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「正しさとは何か」〜愛あるコミュニティを作る鍵にも思えるお話〜

こんばんは。すっかり朝になっていますが、気にせず書いてゆきたいと思います。
(noteを1ヶ月毎日更新するチャレンジ中なのです)

先日、好きなことはスキューバダイビング!という記事を書いたのですが、

ダイビングを始める前は何に熱中していたかというと、中高6年間、軟式テニスに青春を捧げていました。
(あの、ボールがふよふよで、白くて、バックハンドを打つときは同じ面でしか打てない、あれです)

5時台に家を出て朝練、早弁して昼練、夕方の練習後も残って自主練、練習がない日はペアの子と一緒に自作した(?)トレーニング。

毎日毎日テニスのことばかり考え、全身真っ黒になっていました。

そんな軟式テニス部で6年間一緒だった友人(ハナ・仮名)のある言葉が、いまだに節目節目で蘇ってくるくらい私に影響を与えています。

ちょうど今日もその言葉を思い出したので、ご紹介したいと思います。

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今や母校はインターハイ常連の強豪校になっていますが、私が所属していた頃はそこまで強くなく、顧問はテニス未経験、コーチもおらず、「先輩が後輩に教える」というスタイルでみんな初心者未経験からテニスを習得していました。

中1から高3まで総勢100人規模の大所帯。テニスコートはぎゅうぎゅう。もはや大人と子供が入り混じっている状態です。

するとどんなことが起きるかというと、先輩は頑張って後輩に教えようとするのですが、どうしても人によって教え方にムラが出てくるんですね。

「あの先輩はこうしろって言ったのに、この先輩には違うことを言われた」とか、日常茶飯事でした。
代替わりで幹部が変われば、育成方針や練習メニューがガラリと変わることも。

みんななんとなく自分に合うアドバイスを抽出しながら技術を習得していったわけですが、私たちが高3のとき、ある事件が起こります。

練習後全員でのミーティングの場で、中学生の後輩が苛立った様子でこんなことを言いました。

「先輩によって全然アドバイスが違って、何が正しいのかわかりません。」

一瞬、場の空気が凍りました。
100人もいるのに、みんな下を向いて、シーンとなって。

みんな、「確かにな〜」と言う気持ちはあったのだと思います。きっと誰もが少なくとも一度は困って、考えたことだから。

どうしよう、と思ったとき、普段はあまりきついことを言わないハナが、ピシッとこう言いました。

「それは、みんな正しいよ。」


キョトンとする後輩の男の子。

ハナはこう続けます。

「先輩たちは、後輩のことを真剣に考えて、それぞれ何がためになるのか考えてアドバイスしてる。

だから仮に、ある先輩から言われたことと他の先輩から言われたことが全く反対でも、それはどちらかが間違ってるなんてことにはならないよ。

それぞれの先輩が自分の経験の中から一番いいと思うアドバイスをしてくれていて、その愛情や思いやりは正しさで測れないことだから。

自分の中で咀嚼して何を身につけてゆくか決めればいい。
そういう部内の思いやりを大切にしたいと思うよ。」


もう、泣きそうになりました。感動して。

私たちはみんなプロじゃないし、もしかしたら間違ったことを教えていることもあるかもしれない。
でも、そんな怖さを抱えながらも、上手になって欲しいと願って真剣に考えてアドバイスしている。そんな気持ちを大切にしようよ、と。

下手くそな先輩からのアドバイスは聞かなくていいや、と後輩が思うことを許すような冷たい場所にはしたくないと。

その言葉を聞いた後輩は、最初は驚いた様子でしたが理解したようで、素直に「わかりました」と言って引き下がりました。

そんな言葉をくれたハナにはとっても感謝しているし、本当に心から尊敬しています。

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こんな考え方をする人が増えれば、そのコミュニティはもっと優しく、結束が強い場所になると思うのです。

思えば強い硬式テニス部もあるのになぜ軟式テニス部に入ったのかというと、軟式テニス部の方がみんなでワイワイやっていて、先輩後輩仲が良くて、楽しそうだったから。それだけでした。
強いから硬式テニス部に入ろう、とかは全く思わなかった。

私は6年間の部活生活の中で、テニスの技術だけでなく、こんな考え方も学んだな、と思うのです。(中1の自分の決断を褒めたい)

今もこういう場面ってよくあると思うんですよ。
会社の先輩後輩、親子、オンラインサロンの仲間同士。

プロじゃない人の言うことは聞かないなんて言ったら、誰も相手に教えられなくなるし、そんな冷たい世界は嫌だと思う。

だから私も、相手にどう思われるかを恐れずに、しっかり向き合って愛のあるアドバイスをしたい。
そして自分は相手からの愛を受け止められるような、そんな人でありたい。
そう思った夜(朝)でした。


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