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深堀り鑑賞会

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絵本等を、その時代的社会的背景、類似の作品、元となった話と変遷などを確認しながら掘り下げて鑑賞します。
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#対訳

クリストファー・ロビンの詩

クリストファー・ロビンの詩

『クマのプーさん』が絵本として出来上がったのは、新聞・雑誌に寄稿していた詩、クリストファー・ロビンの詩(のちにWhen We Were Very Youngに収められている)が好評をえたことがきっかけでした。

息子、クリストファー・ロビンが3歳になるころ、子供のための詩を書き始め、それをまとめたもの。その後、クリストファーが6歳のころ、『わたしは六歳(”Now We are Six”, 1927

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Peter Rabbit作品集

Peter Rabbit作品集

はじめに
2022年に出版120周年を迎えたピーターラビット。1893年にBeatrix PotterがPotter自身が教わった3歳年上の家庭教師Annie Carter Mooreの息子(5歳のNoel Moore)が入院しているのを知り、励ますために、4匹のウサギが登場するストリーの絵手紙を送っている。後に、Annieから、この手紙で絵本が作れるのではないかと言われ、絵と話を膨らまして絵本を

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ペロー童話のシンデレラ

ペロー童話のシンデレラ

Cinderella; or, The Little Glass Slipper (Cendrillon ou la petite pantoufle de verre) (1697) Charles Perrault

はじめに
『シンデレラ』といわれれば、ディズニーの作品がすぐに思い浮かぶことと思います。『シンデレラ』は、もともと欧州で古くから口頭伝承されてきた話の一つですが、世界には500以

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Wanda Gagのグリム童話

Wanda Gagのグリム童話

このノートは、Wanda Gagの作品の深堀り鑑賞会用に用意したものです。参考としてnote筆者の仮訳を付けています。これは、極力オリジナルに近く、しかし、日本語としてぎこちなくならない程度に作ってあります。それが、オリジナルに含意されるものに気づくきっかけにできればと考えています。また、邦訳者の訳の比較をすれば邦訳者の工夫が浮かび上がってきます。

このnoteは、朗読を含めて自由にお使いいただ

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Wanda Hazel Gág(ワンダ・ガアグ):絵本の世界を刷新する風を吹かせた人

Wanda Hazel Gág(ワンダ・ガアグ):絵本の世界を刷新する風を吹かせた人

このノートは、クラブハウスでの深堀り鑑賞会用に用意した私的メモです。ご自由にお使いいただいて構いませんが、転載はご遠慮ください。引用は、事前にご連絡ください。Gagのオリジナルのテキストと絵の著作権はきれていますが、参照している文献等には著作権が残っておりますのでご留意ください。

Wanda Gagのグリム童話は、別のnoteとして公開してあります。

著者の概要Wanda Hazel Gág(

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