しました。2年ぶりくらいでしょうか。あれから転職したそうです。

「今いる会社の代表が本を出したんです。読んでみていただきたいので、送りますね」とのこと。

届いた本『ヤンキーの虎』が面白かったので坂崎さんに感想を送ったら、流れでその社長さんとランチをすることになりました。「カリスマファンドマネージャー」と呼ばれている人だそうです。

ランチをしながら自分の会社や働き方について聞かれて答えるうちに、その人・藤野英人さんは、丸い眼鏡をきらーんと光らせながら、穏やかに言いました。

「あなたはトラリーマンですね」
「とらりーまん?」

藤野さんは続けてこう言いました。

「最近、会社員でありながら会社の枠にとらわれず自由に自己実現している人がちらほら出てきています。会社の資産を活かしながら突出した成果を上げ、社命ではなく自分自身の使命に従って仕事をしていく人たち。それが【会社員の虎】、トラリーマンです。

一番悲しいのは、会社に不満を持ちながらも、同調圧力に追い詰められて精神を病んでしまうこと。それならば辞める覚悟でもう一回、会社に自分の居場所をつくり直すという方法があってもいいじゃないかと。私はトラリーマンというコンセプトの発信を通じて、日本の閉塞感を打破したいんです。

そんな思いを坂崎につぶやいてみたら、『いますよ、ピッタリな人が』と紹介されたのが、あなただったのです」。

こうして 藤野さんと出会ったことをFacebookに投稿したら、知人のウェブメディア「ビズジン」編集長の栗原茂さんからメッセージが届きました。

「仲山さん、サラリーマンの働き方をテーマに本質的な連載をやりませんか? 藤野さんの言う【サラリーマンの虎】と対談していく企画なんてどうでしょう?」

「おもしろそうなのでやりたいです!」

というわけで、2018年2月から連載がスタート。

何回やるかも、誰と対談するかも決めないままに始まりました。正直なところ、「トラリーマンはそんなに多くなさそうだから、長くは続かないかもしれないな」とも思っていました。

初回の記事(藤野さんとの対談)がアップされたのでFacebookでシェアしたら、「おもしろい!」とコメントをくれた人がいました。飛騨市長の都竹(つづく)淳也さんでした。「あ、トラ発見!」と思って返信しました。

「都竹さんの県庁時代のハナシもビンゴだと思います! お時間が許せばぜひゲストに!」

「仲山さんのご用命にはイエスかハイで答えることにしております」

あっという間に、ゲスト決定。

しかも、そんな展開がレアケースではなく、たびたび起こりました。トラリーマンの生態を発信すればするほど、「同じ匂い」を感じたトラの人がリアクションをくれたり、知人友人が「トラがいるよ」と紹介してくれるようになっていきました。結果、連載はゲスト探しに困ることなく1年半も続くことになりました。

その後、栗原さんの紹介で、同じ翔泳社の書籍編集者・渡邊康治さんと書籍化の打ち合わせをすることに。ちょうど「まんがEC本」と「育成本」を脱稿したくらいのタイミングでした(2019年10月末)。

内心密かに、「対談コンテンツを編集すれば本になるからラクそう!」と思っていたのですが……渡邊さんが少し曇った表情で言いました。

「仲山さん、あの連載の文字数、全部で20万字ありました」
「えっ、そんなに?! 半分くらい削らないといけないですね」
「そう思って対談を全部読んでみたのですが、問題が……」
「もしかして……面白くなかったですか?」
「いえ、十分に面白くて、逆に削れるところがあまり見当たらなかったんです。あれは再編集すると、対談のうま味がこぼれ落ちてしまうなと……。もうちょっと考えてみますね」

そして企画が決まらないままにコロナ禍へ突入したことも相まって、半年が過ぎました。

その間に渡邊さんは、なんとトラリーマン連載がきっかけで生まれた本を手掛けて出版。それが連載ゲスト・倉成英俊さんの『仕事に「好き」を、混ぜていく。』(電通Bチーム著)です。

「倉成さんの本、おもしろかったです」というやりとりを渡邊さんとしたのがきっかけで、企画が再起動。連載のライティングを担当してくれていた宮本恵理子さんと3人で熟議した結果、「書き下ろしましょう」と決まりました。

「ラクに本ができそう」とあぐらをかいているときに限って、こういうことになるものです。

そこから試行錯誤を重ねて、1年半かかってできました。

最大の悩みポイントが「トラリーマンの説明が端的には伝わりにくい」という点。「藤野さんという人がいて、3種のトラという考え方があって、3番めが会社員のトラで、社命より使命で・・・」と伝えても、あまり響いてない感じなのです。

それに比べて「組織のネコ」という表現だと、すぐ「なにそれ面白い!」「私、イヌじゃなくてネコだ!」と好反応が返ってくるとわかったので、タイトルは「組織のネコ」推しでいくことにしました。

ネコでいくとなれば、表紙は「邪悪なハンコ屋 しにものぐるい」にお願いしたい、と思って伊藤康一さんに相談したら、快諾してもらえました。

ちなみに、この本をつくり始めた時点で、ぼくはさほどネコに思い入れも知識もない状態でした。でも、「組織のネコ」について語るには、概念としてのネコだけではなく、本物のネコについても知っておかないと説得力がないのではないか……などと思っていた矢先のこと。

なんと、わが家の庭に、野良ネコが現れたのです。

ぼく以外の家族が「ネコ好きだけどネコアレルギー」というややこしい状況だったのですが、エサと寝床を用意したら、うちの庭で寝泊まりするようになりました。試しに家に入れてみたら鳴きわめくので、また外に戻し……を繰り返して、今は家ネコ化しております。

観察していて思ったことは、「ネコって全然思い通りにならないな!」でした。あっという間にエサを食べたと思ったら全然食べないこともあるし、梅雨や酷暑だからよかれと思って家に入れると「外へ行かせろ」と鳴きわめくし、なでて喜んだと思ったら急に「なにすんのよ!」的な目で見られて逃げられることもあるし。

というわけで、「イヌ上司がネコ部下を扱うむずかしさって、こんな感じなんだろうな」と、しみじみ思った次第です。

◆『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方──カオスな環境に強い「頭のよさ」とは』(小学館)2022年5月

9冊めの自著。通称「アオアシ本」です。まだ発売前ですが(2022年5月30日刊)。

『ジャイキリ』に続く「まんがコラボ」第2弾。
かつ「サッカーとビジネスをつなぐ系」第3弾。
かつ「ビジネス頭」に続く「思考力系」第2弾。

初の自著『「ビジネス頭」の磨き方』から12年(2010年→2022年)。

つまり、「12年周期のらせん」が1周したタイミングでの出版です。

12年周期で、似たようなことが起こる。しかも一段上がった形で、というのが「12年周期のらせん」です。「一段上がる」というのは「1.0が2.0になる」感じ。

自分史でいうと、主ならせん的事象は・・・

★「楽天大学」設立(2000)
→オンラインコミュニティ「ジャングル」設立(2012)
 【新サービスを立ち上げる。オンライン化された形へ】

★楽天、株式公開(2000)
→楽天、英語公用語化(2012)
 【メジャーアップデート。国内からグローバルへ】

★「大入本」(2001)
→「しにものぐるい本」の元になる「アドタイ」連載(2013)
 【EC情報の外部発信。オンライン化された形へ】

★楽天、六本木移転(2003)
→楽天、二子玉川移転(2015)
 【会社の移転。フロア借りから一棟借りへ】

★「ヴィッセル神戸」お手伝い(2004)
→「横浜F・マリノス」プロ契約(2016)
 【Jクラブでお仕事。ちゃんと契約がある形へ】

★「楽天イーグルス」創設(2005)
→「FCバルセロナ」スポンサー(2017)
 【会社の認知度アップ。国内からグローバルへ】

★「大入本改訂版」(2007)
→「まんがEC本」(2019)
 【EC本リニューアル。まんがコラボの形へ】

そして、2010年→2022年は2つあります。

★「楽天ドリーム」対談コーナー開始(2010)
→「ザッソウラジオ」鼎談開始(2022)
 【ゲストと対話するコンテンツ。オンライン化された形へ】

************************************************
★「ビジネス頭」(2010)
→「アオアシ本」(2022)
 【思考力がテーマの本。まんが&サッカーコラボの形へ】
************************************************

というわけで、これ↑が言いたくて「出版ふりかえり」をしたようなところがあります。

「アオアシ本」は「ビジネス頭2.0」なのです。

「アオアシ本」の企画をやることになった経緯は本(おわりに)に書いてあるので割愛しますが、「2022年のアニメ化に合わせて出版しましょう」と聞いたとき、

「2010年から12年・・・「ビジネス頭2.0」の本をつくるってことだ!」

と直感的に思いました。

「ビジネス頭」は「視点・視野・視座」のハナシから始まります。

そしてなんと『アオアシ』というマンガは、

・主人公が「視野の広さ」という才能を持っているハナシ!
・ユースに入って「視点」を学んでいくハナシ!
・「視座(ポジション)」が変わるハナシ!

めっちゃシンクロしてるのです!

というわけで、「アオアシ本」には随所に「ビジネス頭」の内容がリバイバルされています(手抜きではなくw)。

執筆作業をふりかえっても、12年周期の大きな文脈があって、そこに『アオアシ』のシーンをあてはめていくような感覚があって、「ビジネス頭」のときみたいに吐きそうにならずに書き上がった気がします。

なんか不思議。


◆【出版ふりかえりのふりかえり】気づいたこと


◆「表紙のイラストあり率」が高い。11冊のうち10冊。イラストないのは「育成本」だけ。

◆表紙イラストの「ネコ率」が高い。10冊のうち5冊。

・大入本     (招き猫)
・大入本改訂版  (招き猫)
・しにものぐるい本(伊藤ネコ by しにものぐるい)
・パンダ本    (伊藤ネコ by しにものぐるい)
・組織のネコ本  (三毛ネコ by しにものぐるい)

◆編集者さんの属性が全員「ネコ・トラ」な気がする。

【ビジネス頭】
桑島暁子さん(実績ない著者なのに抜擢)

【ジャイキリ本】
倉田卓史さん(ブルーバックス編集部なのにイレギュラー案件として担当)

【しにものぐるい本】
中澤圭介さん(宣伝会議さんっぽくない本なのに)

【パンダ本】
中澤圭介さん(さらに宣伝会議さんっぽくない本なのに)

【加減乗除本】
柏原里美さん(原稿完成してから企画会議を通し、「発売前なのに読書会」を実施)

【まんがEC本】
畭 俊之さん(『名探偵コナン』初代編集者で、会社から自由にやっていいよと言われて「まんがでわかるシリーズ」立ち上げ)

【育成本】
苅部達矢さん(全然会社にいない)

【組織のネコ本】
渡邊康治さん(穏やかでいつも微笑んでいる)

【アオアシ本】
松井秀明さん(デジタルコミック企画室なのにイレギュラー案件として担当)

◆自ら企画を持ち込んで出版が決まったことがない(常に受け身)。ちょっとした出会いから出版プロジェクトにつながる流れ。

◆「サッカーとビジネスの架け橋になるような本を書いてみたい」と妄想を口走ったら、いつのまにか実現していた(3回も)。

◆「まんが」だの「サッカー」だの「ネコ」だので、仕事してるんだか遊んでるんだかわからない。

◆出版すると、どの本もそれぞれに面白い人が見つけてくれて、「あの本、面白かったから一緒に何かやりましょう」という展開になっている。これは本当にありがたい。

◆「必ず吐きそうになる執筆作業」から、「共著(まんがEC本、育成本)」あたりから吐きそうにならなくなってきた気がする。チームビルディングのおかげかもしれない。

◆本当に恵まれている著者生活なこと。

◆次の「人事制度本」をやらなければいけないと思い出した。

(おわりです)

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