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失恋と美容室



ついに髪を切った。





何がきっかけだったのか覚えていないが、旅行前に髪を切りに行くことで身も心も軽くし、空いた容量でプラスを吸収する。「新たな自分」で東京を立ち「さらに新鮮な気持ち」で東京に帰ってくる事が出来ると感じた。



私にとって、旅行と美容室は同じ場所にあり、だから前回の美容室から四ヶ月が経過していた。


そして

2泊3日、今の場所から旅立つために。

目的は札幌ドーム巨人戦


今日髪を切りました。✂️


〜〜〜



髪を切るタイミングは各々だ。


□ 伸びすぎて手に終えないから
□ デート前だから
□ おしゃれ·好奇心
□ リフレッシュ   堂々



その中で私は「失恋したから」という理由が好きだ。それは心の動きを大きく感じるからだ。

実際にその理由で髪を切ったことはないし、周囲の友人にもその経験を持つ者はいない。あまりに出逢わなすぎてなんだか、一種の都市伝説的な雰囲気を醸し出している。



それでももし、本当に失恋で髪を切る人がいるのなら、何て純粋で美しいのだろう、と羨ましくも感じる。



たとえば、「恋人がロングヘアが好きで一生懸命伸ばしてました。」とか、「恋人のことを忘れたくて」とか。そんなことを真顔で言われたらあまりに無垢で安易に触れてはダメなもののように感じてしまう。



まず私なら、
「恋人がロングヘア好きでもショートヘア好きでも、そんなこと知ったこっちゃ」の世界で、いちいち変えるのが面倒・お金もかかるしな~と思ってしまうタイプ。寧ろこんな私を好きになってくれる人がいい。


私なら、
髪を切って恋人を忘れることなんて出来ない」と冷静に理性で物事を捉え、せっかく伸ばしたのに失恋で切ってたまるか、という結論に至るタイプ。同じくこんな私を好きになってくれる人がいい。
 



こんな私だから、あまりに真逆な心に触れるのはとても怖い。意識しても余計なことを口走ってしまいそうで。


そしてその反面、とても羨ましくなる。

そんなに素敵な恋をしたこと、素敵な恋人に出逢ったこと、そして真っ直ぐに恋と向き合えたこと。




私は兎に角ひねくれていて、


誤、「ひねくれている」というより理性的すぎて感情で動くことはまずない。だから夢中になる前にストッパーを何個もかけて、ガチガチの鍵を1つずつ開けて人と向き合う。



あまりよろしくないと分かりつつも、信用するのに相当時間がかかる。用心深いと言えば聞こえはいいが、疑り深いのだ。



それは自己防衛であり自己防衛しかない。



だから、真っ直ぐ何かに飛び込める人が綺麗で羨ましいのだ。そんな風に人に寄りかかれればいいのに、と切望の眼差しだ。


~~~


私の髪を切る理由は美しいものでなく、趣味ありきの習慣でしかないのだが。そもそも髪を切るタイミングに正解不正解はない。


だから今日4ヶ月ぶりに頭が軽くなった自分にとても満足している。ここから私の旅の準備が始まるのだ。



ただ、少し可愛げや色気のある理由はもほしいなとも思う。

だから、次失恋した時、髪を切ろうかな~なんて。


まぁそんな予定も相手もいないのですが、、。



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