”基礎体力”という言葉を全体像から見てみる
こんにちは。
日本身体管理学協会事務局の新美です。
本日も先日に引き続き「基礎体力」について考えてみたいと思いますので、
もし宜しければ、最後までお付き合い頂ければと思います。
先日のnoteの内容はこちらになります。
基礎体力という言葉を聞いて、改めて皆さんはどのように考えるでしょうか?
あるいは、「体力が落ちてきたから、体力をつけたい!」とおっしゃる方は
どのようなニュアンスで体力が落ちたと感じ、どんな体力をつけたいと思われていると思いますか?
体力という言葉は、本当に抽象的に使われていることが多くあります。
ですから、まずはこのわかりにくい体力という言葉を、改めて考えてみたいと思います。
そもそも体力とは?
では、実際に辞書などで体力ということは、どのように定義されているのでしょうか?
【体力】
①継続的に物事を行うことができる、からだ全体の能力。特に、病気に対する抵抗力や疲労に対する回復力。
②からだの運動能力。
大辞林より
つまり、身体を動かす能力と身体を外敵などから守る能力のことを
一般的には体力と行っていることがわかります。
俗に身”体”能”力”という言葉から体力という言葉ができているとも言われており、
身体の総合的な能力だということがここからもわかります。
総合的な能力とは?
では、身体の総合的な能力とはどんなもののことを言うのでしょうか?
これは、よく言われる、行動体力と防衛体力という二つの体力で理解することができます。
行動体力とは、筋力、パワー、持久力、敏捷性、平衡性、柔軟性などの
いわゆる運動能力のことを指します。
また、防衛体力とは、物理的ストレス(温度、気圧、振動、化学物質など)、生物的ストレス(細菌、ウィルスなど)、生理的ストレス(疲労、寝不足、時差、渇き、空腹など)、精神的ストレス(不快、不安、苦痛、恐怖など)
いわゆるストレス耐性を指します。
まず、大前提となる”体力”という言葉を一つとっても、
これだけの要素が含まれます。
では、実際に人が生きていく時に、どのような能力をより必要になるのでしょうか?
行動体力はどれくらい必要か?
では、先日の話ではないですが、
実際に、今挙げたような体力要素から、本当に生活にとって必要な体力とは
どのようなものなのでしょうか?
例えば、行動体力で見てみると、
果たして、巷で行われているような、重りを上げ下げするようなトレーニングや、何度もジャンプしたり、鉄棒にぶら下がって必死に懸垂をすることは、
どれくらい必要なのでしょうか?
それは”基礎体力”の向上にどれだけ役立っているのでしょうか?
おそらく、多くの方は、ある程度歩けて、階段の上り下りが苦労なく行えて、
買い物の荷物が持てる、旅行に行っても楽しめる程度の
体力があれば十分なのではないでしょうか?
それよりも、風邪をひかない、大きな病気に罹らない、ストレスで病まない、多少の疲労でも活動できる、などの方が
日常生活にとっては、よっぽど基礎体力として必要なのではないでしょうか?
確かに、身体を動かすことで、副次的にこれらの効果を得られることはありますが、
あくまでも、トレーニングは特異性の原理です。
つまり、やったことが身につく。
やってないことは身につかない。
バーベルの上げ下げは、バーベルの上げ下げの能力を高めるものであり、
ジャンプはジャンプの能力を高めるためのものです。
ですから、自分が本当に必要とする能力を高めたければ、
そのための行為を日頃から行わなければなりません。
”基礎体力”という言葉を考えるとき、体力の全体像からそれを捉えることで
今までとは違った、自分なりの身体を管理する習慣が、見えてくるかもしれません。
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