【これが本の作り方】ポエムと小説のハイブリッド ✶制作過程公開✶ 小説家デビュー作『ありのままの私で恋がしたかった(スターツ出版)』蜃気羊
本当にすごくいい本ができました!
作者自身がこうやって言うことが少し変に感じる(または自信ありすぎじゃね?)って思うかもしれません。呆れてここでブラバしないでほしいです。
しかし、本当に素直にそう思えるくらい、素敵な作品になりましたので、こんな本できたよ! と、無邪気に、熱をおびたまま、皆さんにお伝えしたくなりました。
ですので、少しの間、この熱にお付き合いいただけたら、嬉しいです!
なんと、この熱量の結果、1万字を超える記事になりました!
長いですが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
最初に軽く紹介したあと本編となります。
蜃気羊のこと知ってるよ!という方は、本編から読んでいただけると嬉しいです。
どんな本?&著者プロフィール
こんな本になりました
恋に悩む夜に、自分が嫌になる夜に、心救われる1ページの物語です。
200字に満たない文章が79作+短編小説3作が収録されています。
君はありのままでいれるよって、純粋に思えるような、ずっと保存していたいようないろんな瞬間を切り取っています。恋や日常で傷ついたり、頑張りすぎた君を少しでも癒やす言葉を1ページにまとめました。
各章はこんな感じです。
✶叶わなかった恋も無駄なんかじゃない
すれ違った恋の話や、同棲を解消した日の話、ふとしたときにあの時の恋を思い出す話、別れる前の君が優しかった話など
✶傷ついて泣きたい夜に
頑張らないでって言ってもらいたい話、優しい言葉をただかけてもらいたいときの話、つらいときに自分を満たす話など
✶ただ、この恋を永遠にしたかった
君との恋がとまらない理由の話、弱いところを見せてくれる君が好きだって話、その瞬間、君のことが好きになった話など
✶いつか、ありのままの私で
ありのままでいいよって話、他人にあわせすぎて疲れた話、今日の憂鬱にさよならする話など
今、生きている中で、身近なもの、美味しい食べ物がたくさん物語に出てきます。
✶スタバ、Netflix、Spotify、iPhone、LINE、イオン、ローソンなど
✶フラペチーノ、ジンジャーエール、メロンソーダ、ソーダ水、ココア、コーヒー、カスタードプリン、練乳、いちごなど
原作試し読みできます!
小説サイトノベマ!で本の元になった作品、読むことができます!
書籍ver.はこちらから2割程度入っています。まず雰囲気を知りたい方は、こちらで読めます↓
この本の詳細は、こちらの商品詳細ページ(スターツ出版 by ノベマ!)から確認することができます。
こんな人に読んでほしい!
蜃気羊について
X(旧Twitter)で、憂鬱な恋に効く文章を、ほぼ毎日あげています。
小説サイトノベマ!では、ライト文芸寄りの青春恋愛小説を1ヶ月に2~4本アップしています。
23年3月に『それでもあの日、ふたりの恋は永遠だと思ってた(スターツ出版)』に短編小説『君の告白を破り捨てたい』が収録され、小説家デビューしました。
今回の『ありのままの私で恋がしたかった』で初めて単独名義での出版となりました。
本編スタート 本になった経緯
詩集をネットで公開しようという思いつきから始まった
X(旧Twitter)で公開していた詩をまとめた作品を、小説投稿サイトノベマ!で公開しました。
その作品が『君とセンチメンタルを詰め合わせて』になります。
書籍化にあわせて、こちらも本のタイトルに改題しましたが、公開当時は『君とセンチメンタルを詰め合わせて』というタイトルでした。
この作品は23年2月からアップし始めた短めの詩(散文)と、公開と同時に書き下ろした新作30編のポエムを集めた、詩集でした。
ある日の朝、小説サイトに過去作と新作を含めた詩集を公開しようと思いつき、3時間くらいかけて、詩集を作りました。それまで、自分の作品をまとめて詩集にしたことはありませんでした。noteなどで詩集を上げている方がいるのをヒントに自分もweb上で作ってみようと思いつきました。
そもそも、23年2月前までは比較的、長めの詩を公開していました。
以前は、こんな感じの300字程度の長めの詩を上げていました。
23年2月に、もう少し読みやすいほうがいいかもと思いつき、200字に満たない詩も、長めの詩と一緒に投稿し始めました。
『ありのままでいいよ』が一番最初に上げた短い詩です。
さて、そんな短い詩を集めた詩集『君とセンチメンタルを詰め合わせて』に話を戻します。
XでURLを貼ったポストを定期的にアップしていたことで、Xのフォロワーさんが、詩集を読みに来ていただいてました。
それによって、公開して2日で、小説サイトノベマ!の青春・恋愛ランキング7位になりました。
そして、ランキングは日に日に上がり、公開5日目でランキングが2位まで上昇しました。
小説サイトでポエム集がランキング1位になる
そして、公開して1~2週間で、多くの方に読んでいただけました。こんなに反応があるとは思わず、大変驚いていました。
そして、公開から1ヶ月が経とうとしたとき、ノベマ!の青春・恋愛ランキング1位になりました。それを受けて、1作目の短編小説からお世話になっている担当編集者さんに、この作品を拾い上げていただき、出版することになりました。
こうやって作ったよ ✶禁断の制作過程公開✶
厳選とほぼすべての作品を加筆修正
『君とセンチメンタルを詰め合わせて』では、元々、108作の詩が入っていました。しかし、この作品をそのまま書籍化するわけではなく、よりブラッシュアップした作品、テーマ性に沿った作品を作っていこうという話になりました。
編集さんとの打ち合わせなどの、やり取りで3つのテーマに沿うことになりました。そして、詩集から55本が選んでいただきました。管理しやすいようにと、なんと、編集さんは見やすく、3つのテーマに分類分けした、エクセルの表にまとめて返してくれました!(文芸のやり取りしているはずなのに、改稿前まで、この一覧表でやり取りしていました笑)
ただ、1ページ1作品を掲載するとすると、150作必要になることがわかりました。そこで、3つのテーマに沿った95本の詩を新たに書き下ろすことになりました。
そうして約10日くらいで95本の詩を新たに書き下ろしました。
詩の改稿依頼を待つ間に短編小説3編をブラッシュアップ
編集さんに詩を読んでいただいている間、同時収録になる短編小説3作品の修正にとりかかりました。
2作はノベマ!で公開している作品と、もう1作は完全書き下ろし作品です。
こちら2作は、要素が少ない舞台先行の雰囲気小説でした。それぞれ2000字程度加筆しています。
小説3作品の制作過程については、また別の記事でまとめようと思っています。
今回は、小説単体ではなく、詩との温度感などに注意を払いながら進めました。こちらも何度もその温度感をすり合わせつつ、そして、わかりやすさを一番に意識しました。ただ、文体やリズム感はできるだけ蜃気羊っぽさを残しつつ、全体が優しく、穏やかな雰囲気になるように意識しました。
また、一番最後に収録されている、書き下ろし短編作品『失恋は天気予報より正確だ』は函館を舞台にした、この失恋にも意味があったんだと思えるような、甘酸っぱい恋の話になりました。
特に舞台の風景描写には細心の注意をはらいながら、この作品ではしっかり目に書きました。
せっかく、北海道出身で、好きな街を舞台にできる小説を収録できることになったので、函館裏夜景のスポットなど、まだ道民にしか、知られていないディープスポットを舞台にしました。
こうして、小説も書き上げ、3作の短編小説、あわせて2万2千字程度になりました。
掲載するポエムをさらに厳選し、ほぼ全作品、加筆修正へ。
そして、修正を繰り返し、
究極のバランスを追求を求める旅が始まった
小説の改稿を送ったあと、詩の作品の雰囲気について、もう一度、編集さんと話し合いをしました。
こうしたことを話し合った結果、大幅な加筆修正をすることになりました。編集さんからの改稿依頼のコメントは適切だと思いました。
編集さんも詩の編集をするのが初めてとのことでした。
しかし、わかりやすくかつ、ストーリー性があり、いかに作品の雰囲気を残すかということを、本当に真剣に考えていただいた上でのご指摘だったので、本当に素晴らしいバランス感覚であると、驚きました。
そして、編集さんから提案された基準が、小説のいいところと、詩のいいところのいいとこ取りをしていて、とても発明的でした。おそらくこの温度感の作品はまだ、日本の中で存在してないんじゃないかと思えるくらい素晴らしいものでした。
本来、詩や散文は、テーマ性や、リズム感など、読者が文章から感じ取ることが優先されるため、作品や作風によっては、わかりにくいと感じることが多いジャンルかと思います。
なので、詩をジャンルとして、小説で例えると、純文学チックにどうしてもなるかと思いますし、現代詩はテーマ性をもたせた純文学的な作品が掲載される媒体が主戦場です。
哲学などをベースに、ちょっと変わった視点(神視点や、二人称など)や、アフォリズム、自然主義、語感の良さ、レイアウトなどの世界観などに作品の重点が置かれているように思います。
そして、詩でもうひとつ、大事なポイントとして、俳句や短歌と同じように、できるだけ無駄を省略しているところです。最小限の表現で、美的に整った綺麗な文章にメッセージ性をもたせているということです。それらが大切なポイントになっているように思います。(正直、現代詩をしっかり勉強できているかというと、そうではないので、詩とはなにかというのはこの辺でやめておきます)
ただ、頭でわかっていても、このわかりやすさと、作品の世界観の両立がものすごく難しかった!
そして、ここが作者にとって、この本の最大の山場でした。
頭ではわかってるけど難しい!
悩み抜いた末、エンタメ詩が完成
この章は、ちょっとだけ創作論チックになっちゃいますが、一般的な詩の作り方と違う作り方したよってことを伝えたいので、お付き合いいただけたら、嬉しいです。
この作品を例にちょっとだけ、説明したいと思います!
小説のように状況をわかりやすくするには、主語(私、君)が重要になってきます。
詩の雰囲気を強くするならこうなるはずです。
意味をはぶいたまま、いつもの詩の頭で考えたら、この作品はこうなっていたと思います。「私」を抜くことでメッセージ性を広く含ませることができる代わりに、わかりにくくなってる印象かと思います。
また、詩の場合、描写を抽象的にすることで、想像の幅をふくらませることができるというメリットがあります。しかし、その場合、ごく一部の人しか、メッセージが取りにくいというデメリットもあります。
「理想へ無理だってした」
「背伸びを見抜いた」
「前の関係を見ずに」
これらの文に主語と、補足がないため、わかりにくくなっています。
「見抜いた」をタイトルにつけると、どんな話なのかわかってしまう単語のため、ネタバレ感があります。(これは実際に編集さんからご指摘いただきました)
「渚で君の影を無意識に探した」
詩では、最後に舞台を出し、意外性を持たせるという、よくある跳躍ですが、これも、5W1Hの情報をあと出しすることになるため、読者にとって、わかりにくいという印象を持たれる原因になります。
詩と小説の違いは5W1Hの情報量の差とも言える気がします。
小説だと、まずストーリーの冒頭で『いつ、どこで、だれが、なにをしているか』という情報をしっかり出すことで読者がスムーズにどんなストーリーなのかというのを理解できるようにするのが鉄則と言われています。
いっぽう、詩ではそういったことは基本的に自由な印象があります。
蜃気羊は、Xで詩を書き始めた当初から、具体性とオチをつけることは意識ししていました。
最初に風景描写から始め、中間くらいに登場人物の今の気持ち、そして、その気持ちに対して、どう考え、気づきを得たか。
という感じです。
なので、元々、小説のロジックよりの詩を書いていたという感じです。
ただ、それでも、詩的な書き方、飛躍も作風としてはしていると自分では思っています。
今回の書籍用の詩を作るときから、主語をいれることや、舞台を描写すること、突飛な結末など、極力しないように気をつけていました。しかし、それでも、いつものロジックで書いている作品が多く、例に出したような、わかりにくさを作っている箇所がたくさんありました。
つまりエンタメ詩ってなに?
こうして、わかりやすくて、エモーショナルで、キラキラした言葉を並べた切ない詩集ができました。
一番、気をつけたのは、『伝わるか』ってことと、『エモいか』というバランスです。このバランスをとるのが滅茶苦茶、むずかしくて、ものすごく悩みました。
つまり、エンタメ詩とは、すごくわかりやすく、読みやすく、そしてエモい詩のことです。
この5つの要素を満たしているものが、エンタメ詩になるかと思います。
1→2ページ化。文章を増やすことで具体化することができた!
エンタメ詩の5つの要素が、編集さんとのやり取りのあいだで、見えてきたので、さっそくそれを作品に落とし込みました。
参考になる、作品を探そうと、本屋さんや図書館に行き、詩集や、短歌、韓国エッセイや、恋愛エッセイなど、いろんな本にとにかく目を通しましたが、作ろうとしている本と類似作はありませんでした。そして、なにかヒントになるかもと思い、何冊か読みましたが、やっぱり、ピンと来ませんでした。
そして、腹を決めることにしました。
自分で作り上げいくしかないんだ、と。
何日間か、頭を悩ませたあと、作品の直しにとりかかりました。
50~100文字程度で終わっている作品に100~200字程度、とにかく書き足すことにしました。
例を出すと64文字で完結していた作品に188字を足し、252字にしたりしました。
とにかく、情景やエピソード、感情描写を追加して、元の作品から2~5倍程度、要素を追加しました。
そうして、50文字程度で1ページでまとまっていた作品が7割程度、2ページ化していきました。
エンタメ詩を作って、軽く大変だったところをご紹介
自分をこうやって、鼓舞するくらい、コツを掴む前は大変でした。
とにかく、自分用のデータの名前だけでもポジティブにしました(笑)
よく、制限があるとより自由な思考になると言われていますが、詩の場合、制限があると、自由な発想を飛ばすのが急にむずかしくなる印象でした。
それだけ、詩は自由な文芸なので、ルールの中でかつ、作品のバランスを取るのは労力が必要でした。
発想を飛ばしすぎた入り方をすると、作品がわかりにくくなり、抽象的なイメージになってしまいます。また、風景描写の直後や、「~をしていなかったら」などの状況描写のあとに、ふわっとした心理描写「(例)こういう気持ちを抱かなかったのかなって」をすると、抽象的な印象になり、わかりにくい印象になってしまいます。
詩では、心理描写もふわっとした描写にとどめ、読者の想像の幅に任せるという、余白的な部分も重要になるかと思いますが、今回のこの本の場合は、そうした部分を省きました。
実際、編集さんからいただいたご指摘部分は、こうした詩的表現に振りすぎて、わかりにくくなっている部分が多かった印象です。そのつぎに多かったご指摘は、時系列が曖昧な部分、そして、描写が少なすぎる部分でした。
ただ、編集さんから、このあたりの適切なご指摘をいただいたおかげで、詩特有の読みにくさが解消され、本当に読みやすく、200字に満たない文章の中でも、ほとんどの作品で場面をイメージしやすくなりました!
また、小説を書いたり、推敲したりする頭と、詩を描いたり、推敲したりする頭はまるっきり違う部分を使っているように感じました。
なので、小説の原稿、詩の原稿、1週間交代で、交互に作業をしていましたが、頭が切り替えがちょっと、難しかったです。
小説の推敲では、筋が通っているか、誤字脱字チェック、ストーリーや舞台装置に矛盾がないかなどを考える面(ロジカル)、文のリズムや雰囲気の調整を考える面(ラテラル)の2つをバランスよく使いこなす感じだと思います。
一方、詩の場合、リズム感や雰囲気の調整に考えを全振りするのと、飛躍させる発想させる面、それらをバランスよく調整する力も必要になります。
両方とも、文章を書いていることには変わりはなく、左脳に負担がかかる作業かと思います。しかし、詩を書いているときは、右脳にも負担がかかっているようなイメージです。(根拠とか、調べてないから、そんなのはよくわからないから、実感的な話です)
実例として、それぞれ作業を終えて、疲れ方が違う感じでした。
小説は、あー、力仕事したなぁって、頭が疲れているはずなのに身体が疲れている感じで、詩は、あー、頭が疲れて、とにかく眠いなぁって、ずっと話続けていることをしたあとみたいな感じでした。
タイトルは出版社内のアンケートで決まりました!
編集さんと、蜃気羊、原稿のやり取りの間に、お互いにタイトル案を出しては、悩みを何度か繰り返していました。
おそらく、このやり取りの中でタイトル案70くらいは消えていったかと思います。
そこで編集さんがタイトルを数案に絞って、社内でアンケートを流していただきました。そして人気が高かった3案が出揃いました。
その結果を参考にして、最終的に『ありのままの私で恋がしたかった』になりました。(再校いただいたタイミングだったので、けっこう校了寸前まで決まってませんでした)
ポエムの初校、再校のタイミングになっても、編集さんと二人三脚でバランス調整をする。
本当に、校了日ギリギリまで作品の調整をしていました。
本来、初校や再校(念校)は、最終チェックの意味合いが強く、他の作家さんの例を調べてみると、初校までは大きく変わることがあるみたいです。大体、念校くらいでやり取りが終わるみたいですが、今作は、三校(念々校)、四校(念々々校)までやり取りが続きました。
――君の前前前世なみの君の念念念校。
作家としては、本当はバシッと、決めなければいけないところですが、この作品についてはギリギリまで編集さんと入念に調整をしました。(編集さんはじめ、各方面にご迷惑かかる可能性があるので、あまりいいことではないかもしれませんが)
三校のタイミングで、もう一度、編集さんと話し合い、詩の長さを1ページに収めるものを増やし、より読みやすくする方向となりました。
詩の順番を調整する中で、2ページまたぎの作品が多く、本来設定したコンセプトとイメージが離れてしまう恐れがあったためです。
そのため、要素を増やした作品を要素を減らす作業を行いました。
1ページでも十分、伝わる作品は、本来のシンプルさに戻し、2ページの作品もより、磨きをかけて、わかりやすく、シンプルに文を磨きました。
そして、最高レベルの詩の並び(打順)を編集さんが作りあげました。
編集さんがセレクトした詩の並びが馴染みやすい!
そもそも、詩の並びはどうやって固めていったかというのをまとめました。工程としてはこんな感じです。
本当に、最後の方まで詩の並びについても練りに練って、ものすごくベストな形になりました。おそらく、これ以上のベストは存在しないんじゃないかってくらい、きれいな並びになりました!
並びについては、作者のほうにバイアスがかかってしまっていると思いました。僕の場合、似たような作品を寄せて、作品のまとまりを作っていたのと、各章をどのような雰囲気で始め、どのような雰囲気で終わるのかという点を重視して、作品を並べていました。
しかし、最初にも書いた通りで、これはやっぱり作者のバイアスだったなと思いました。美しさやインパクトの方に重点を置いていたということになります。
一方、編集さんの視点は読みやすさに重きを置き、一貫性がありました。
体感的な話になりますが、すっと離陸して、すっと着陸するような、優しく始まり、優しく終わるようなイメージです。
各章とも、バランスが絶妙で、振動が少ないような素敵な並びになっています!
そのあたりは実際に読んでいただいて、体感してもらえると嬉しいです。
そして、完成。最高の本になりました。
結局、ジャンルはわからないけど、詩集じゃないことは確か
ここまで「詩」と言ってきましたが、正直、完成した今、これが詩なのかというのは、よくわかっていません。(エンタメ詩と勝手に名付けてはいますが)しかし、散文でもない気がしますし、短文エッセイぽい雰囲気で書かれていますが、フィクションです。
また、140字小説というわけでもありません。
3編収録されている短編小説は、小説だと思いますが、メインの79作の短文については、なんて呼べばいいんだろうと、まだ自分の中でもわかっていません。
ただ、短文のこういう形でも、商業になるよって証明になればいいなとは思っています。
詩や短歌を書かれている方の商業出版のハードルはとても高いことは重々承知しています。(基本的に詩、短歌の雑誌に1年間投稿を続け、年間賞を取らなければ商業出版に結びつかないという世界です)
なので、新たなロールモデルとして、多くの方の突破口を開く意味で、今後も活動を続けることが出来たらと考えています。
なので、微々たるものですが、こちらを参考にして、エンタメ小説の要素と詩の要素をあわせた新たなジャンル(エンタメ詩)を一緒に作ってく同士が増えてくれたらと願っています。
ひとりじゃできなかったクオリティ
ここまで頂いた方には、伝わっているかと思いますが、この本は編集さんの力がなければ、このような形になっていなかったということです。
諸事情により、奥付にクレジットできなかったのが、本当に悔やまれます。
奥付に編集さんのお名前をクレジットしていただきたかったくらい、編集さんと二人三脚で作り上げた作品になっています。
編集さんの視点がなければ、もう少し固めの読みにくい詩集になっていたかと思います。エッセイと文芸(詩)の中間のいいとこ取りのジャンルの発明者かとも思っています。
膨大な作品数からのセレクト、そして、何度も考え抜かれた素晴らしい並び、この編集さんでなければ、成立していなかった作品だと思います。
編集さん、ご尽力いただき、ありがとうございました!
そして、イラストレーターの柳すえさん、デザイナーさん、作品の世界観を完成させる素敵な雰囲気にしていただきありがとうございました!
この本に関わったすべての人に大変、感謝しています。
ありがとうございました!
そして、活動を日々、応援していただいている皆さんのおかげです。
いつもありがとうございます!
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