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看取り~介護と死別を通して得られた家族の絆とは~(9)

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6月1日(火)
心なしか元気がなさそう。引っ越しの連帯保証人を見つけるのが大変なので、信用保証会社を利用しようという話になった。夜眠れないといったので僕の睡眠薬を渡したら、夜中トイレにいくときふらついていた。もう絶対そんなことしてはダメ!
 
6月2日(水)
朝声がかすれていたので心配。午後半休をもらって病院に行った。だいぶ待たされたようでつかれてしまったようだ。5時過ぎまでかかったので、電車が混むといけないのでタクシーで帰った。
 
6月4日(金)
どういう訳か目が悪くなったようで、とても心配していた。タウンページで眼科を探して今度いっしょに行こうと話し合った。
 
6月6日(日)
一緒に散歩。安田記念は外した!ごま豆腐を食べた。けんちん汁に白身魚を入れてみたら、少し食べた。
 
6月7日(月)
一緒にテレビタックルを観た。菅総理誕生のテーマだったが、政治好きなお父さんには面白い展開のようだ。目の調子は少し良くなったようで、目医者にいくのはしばらくいいと言っていた。ちょっと安心。
 
6月9日(水)
図書館に散歩に行ったそうだが休みだったのでスーパーに行ったと言っていた。
 
6月11日(金)
僕はとにかく、このころ良く泣いた。一人でいるときや通勤のときなど。ただ人前でなくのは恥ずかしかったのだけれども、昼にお父さんに電話をしたらとてもつらそうだったので、無力感にさいまなされ、職場の自席でいきなり泣き出してしまった。前にすわっていたSさんが驚いて、「下河さんどうしたの?」と声をかけてきた。上司も心配して声をかけてきた。いや、みっともないところを人前でみせてしまったな。お父さんの方はというと、ヘルパーさんにたのんでうどんをつくってもらって少し食べた。食欲が少しもどってきたかも。
 
6月12日(土)
食欲がない。昼は野菜ジュースだけだった。一緒に散歩に行った。いつもより少し多めに歩いた。競馬新聞を買った。
 
6月13日(日)
競馬で当たって、4000円くらい利益が出た。散歩に行くと夕方スーパーの前で特売をしていたが、ほとんど終わっていたので何も買わなかった。夜はうどんを食べた。
 
6月14日(月)
食欲がちょっとなさそうで、「食欲が戻るには半年くらいかかるのかな」と言っていた。僕は「そうかもね」というのが精一杯だった。
 
6月15日(火)
僕は宿直勤務。朝はサッカーで日本がカメルーン勝ったと喜んでいた。昼と18時ころに電話した。信用金庫で年金の基調をして、スーパーで野菜ジュースを買ってきたと言っていた。
 
6月16日(水)
夜勤明け。胃ろうのチューブがつまてしまいO先生にチューブをかえていただいた。3か月くらいで交換するのだろうか?お父さんは死ぬかもしれないと思ったそうだ。無事にチューブをかえていただいて、夕方から胃ろうを開始したが、いつもより早いペースでしたらひどい下痢をしてしまった。
 
6月17日(木)
昨日の失敗があるので、いつもよりゆっくり目のペースで胃ろうをした。終わってからちょっと散歩をしたようだ。途中で引っ越し屋さんとあって名刺をもらってきた。引っ越しが楽しみのようだ。
 
6月18日(金)
今日はいつものペースで胃ろうをした。下痢はもう大丈夫。でも元気がなかった。調子は悪そう。
 
6月19日(土)
今日も辛そう。引っ越し関係の書類一式を郵送したので、お父さんは少し安心したようだ。作っておいた料理はほとんで手を付けてない。散歩もいかなかったが、自転車にのってスーパーに行き卵豆腐とカットしたスイカを買ってきた。

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