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“ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ”という色眼鏡を外して見て欲しい!王道のダークファンタジー【ホラー映画を毎日観るナレーター】(539日目)「ホーンズ 容疑者と告白の角」

「ホーンズ 容疑者と告白の角」(2013)
アレクサンドル・アジャ監督

◆あらすじ
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恋人を殺され、その容疑者となったイグ。怒りと絶望の日々を送っていたある日、目覚めると頭に角が生えていた。その時から、誰もがイグに様々な秘密を打ち明け始める。イグの角には人に真実を語らせる不思議な力があるのだ。イグはその<告白の角>を使って、最愛のメリンを奪った真犯人を探すことを決意する。人々の欲望や本音が押し寄せるなか、遂に真犯人の手掛かりをつかんだ時、メリンの死のもっとも悲しい秘密が明らかになる。(Filmarksより引用)
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原作はスティーヴン•キング氏の息子である作家ジョー・ヒル氏の「HORNS」(2010)です。

スティーヴン•キング氏そっくりですね。
(ジョー・ヒルWikipediaより引用)

同じジョー・ヒル原作作品だと2022年にスコット・デリクソン監督、イーサン・ホーク主演の「ブラック・フォン」もかなり有名です。

今作の監督を務めたアレクサンドル・アジャ氏は「ハイテンション」(2003)や「クロール-凶暴領域-」(2019)などかなりエグ目のグロ描写や暴力シーンに定評があり、個人的にはかなり好きな監督です。

今作は
『恋人殺しの罪を着せられた青年が、ある日突然生えた角の不思議な力で真犯人を見つけ出す』

というホラーというよりかはダークファンタジーに近いテイストの作品ではありましたが、一本筋の通った王道の展開に後味の悪いビターな要素が上手くマッチしていてかなり面白かったです。

現在U-NEXT、FOD、hulu、Leminoで配信中の他、アマゾンプライムやDMMTVでのレンタルも可能です。

eiga-chirashi.jpより引用
「ダニエル・ラドクリフに角が生えた!」という文言もなんだかなぁという感じですね。(eiga-chirashi.jpより引用)

日本のポスターを見ていただければわかる通り、
ダニエル・ラドクリフ一色です。

日本でも大ヒットした「ハリー・ポッター」シリーズの最終作である「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」が公開されたのが2011年で、その4年後に公開されたのが今作です。

ハリー・ポッターファンからすれば当然、ダニエル・ラドクリフ主演作品は見逃せないはずです。

ですが『あのハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフ主演!!』という部分をデカデカと強調して少しでも集客に繋げようという感じが垣間見えてしまうのは少々残念です。仕方がないことなのかもしれませんが。

個人的には「ガンズ・アキンボ」や「スイス・アーミー・マン」などダニエル・ラドクリフ出演作は面白い作品が多い印象なので、もうそろそろ『ハリー・ポッター役の人が出てる!』という色眼鏡無しで見てもいいんじゃないのかなとも思います。

ダニエル・ラドクリフ氏
現在34歳です。(ダニエル・ラドクリフWikipediaより引用)

ちなみに日本での公開イベントには川崎希&アレクサンダー夫妻がゲストとして登壇しており、なんだか時代を感じます。おそらく有吉反省会などで人気を博した頃ですかね。

◇最愛の恋人メリンを何者かに殺されたばかりか、その罪を着せられた青年イグ。マスコミや警察にマークされ、絶望的な日々を送る彼は、ある日目を覚ますと頭に角が生えていた。その角には不思議な力があり、イグと対面すると誰しもが真実を打ち明けてしまうようになる。イグはこの角の力を使い、真犯人を見つけ出そうとするが、やがてメリンの死に隠された真実が明らかになる。

というあらすじからして王道のダークファンタジーです。仲睦まじいイグとメリンの冒頭のシーンから突如バッシングを受けながら絶望的な生活を送るイグのシーンに切り替わるため、「何が起こったんだ?」と最初からがっつり引き込まれてしまいます。

かっこいいですね!
角や翼のクオリティもかなり高かったです。
(映画.comより引用)

現代が舞台なので“真実を明らかにする不思議な角”という非現実的な要素は気になるかなと思いましたが、後々この角がなんだったのか、イグの弁護をしていた親友のリーにはなぜ見えなかったのか、などが明らかになっていくため気になりませんでした。

イグ(真ん中)と親友のリー(左)
(映画.comより引用)

あとはそれを活かしたコメディシーンが度々入るため、そういう世界観の作品なんだなと自然と納得していました。

映画.comより引用

シリアスなシーンの直前にもコメディパートが入ることもあり、「緊張感がなくなるから嫌だ」と思う人もいるかもしれません。私もその部分は少し気になってしまいました。

あと『冒頭はあえてあまり説明せずに、ここで幼少期エピソードを入れることで関係性を説明して、キスしたらシーンが切り替わって大人になって〜』みたいな感じでところどころテンプレというか教科書通りの演出に見えてしまう部分がありました。

兄貴との関係性もすごく良かったです。
(映画.comより引用)

『真犯人が誰なのか』

はネタバレになってしまうので明記しませんが、見ていれば『多分こいつだろうな』と予想できると思います。めちゃくちゃ怪しいので(笑)

『ネリンがイグに隠していた事実』

という部分は“予想もつかない!”とまではいきませんが、すごくキレイというかうまくまとめてあって、ラストシーンで冒頭の二人の会話をもう一度見せるという演出が中々に憎いです。

イグ∶「死ぬまで君を愛する」

ネリン∶「私が死ぬまでで十分よ」

というこの会話の意味が分かるラストシーンの切なさたるやありません。泣けます!

イグとネリン
(映画.comより引用)

尺は2時間少々ですがそこまで長さは気になりませんでした。ダニエル・ラドクリフの好演が光ってますし、ヒロイン•ネリン役のジュノー・テンプルの儚い感じが作品と役に合っていてとても良かったです。

ジュノー・テンプル氏
父親であるジュリアン・テンプル氏は多くの映画やMVを手掛けている映像監督です。
(ジュノー・テンプルWikipediaより引用)

ホラー要素はほぼありませんが、中々の名作だと思います。オススメです!

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もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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