霜月かつろう

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  • 【エッセイ】自転車日本一周記

    筆者自身が昔、自転車で日本一周したときのことを記憶を掘り出しながらまとめていく連載をまとめたもの。 全24回で連載終了しました。 お付き合いありがとうございました。

最近の記事

カタリナの手記(かけら)【新刊】in 文学フリマ東京38

なんとか新刊出せそうです毎回恒例ですが、どうして時間はあるはずなのにいっつもギリギリにならなないと入稿できないのでしょうか? 突然ですが。霜月です。久しぶりの投稿。どんな文体で書いてたのかも思い出せません。 例によって文学フリマの話です。お付き合いいただければと思います。 新作はファンタジーまずは新作の紹介を 『カタリナの手記(かけら) 大樹の巫女とカタリナの花』 が新作の題名となります! 書きたかったのはボーイミーツガールと世界樹。 世界樹って好きなんですよね。象徴

    • 文学フリマ東京37の入稿完了報告!

      お久しぶりです! 久しぶりの更新となります。日本一周エッセイが書き終わってから書くこともなく更新止まっていました。 と言うのも文学フリマ東京へ向けてひたすらに書き続けていた。というのが大きいです。 それが更新していると言う事は? そうです。入稿が完了しました! 個人的な話ですが、仕事を辞めてゆっくりとした時間を過ごせているのもあり、一番時間のかけた入稿となりました。 編集の見直し、推敲、誤字脱字。散々確認しましたが、それでもまだ残っているのではないかと不安で仕方ないです。

      • 【小説を書く練習のためにしたこと】二年間続いた毎日三題噺。

        初めましてのひとは初めまして。いつも読んでいただいている方はありがとうございます。 小説を書いていると、感じる実力不足。それを少しでも軽減したくて始めた練習法。三題噺についての記事です。 個人的には効果抜群だったやり方ですので、やったことや意識したこと、所感などを書いていこうと思います。 著者が書き続けたものはカクヨムで公開しています。 よければこちらも読んでみてください。 はじめに三題噺というのはもともと落語の演目のひとつ。客席から3つの単語をもらい、それで即興で演じる

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        割引あり
        • 【エッセイ】自転車日本一周記23

          終わった後の話 翌日には自転車を買ったお店に駆け込んで修理を依頼。同時に旅の話で盛り上がった。それから10日後。ほぼ元通りの姿になって帰ってきた自転車は今の手元にいるが、フレームとハンドル以外は全部取り替えた。 外したパーツの消耗具合があまりにもひどかったので、記念に取っておいてったりもする。でもきっといつかは捨ててしまう。そういうものだ。 結局、日本一周で何を得て、何を失ったのか。未だに分かりはしない。でも、間違いなくやらなかったら出来なかったことをやったという感覚。

        カタリナの手記(かけら)【新刊】in 文学フリマ東京38

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        • 【エッセイ】自転車日本一周記
          24本

        記事

          【エッセイ】自転車日本一周記22

          東海地方は知り合いだらけ? そしてそこから先は知り合いのオンパレード。日本一周をしてきた。その報告を三重、愛知、静岡と連続で行うことにある。ほとんどが大学の頃の先輩、後輩、同期だ。彼らと久しぶりの再会を楽しみながら、旅の思い出、過去の思い出を語り合った。内容はちっとも覚えていない。大したことじゃないんだろう。でもその大したことがない話っていうのが大事なんだとも思うよ。 そして、忘れちゃいけないが、愛知県に滞在中に岐阜県へ訪れている。するとだ。あとは、静岡県が最後の県となる

          【エッセイ】自転車日本一周記22

          【エッセイ】自転車日本一周記21

          半島はやっぱり大変? 和歌山県から三重県までぐるりと紀伊半島の海岸線を進んだ。そこは日本の端とまではいかないけれど、それなりに人の気配がない。店もなければ寝る場所も苦労する。 それでも順調に進めたのはこれまでの経験が積み重なっていたからだろう。 伊勢神宮はちょっとゆっくりした。修学旅行の学生があれって日本一周かな。俺もやってみたい。みたいな声を聞いて。おう。やれ。きっと楽しいぞ。遠くから思った。流石に近づいたら不審者だから止めた。 そしてこのころから本格的に夏が顔を出し

          【エッセイ】自転車日本一周記21

          【エッセイ】自転車日本一周記20

          都会の道はつまらない? しまなみ海道を通って広島県は尾道に到着してすぐにケータイショップへ駆け込み代替え機を入手。壊れた本体は修理へと出した。結果写真の殆どがここでも消えたことになる。 そして進路は東へ。福山市を通って岡山、姫路、神戸を経て大阪に初突入。道中はほんとになにごともなく順調に進んだ。 都会の街並みは確かにそれはそれの良さがあるのだけれど、変わらない景色というものは退屈であった。 大阪は都会過ぎて寝ること諦めてそのまま奈良県へ向かうことに決めた。なんだか嫌な予

          【エッセイ】自転車日本一周記20

          【エッセイ】自転車日本一周記19

          四国上陸 四国初上陸は愛媛県だ。フェリーで到着したのは八幡浜。県庁所在地である松山を目指すことはしないで南下を目指した。 海岸線沿いを通り、高知県へ向かった。 四国上陸も、そこはいまだに梅雨。 晴れ間もあったけれど、雨の日が相変わらず多い日が続いた。暇があれば洗濯をすることを欠かさなかったがそれでもずっと雨の中を漕ぎ続けているのだ。否が応でも臭いは気になる。 だから、なるべく店に寄ることを避けた。長居はもちろんしなかった。 高知県の途中でようやく晴れが多くなっていった。

          【エッセイ】自転車日本一周記19

          【エッセイ】自転車日本一周記18

          梅雨入りの本州 鹿児島。いや本州は梅雨入りだった。毎日のように雨に振られ続けたし、上がったところで太陽が見えることはなかった。坂を登れば道路は川のように流れているし。寝る場所も困る。小さな屋根だと雨が入り込んでくるし、足元がびしょびしょなのは気分が良くない。それが何日にも渡って続くのだ。 その影響があったからなのか分からないが。まずはリュックが壊れた。背負い続けていた紐がちぎれたのだ。リュック自体が水を吸って重くなったもあるだろうし、日々、水を確保して入れていたのもあった。

          【エッセイ】自転車日本一周記18

          【エッセイ】自転車日本一周記17

          最南端到着! 鹿児島に戻ってきた。早速目指したのは本土最南端の佐多岬。 そへたどり着けば本土の端っこにすべて到達できる。そのワクワク感はあった。それと、もうすぐ終わりを迎えるのだという気持ちにもなっていく。 桜島から立ち上る煙と道路に灰が落ちているのを見ながら。町からどんどんと人の気配がない所へと向かっていく。佐多岬までの距離が近づけば近づくほどお店もなく、コンビニすら見当たらなくなっていく。その感覚は北海道と似ていた。端っこはどこだって人が少なくなる。 しかし、佐多岬には

          【エッセイ】自転車日本一周記17

          【エッセイ】自転車日本一周記16

          沖縄上陸! 沖縄上陸の前にだ。フェリーの中の話をしよう。片道24時間の船旅だ。そして時間を潰す方法は限られている。とりあえず甲板に出てジャグリングの練習をした。揺れるし、落としたら帰ってくるはずはないのでそれも怖かった。そして暗くなるのも早かったから早々に中に戻った。あっという間に本島は見えなくなったし他に人も甲板にはいなかった。 旅人は自分を含めて3人。バイクのちょっと年上のお兄さんと、自転車のおじいさん。おじいさんはなんだか距離を取られて会話も禄にしなかっった。お兄さ

          【エッセイ】自転車日本一周記16

          【エッセイ】自転車日本一周記15

          長崎から熊本、鹿児島、そして沖縄へ 最西端から一日かけて長崎市へ行く間に決意したことがある。それが沖縄への渡航だ。フェリーをつかって約24時間。ゆっくり船旅を楽しめればそれはいいだろうけど、逆に言えば24時間船の上にいることになる。これまでのペースを考えれば町を2、3個進むことが出来る。行った先も島。それも2日あれば一周できてしまう距離。そこから更に島へ渡ろうと思えば手段は飛行機しかない。 どこまで行き、どこまで旅するか散々悩んだ。結果、沖縄本島は行くことにしたのだ。フェリ

          【エッセイ】自転車日本一周記15

          【エッセイ】自転車日本一周記14

          本土を再び離れ九州へ広島からは山口を通って福岡へ向かうだけ。 だけって言うけど、道のりは楽ではないし、毎日クタクタになっていた。 でも大きなトラブルも出会いもなかったな。毎日のようにだれかと会話はするし、どこ行くの? みたいな話しかけられ方はよくあった。だからといって泊まる泊まらないまではいかないし、食事をごちそうになることもなかった。 気楽な一人旅はそうやって続ていく。 とはいえ福岡は天神ではジャグリングサークルに顔を出し。一緒に練習をした。みたこともない芸に驚き、のちに

          【エッセイ】自転車日本一周記14

          【エッセイ】自転車日本一周記13

          現実逃避とは物語への没入 京都を出立してからしばらくは思い出しては忘れようとするを繰り返していた。京都を出たら兵庫、鳥取、島根だ。 兵庫は通り過ぎただけ。というわけで、鳥取砂丘。 朝早いこともあって人はまばら。ちょっと歩いただけなのに靴の中は砂まみれになった。梨がその辺りで売っているのを見て地元を思い出した。フルーツをそのあたりで売っているのは名産地ならではだ。 実のところこのあたりも順調で、特別なことは何も起きなかった。朝起きて、自転車を漕いで。暗くなったら寝て。その繰

          【エッセイ】自転車日本一周記13

          【エッセイ】自転車日本一周記12

          好奇心? 油断? いや、このエッセイを書くために体験しに行ったこと 京都は舞浜市。入ってすぐの昼すぎのことだ。福井の友人と話して気分は盛り上がっていたし、やはり人とじっくり話すのはいいものだと感じていた。 そんな折。軽トラックからクラクションを鳴らされ驚いてそちらを見るとおじさんが声を掛けてきた。 旅の人かい。よかったら面倒を見させてくれないかと。 近くの駐車場に止められ。そう話を切り出された。 その強引さに流石に一歩引いた。自分の力だけで進みたいからその軽トラックに乗りた

          【エッセイ】自転車日本一周記12

          【エッセイ】自転車日本一周記11

          順調と言うなの慣れ 長野を北上して日本海、そこから富山、石川、福井と走ることになるのだが、特段面白いことは起こらなかった。トラブルもだ。 ようは慣れてきたんだ。日本一周というやつに。 すると何が起こるのかというと人は歌い出すらしい。少なくとも自分はそうだった。 何事もない道。ただひたすらに漕ぐだけの日々。考えることはこの先の人生についてだけ。そしてそれは考えても埒が明かない問題。そういうのを吹き飛ばすためなのか。どうなのか。 確か最初に歌い始めたのは北海道だ。これは誰もい

          【エッセイ】自転車日本一周記11