個展『しんちゃんといっしょに』を振り返って
2024年3月20日(水/祝)〜24日(日)まで、2回目の個展『しんちゃんといっしょに』を開催しました。
私が今回の個展を開いた理由に関しては、個展会場に設置していた挨拶文に全て想いを込めて書きました。このnoteを読み進める前に是非、以下の挨拶文をご一読下さい。
長い挨拶文を読んで頂き、誠にありがとうございます。
このような心境でスタートした個展ですが、5日間、アドレナリンがドバドバ出っ放しだったみたいで、最終日を終えて帰宅すると、スイッチが完全オフになり、泥の様に10時間以上眠り続けてしまいました。
一般的なアートの展覧会や個展は、展示するアートを見てもらうことが目的で実施すると思いますが、[今回の個展]に関してはアートを見てもらうことは、実は[手段]でした。
本当の[目的]は、これまで何かしらのご縁で交わってきた人々と、もう一度、いまの自分(しんちゃん)で繋がり直す/再交流のきっかけを生み出したい!と言う自分の願いを叶えるためでした。
だから、アートを見る空間の中にくつろげる場所をたくさん用意し、お茶を出し、リラックスして、来場者と対話ができる配慮をしていました。
時間帯によってはたくさんの来場者が重なってしまったため、ゆっくりとお話しできなかった方も数多くいらっしゃいました。自分の意思や記憶を共有するコピーロボットがいたら良かったのですが、なかなかそう都合よくはいきません。
そしてこの目的を達成するためには、そもそも現時点で交流が疎遠な人たちに個展を開くことを知ってもらう必要があります。私が嘘をついたり、虚勢を張って生きてきた時代に出会った人たちなので、連絡を送ることに対して、正直かなりためらいがありました。
『無視されたら、どうしよう。。』
『冷ややかな反応が返ってきたら、どうしよう。。』
こんな思考になる自分を奮い立たせ、FacebookやLINE等、繋がっている人たちに可能な範囲で思い切ってメッセージを送りました。
返事が返ってきた人もいれば、既読スルーや未読のまま、人によって反応はまちまちでした。
もちろん皆さん住んでいる場所の理由や、他の予定と重なって会場に来れない人がほとんどでしたが、勇気を出して連絡をしたことにより、個展に興味を持ってくれて足を運んでくれる人が何人かいました。
また、遠く離れたところに住んでいるけれど、たまたま偶然、東京に来る予定と重なってサプライズ的にお越し頂けた方もいらっしゃいました。
会場のロケーション的にも通りがかった人がふらっと入ってくるような場所ではなく、来場者の90%(告知を見てや、知人に紹介されて来場された初めましての方もちらほら)が私が今まで生きてきて、どこかで交わったことがある人でした。
年齢、性別、国籍、セクシャリティも多種多様で、お互いにはもちろん他人同士ですが、私からすると『⚪︎⚪︎さんと△△が同じ場所に同時にいる!』みたいな光景がずっと続いていました。
中には、来場者同士でおしゃべりしてお友達になったり、久しぶりの再会があったりと、そんな機会を提供できたことも、とても素敵だなーって思っていました。
ー ー ー ー ー
そしてそんな想いは、初日に開催したLive Performance with Labianna Joroeの時に、最高潮に達しました!
約30名の来場者に参加して頂き、Labiannaという生きているキャンバスにそれぞれが描きたいと思う方法で、好きな色を自由にみんなで塗り重ねてもらいました。
[参加型]とは一切告知していなかったので、私たちのパフォーマンスを見るつもりで来た来場者は、最初は戸惑っていました。それが私が1色目の色を塗りつけてから30分ほど経過すると、みんなキャッキャと満面の笑みで絵の具を手に取り、生きているキャンバスに向き合ってました。
偶然、必然で居合わせた多様な人たちが創り上げた一つのアート。
私がこれから残された命を使い、生きていきたいと望んでいる方向性を象徴するアート作品が出来上がりました。
話は少し飛びますが、前職のスタートアップが掲げていたミッション『多様な価値観を、多様なまま許容する社会のインフラを創る』と言うものがあります。私は前職を辞めて、絵を描くという道に進みました。私はスタートアップの会社という船はもう既に降りてしまいましたが、このミッションは今でも実践を続けています。
1年半前、自分が0→1で創った船は当時は頼りなく、心細い小船でしたが、1年半経った今は、自分でいい感じに操縦できるそれなりの船に成長しているようです。まだ数十名ほどしか乗せられない船ですが、今後は仲間を集って協力し合い、いつかはこの船を何万人単位で乗せられるような大きな船にしていけたらいいなーって本気で思ってます。
冒頭、[目的]と[手段]の話をしましたが、私にとってアートとは[手段]であり、[目的]でもある。とこの個展を通じて改めて強く想いました。
今回のように、他者とのコミュニケーションを活性化させる[手段]としてアートはとても有用だということは十二分に理解できました。
けれども、それと同時にアート自体を[目的]として求めている自分自身の強い願いにも気がつくことが出来ました。
だから私は多摩美で、私の個人アトリエで、社会の中で、引き続きアートを実践していきます。その先に何があるかはまだよくわかりません。けれども、とても気持ちの良い景色が見えることだけは、今から既に確信しています。
アラフォーで絵を描くことを始めたちょっと変わったゲイのおじさんですが、これからも『しんちゃんといっしょに』歩んでいきましょう♪
2024年3月25日
しんちゃん(村田晋太郎)
追 伸
こちらは[手段]としてのアート活動のお知らせです。
『雪解けアートワークショップ』というイベントを4/20(土)に開催します。このnoteを読んだ上で、ピンと来た方是非ご応募ください。
4/20の回は残1席となりますが、定員締切以後にご応募いただけた方には追加で開催する日程のご連絡を差し上げます。
勇気を出してご応募頂けると嬉しいです😊
以 上