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宇宙よりも遠い場所〜女子高生だった私達へ

子供の頃からあまりアニメを観てきませんでした。観てきたものはONE PIECEやNARUTO、鋼の錬金術師等、戦い物ばかり。でも最近ヴァイオレット・エヴァーガーデンを観てあまりに感動し、アニメの先入観を捨て新たなものに挑戦しようと思い始めていた矢先、自宅療養になり、昨日・今日で「宇宙よりも遠い場所」を観ました。

私は女子高生の3年間をあまりに雑に過ごしました。嫌なものは嫌だと全力で拒否しそこから逃げて、楽しいことだけを望み、お世辞にも良い交友関係とは言えない繋がりばかりでした。勉強もなんとなく怒られない程度を目指し、生意気なくらい「そつがない」、そんな部分だけ鍛えてしまいました。何も学生時代に頑張ったことがないんです。

振り返ると同じ高校の友達と言える同性の友達は3人。そして彼女達とも本音でぶつかる事を避けて過ごしました。ただその時心地よくて、その心地よさを無くさないように。それを苦痛に思ったことはないし、面倒とも感じたことはないけれど、初めてこういう青春アニメ、「女の子の友情」を目にして、もう少し正直にぶつかっていればな、とふとそんなふうに思ったのです。見ていて少し恥ずかしくなるような記憶に残る事を、もっと一緒に経験しておけばよかったのにな、なんて。

同性の友達が極端に少ない私は、どこか開き直って生きてきてしまったな、と。「これが私だから」を無理に主張し、いつも気だるげで来る者拒まずさる去る者は一歩も追わず。本当は欲しかったはずなのに、自分でつながりを作る努力は何一つしたことがありません。それは今この歳になっても。

確かに、女子高生が南極へ行く、そこまでの道のりがアニメ13話の中では急展開な部分がありましたが、自分の学生時代を否が応でも思い出させられ、少しの後悔と憧憬と、今からでもそんな存在が多く作れたら、とそんな淡い期待を持たせてくれる、素敵なお話でした。

そして、卒業してもいつでも会える、とあの時信じてやまなかったけど、大人になるとそうでもないということを知りました。私たちの誰かが結婚して子供が産まれるとなれば尚の事。あの雑に過ごした3年間でも私の青春でした。

その時間を共に過ごしてくれた、今でも友達でいてくれる変わり者の3人の友達に無性に会いたくなり、今度こそ本音で話をして、大きな恥ずかしさは多分今更できないけれど、記憶に残ることを一緒にしてみようかなと力をくれるような、繰り返しになりますが素敵なお話でした。



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