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『13日の金曜日』インスパイア系!エロとグロでひっそりと生き残る雑草魂な作品「バーニング」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(488日目)

「バーニング」(1981)
トニー•メイラム監督

◆あらすじ
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キャンプ場の管理人で大男のクロプシーは偏屈な性格のため、人々から嫌われていた。ある夜、少年たちがクロプシーを驚かせようといたずらを仕掛けたが、彼は予想以上に驚き慌てた事で火だるまとなり、大やけどを負ってしまう。

数年後、退院したクロプシーは娼婦を大型の園芸ばさみで惨殺した後、かつて自分が管理人を務めていたキャンプ場に戻ってきた。そして、自分に大やけどを負わせた元少年たち、ついには無関係の人々までも手にかけていく。(Wikipediaより引用)
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1980年に上映された「13日の金曜日」のヒットを受け、その後いわゆる“インスパイア系”の作品が多く作られました。

•若い男女
•キャンプ場と湖
•濡れ場は必須
•殺人鬼は無口な大男
•キャッチーな凶器(ナタやチェーンソー)

このあたりが定番の要素ではないでしょうか。

今作も例に違わず上記の条件を全て抑えております。二番煎じにならないようインスパイア系の作品もそれぞれの色を出そうとするものの結局は本家を超えられず埋もれていきます。

と書かれてしまうほどに残念ながら今作も内容はあってないようなものです。

◇少年たちのいたずらにより全身に大火傷を負ったキャンプ場の管理人。数年後、彼はキャンプ場に舞い戻り、自分をこんな目に合わせた奴らに復讐を果たす…

というそれ以上でもそれ以下でもない大筋です。

『逃げる→隠れる→逃げ切ったか?』を無駄に2〜3回やった後に襲われたり、『シリアスな音楽とともに登場人物の背後に立つ誰か→友人だった』といういわゆる“すかし”をこれでもかと繰り返したり、冒頭のシーンを終盤でもう一度流したりと

大いに引き伸ばして90分にしています(笑)

現在どのサブスクでも配信はしていないようで、私はTSUTAYAのレンタルを利用させていただきました。

日本公開時に殺人鬼のクロプシーをなぜが“バンボロ”と名付けていました。

あまりの恐怖で絶叫した際に声帯や鼓膜が傷ついてしまった場合の“絶叫保険”を用意したり、『全米緊急指名手配中』というキャッチコピーがあったりしました。

本来であれば埋もれてしまっても仕方がない今作はある2つの要因によって他のインスパイア系と一線を画すことに成功しています。

その1つ目の要因が

“トム・サヴィーニによるハイレベルな特殊メイク”

です。

「ゾンビ」、「クリープショー」、「死霊のえじき」などのジョージ•A•ロメロ監督作品、そして「13日の金曜日」などでも特殊メイクを担当したトム・サヴィーニ。

トム・サヴィーニ(2014年)
Wikipediaより引用

彼がその実力を遺憾なく発揮したスプラッター描写は「全米27州で上映中止」という触れ込みで映画が公開されるほどで、“切断される指”や“植木バサミが喉や腹部にズブリと突き刺さる描写”は非常に生々しく、それらのシーンをいくつかカットして上映する国があったというのも頷けます。

陰キャのアルフレッド
女子のシャワーを覗きバチボコに怒られます。

そしてもう一つの要因が

“エロ”

です!

濡れ場はもちろんのこと、シャワーシーンや湖の遊泳シーンなどでしっかりと女性の胸やお尻を映します。

シャワーシーンなどは引きの画でまず全身を見せて、そこからじっくりと胸にアップしていきます。

絶対に不要です(笑)

今ほど簡単にエロが手に入りにくい時代でしたからおそらくですけど当時のホラー映画はそういったエロの供給も少なからず担っていたのかもしれません。

「死霊の盆踊り」とかはまさにそれです。

これらの2つの大きな要因に加え、
“心音のような不気味な音楽と共にクロプシー視点となる演出”や“状況や空気感を作り出す上手さ”も相まって令和の今もTSUTAYAのレンタルコーナーにて逞しくもひっそりと生き残ってくれていたお陰で出会うことができました。

『雑草魂』、『一期一会』などの言葉が似合うそんな作品でした。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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