荒井めい

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好きな人と養子縁組して家族になりました(そして日常は続いてゆく)

十何人目かに出来た彼氏との同棲を決めたとき、私はこの人と結婚するんだと思った。そして、十何回目かのありきたりな別れをして同棲を解消する時に、あぁもうこんな夢を見るのはやめようと思った。家具が運び出され、空っぽになってゆく部屋に耐えられなかった。大好きだった白くて大きな部屋。大好きだった優しくて楽しい彼氏。 もう、好きな人と暮らすなんて恐ろしく素敵で馬鹿な真似はもうしない。管理会社に鍵を返して、駅のホームで大泣きしながらそう思った。 こうして私は自分だって「普通」に幸せにな

    • 病気 makes him evil/結婚したfeministは裏切り者か?

      こちらは、おおっぴらにインターネットに書くことではないパーソナルな日記として、有料記事にします。収益は私の執筆にかかるお金(カフェ代)に当てます。余ったらおいしいアイスとかを自分に買います。ある程度読んでくださる人がいたら、買い切りではなく、定期購読(サブスク)にしようと思っています。その方がnoteに払う手数料が低いので。 2024年は月3本くらいは書いていきたいので、人からお金を頂戴することで自分の尻を叩きたいと思います。あなたも300円で私のsexy big assを叩

      有料
      250〜
      割引あり
      • 介護と看取りー「娘」として最後の役割を全うしようとした母のこと

        朝6時、アラームが鳴って目が覚める。隣で寝ている同居人をどうやら起こしたようだったのでごめんねと声をかけた。彼は何かむにゃむにゃと私に断りを入れてから朝日の方角と私とに背を向けて、また眠りについた。最近のわたしはめっぽう朝に強くなった。少し前まで睡眠薬がないとどうにもならなかったなんて信じられないほどに。 ローレン ラルフローレンの真っ黒いフォーマルなワンピースに袖を通す。喪服としてこれを着るのは、2回目だった。前日にまとめておいた45リットルのゴミ袋を左手に、右手にはユニ

        • せっせっせーのよいよいよい、アルプス一万尺、小槍の上で。

          デート。代々木八幡駅でその日私たちは落ち合った。夕暮れが似合うとても落ち着いた街で、私はとてもここが好き。 おしゃれな店が点在しているその街は、パチンコ屋さえもスーパーの外装のような清潔さを携えています。 表参道や新宿とは違い、街中を歩いている人は代々木八幡の住民か、せいぜい近隣の街からの訪問者らしく、気の張っていない人で溢れています。賑わいのある八百屋に、小さなチョコレートやさん、オーガニックスーパー、そして無数の小洒落たレストランたち。 バッグを持たない軽装の男女カップル

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        好きな人と養子縁組して家族になりました(そして日常は続いてゆく)

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        • 月刊誌・文教知区
          2本

        記事

          往復書簡ーオープンリレーションシップとか養子縁組とかぼくにとってはなんだっていいことに気が付きました。

          以下、2021年2月20日から2021年3月10日までの私と好きな人(養子縁組をしたパートナー)との手紙のやりとりです。文中に出てくる先生というのはその彼のことを指しています。手紙の中身は個人名のみ伏せています。 ーーーーーー 先生こんにちは。私は今2021年2月27日土曜日23時、やっと家について、帰るなり服も着替えずにこの手紙を書いています。 対面だと誤魔化したり、変に明るく振る舞ったり、不機嫌になってうまく言葉が出てこなかったりするので手紙を書こうと思いました。返信

          往復書簡ーオープンリレーションシップとか養子縁組とかぼくにとってはなんだっていいことに気が付きました。

          せめて笑って別れ話を

          ネットでインタビュー記事が出たあと、私の元にはいくつかテレビの取材の連絡がきて、彼女もその連絡を送ってきたひとりだった。「○○株式会社の○○と申します、○○という番組にぜひ…」と皆が送る中で、彼女は社名も名乗らず、とりあえず一度電話で話がしたいという旨のメッセージを寄越した。不審だった。警戒したが、なんだかわからないけど、少しだけ気になった。どうしようかな、と思いながらこちらからメッセージを打つと、少し遅れて返信が返ってくる。何度も消したり、書いたりしてダイレクトメッセージの

          せめて笑って別れ話を

          「 だって手も繋いでくれなかったじゃん」

          完璧に綺麗に巻いてきた長い髪が絡まるのを気に留めず、私は下北沢駅のエスカレーターを駆け上がっていた。時刻は19時43分。はやくはやく。走れば、もう一本前の電車に乗れる。はやく、もっとはやく。私は息を切らしながら、伝えていた時刻より6分だけ前倒しで待ち合わせ駅に着いた。人のまばらな改札前で彼の姿を見つける。6分ぶん、早く会えた。 「あんまりデートって感じの店じゃないんだけど、おいしいから」と言う彼のあとを着いていきながら、私はさして重要じゃない事ばかりをベラベラと話しては、急

          「 だって手も繋いでくれなかったじゃん」

          【ポッドキャストはじめました】 「荒井めいの勝手に恋愛相談」 第1回目は「恋をどうやって終わりにするか」です。 ▼Spotify 無料で聞けます https://open.spotify.com/show/3BiN6SVtkISxQmX2xlj9OK ▼Anchor アプリ無しで無料で聴けます anchor.fm/arai_mey

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          月刊誌「文教知区」Vol.2 発行します

          文教地区に指定されている渋谷区・神宮前からなんとなくお送りする月刊誌「文教知区」を今月も無事にドロップできました!今月も文章を書けて、それがどこかのだれかに届くという嬉しさを噛み締めています。 今月号も、荒井めい・望月まきをの二人のエッセイです。コンビニで印刷ができます。あと、PDFでの配布(有料)もあります。 セブンイレブン 予約番号6L8QBTFP、B4 カラー:60円、2020/08/14迄 ファミリーマート・ローソン FMX7XQGXZF、B4 カラー:60

          有料
          300

          月刊誌「文教知区」Vol.2 発行します

          月刊誌「文教知区」を発行します

          文教地区に指定されている渋谷区・神宮前からなんとなくお送りする月刊誌「文教知区」を発行します。 今月号は、荒井めい・望月まきをの二人のエッセイです。コンビニで印刷ができます。あと、PDFでの配布(有料)もあります。 セブンイレブン 予約番号97769192、A3 カラー:100円、2020/07/10迄 ファミリーマート・ローソン FMX7XQGXZF、A3 カラー:100円、2020/08/03迄 ※印刷できる期限が違うので気をつけてください。 PDF

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          男の子に60万振り込んでもらったので引っ越しします

          「付き合う気はない」と最初に言われた時はさすがに狼狽した。私、この人に全然好かれていなかったのか?と大変ビックリしてしまって、サーっと全身の血の気が引いた。もう一回だけ手を繋いでもらってもいいですか、と頼むと手を差し出してくれたが、まるで物に触っているかのような彼の手の感触が伝わって、一層悲しくなった。悲しくて、すぐに手を離した。 そのあと、めげずにラブレターを書いてるのだから私もたいそうな自信家に違いない。あなたとセックスをしたら絶対楽しいと思うので、いつかあなたが私とセ

          男の子に60万振り込んでもらったので引っ越しします

          変な日本語によって日記を書くことができます

          昨日、ストーブをオンにして、翌日に扇風機をオンにしています。気候が変化することが多いためです。寒い冬が終わった後にすぐ春がきました。そしてまた夏が来ます。油断できません。しかし忘れてはいけません。梅雨がありますので、みんな気をつけた方がいいです。衣替えは時期尚早だ。騙されてはいけない。 毎日のルーティンは持っていますか。私はありません。日課があると人生にとても良い影響があると知られています。少しだけヨガと筋肉の練習をしていましたけど、いまは実施していない。ヨガを私に教え

          変な日本語によって日記を書くことができます

          84円切手を貼ったラブレター、とその続き

          「凍てつくような寒さの雨の中で、精一杯の愛を込めて。」 三枚目の便箋の末尾をそう締めた。 ファミリーマートで買った84円切手を封筒に貼って、郵便ポストに投函する。 初めてとは言わない。人生何度目かのラブレターだった。 居ても立っても居られなかったので思いの丈を1500字書いたが、 もし、もし悪い返事が返ってきたなら、と考えると、書いた手紙をベランダから紙飛行機にして飛ばしてしまいたい衝動に駆られた。 まっすぐスーッと眼下の街中を飛んで、そのまま誰にも届かないといい。

          84円切手を貼ったラブレター、とその続き

          海にたくさんの語りはいらない – 鎌倉旅行記1

          海の街にしては潮風の匂いのしない街だった。 小町通りは観光客向けの食べ歩き用フードとたくさんの人とで賑わっていたが、私たちはまっすぐ海へ向かう。 なんせ海をみるために来たと言っても過言でない。 大通りをまっすぐ行くと、いきなり海が広がっていた。11月の鎌倉の海。 私はすぐさま着ていたコートと靴を脱いで波打ち際へ向かった。 素足で踏む砂浜が柔らかくて気持ちいい。 犬と子どもとサーファーしかいない浜辺で、ふくらはぎまで海に濡らす。 市場でひと玉100円のキャベツを見つけ、

          海にたくさんの語りはいらない – 鎌倉旅行記1