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今も同じところで笑っているきみへ

正直に言うよ


君の事が好きだ

本当は、君の事が好きだ

今でも、ね

そう、
今でも 君に会いたい

君の話を聞きたい
君に、僕の話を聞いてほしい


君の考えていることを知りたいし、
僕の思っていることを
君に知ってもらいたい

君がキャンバスに描いた絵を見たい

君と僕が好きなものを
夜が明けるまで語りたい

あの歌を一緒に歌いたい



僕が今いる処を
君は知ってるかい?


もしかしたら、
気がついてるかもしれないね


君からすれば
僕は裏切者で

彼らからすれば
僕はスパイみたいなものさ


だからね、
本当は、居心地が悪くて悪くて


誰も悪くなんてないよ

君も悪くない
彼らも悪くない

価値観の違いってやつさ


悪者を作るとしたら
正体を隠している僕なんだろうね



彼らの中にいればいるほど
君の愛が恋しくなる

それなのに、

君から離れたのはね

僕がいたら、君のためにならない

もっと素直に言いたいことを

本当のことを

たぶん、君は僕に遠慮をして

黙ってしまうだろうし

僕の言葉は 僕の主張は
時には刃のように皆を傷つける

僕が声を張り上げるのは
誰もいないところで
その方がいいって思ったからさ

それに、
唯一、好きじゃないのが
君の愛し方

そんな愛し方をされるのが
僕には無理だった

難しいものだよね

君と僕は、
愛という思いと熱量は
最高の相性なのに
愛し方が違うから

そのズレは、半端ない破壊力を伴う地雷にしかならないんだ

だから、ね

僕は、君から離れたんだ


今の僕は、
彼らが振り回す無邪気な凶器を
目を伏せてかわしながら、
紙一重で反逆者になる要素を
ひた隠しにしなきゃならない

それで、楽しいか?

楽しいわけがないだろう?


居場所、か


居場所がないなら作ればいい

誰かがそんなことを言っていた


僕にみたいな、
化石みたいに古くさく愛することしか
知ることのない僕は、
それこそアングラな地の底でひっそりと生きるしかないのかもしれないね

心地よい風に吹かれて漂うのが
最高とされる時代の、真逆さ


でもね、
そこで僕なりの想いを貫けば
もしかしたら一攫千金の価値が出るかもしれない

時間をかければ
石炭だって、美しい地層だって、
水が岩を削る風景だって 
できるものだろ
違う?


ここで僕は

地道に踏み固めて行くように
愛を語りながら
たまに魂となって風に乗り彷徨う

そして、皆を眺めて、声を聴く

満足したらまた静かな地の底へ潜って
魂を休める

そんな生き方が
僕には合っているのかもしれない


うん、
こうして君へ手紙を書いていたら
少しは落ち着いたよ


淋しいわけじゃない

大丈夫だよ


君たちの傍観者でいながら
僕は僕だけの道の冒険者になる


そうだね、知ってる

僕の冒険を見てくれようとしている
君がいることを

ありがとう

僕のことは忘れろと言ったのに
僕を忘れないでいてくれて


君に負けないように
僕も 進んでいかなきゃね

じゃ、
いつかまた どこかで





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