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【ミカタをつくる広報の力学】 #11 人事部門と広報は二人三脚

今回は久々に、社内でミカタをつくる話に戻って、人事部門のことを書きたいと思います。

もともと人事部門と広報は業務連携も多く、すでにミカタ同士になっている会社も多いのではないでしょうか。今回は比較的連携が多い、労務以外の人事について言及します。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


人事の仕事について

人事部門の業務は、労務以外には大きく分けて①採用、②教育、③配置、④評価の4つ。

企業の中で「ヒト」を扱う部門です。

①採用:新卒や中途で外部から従業員を採用する業務。
②教育:新入社員をはじめ、全従業員に対する研修等の教育を施す業務。
③配置:従業員に対する所属部門への配置や異動に関する業務。
④評価:従業員の業績や適性を評価する業務。

この中で「採用」と「教育」の2つは、広報と密接な関係にあります。

最近では、従業員と社会へのブランドPRは同じ部門で行うべきだという考え方から、「人事広報部」というセクションも誕生しつつあるようです。

確かに、「全社員が広報パーソンであるべき」というような最近の風潮を考えると、この方が効率的な気もします。


採用広報でタッグを組む

かつての人事部門で行われていた採用活動といえば、大学のキャリアセンター(就職課)に求人票の提出、求人媒体への広告出稿、就活イベントへの出展といった業務がメイン。

ところがインターネットが普及してからは、就活生向けに専用サイトを作ったり、SNSでのコミュニケーションを展開したりと、現在のPR活動に近くなってきました。こうなってくると完全に広報部門の出番のような気がします。

しかも近年の就活生は給与等の待遇よりも、労働環境や働き甲斐、社会貢献度の方を重視する人も増えているので、採用広報においても、ガバナンスやブランディングを中心にアピールするケースが増えています。

人事部門では、採用基準や組織運営、部門職掌など、「ルール」として管理できるものについては会議を重ねていますが、ブランディングなどの「イメージ」については議論する機会も少ないので、広報部門の協力が必要なシーンはたくさんあると思います。

人事部門とタッグを組むと大学へのパイプが作れる可能性があるので、積極的な活動をお勧めします。

大学には学者と学生がいますが、学者先生はニュースソースの価値を上げるためのエビデンスとして、学生は情報拡散のためのインフルエンサーとして協力してもらえる可能性があるので、私も人事部門には積極的にアプローチしていました。


社内研修こそ広報の出番

しかしながら、最も重要視されているのは広報部門による社内研修だと思います。

バイトテロや情報漏洩など、SNSを利用する従業員のネットリテラシーの低さが問題視され、危機管理の観点から広報担当者による情報リテラシー教育が増えているのです。

実際に私も、企業や団体から、炎上対策や危機管理教育についての相談を受けることが度々あります。

従業員の教育はコーポレートガバナンスとも密接に結びついており、下手をすると企業価値を損ねる危険性があるので、全てのステークホルダーから、今後ますます注目される重要項目だと考えられます。

広報にとっても、謝罪会見などということにならないためにも、社員研修は日々入念に実施しておく必要がありそうです。

また危機管理の側面だけでなく、新聞の読み方やトレンドの把握など、広報ならではの知識が社内全体のスキルアップにも繋がりますので、様々な研修プランを人事部門に提案してみると良いのではないでしょうか。


おわりに

上記の他に、規模の大きい企業になると役員人事の新聞発表などに伴い、広報戦略に様々な影響が出ることがあります。
組織体とは結局「ヒトの集まり」なので、社員や役員の「動き」は良くも悪くもニュースソースになりがちなのです。

火消しをする羽目にならずに、事前に危機回避できる状態をつくるためには、日頃から各部門と連絡を取って、適切なアドバイスと情報収集をしておくことが最善策のようです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。



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