内容がまったく違う!?破綻した吹き替え版をとくと味わえ!「ブラッディピエロ 100人連続切り裂き」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(520日目)
「ブラッディピエロ 100人連続切り裂き」(2007)
マーカス•コッチ監督
◆あらすじ
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ピエロの格好をした男が殺人事件を各地で起こしていた。ミッドナイトスターというタブロイド誌で記者をやっているジェニファーとマークは特ダネの匂いを嗅ぎつけ、その事件を追っていた。しかしその事件を追えば追うほど、恐ろしい事実が明らかとなっていく。ジェニファーたちは殺人鬼の凶行を止めることができるのか…
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特殊メイク出身のマーカス•コッチ監督のデビュー作です。
シナリオ自体はあってないようなもので、あらすじにも書いたとおり、『ピエロ姿の殺人鬼の凶行を記者が追う』という非常にシンプルなものです。
中盤でこの殺人鬼•ガーディの犯行動機みたいなものが明らかになりますが、正直そんなに意外性もなく、取って付けたような内容です。
◇元々サーカス団に所属していたガーディは仲間のトレイシーと恋人同士だったものの、それを快く思わない他の団員から暴行を受ける。ガーディは逆上し、その団員たちを殺害し、サーカスを追放された。それ以来、殺戮を繰り返しながらトレイシーを探している。
といった感じです。
ガーディとトレイシーの間には娘がおり、この娘も完全にイカれており、ガーディと同じく殺人を楽しむキ○ガイとなっています。中弛みしそうなタイミングで新キャラとして殺戮狂の娘を投入するのは中々良いなと思いました。
グロ描写にはかなり力が入っており、ガーディ単体の殺戮シーンはかなり迫力がありますし、武器の大きなナタで次々と首を刎ねていくのは見応えがありました。あえて効果音を、抑え気味にすることでリアリティが増しており良かったです。
そして中盤以降は娘も加わり、二人で仲良く殺戮を繰り返します。死体がミンチになるまで切り刻み続けたりと、より狂気性が増していてかなり楽しめます。首の切断面や内臓飛び出しも低予算の割にはかなり頑張っているほうだと思います。
現在配信などはなく、私は五反田のTSUTAYAでレンタルさせてもらいました。
先述したようにストーリーも映像のクオリティも特筆する点があるわけでもなく、可もなく不可もなくな作品です。本来であればすぐに忘れ去られてしまうかもしれません。
しかし!
この作品はべらぼうにインパクトが残るえげつない武器を隠し持っているんです!
それが!日本語吹き替えです!
私はいつも基本的には字幕で鑑賞し、昔の作品など好きな声優さんが多数出演されている場合のみ吹き替えで視聴するようにしています。そのため今作もいつも通り字幕で鑑賞しようと思っていました。
ですが視聴前になんとなくFilmarksで他の方の感想を見ていると、なぜか皆一様に吹き替えで見ることをオススメしているんです。それならば吹き替えで見ない手はないでしょう。
ということで今回は『吹き替え+字幕付き』で鑑賞しました。
凄かったです…
セリフと字幕の内容が全くもって違うんです!
それもキャラクターの関係性とか海外文化とかそういった作品に必要な部分を完全に無視しており、破綻しきっているんです!
いくつか例を挙げてみると
(字幕→日本語吹き替えの順)
ママに幸あれ→サーターアンダギー食いたい
スポールディングに聞いたよ→クドウマサルに聞いたよ
ゲームを買うんだ!→AVを買うんだ!
50ドル→50円
黙っててくれ→おっぱい触っていい?
今度コーヒーでもどう?→いつかハイヒールで思いっきり踏んでくれないか?
今のギリシャ語かい?→今の茨城弁かい?
コーヒーよ、どうぞ→きつねうどんやでー!どうぞ!
等など、物語の大筋に関係無いセリフなら別にいいんですけど、これ多分字幕無しだと内容がわけ分かんなくなると思います。
プエルトリコの料理人が吹き替えだと沖縄の方言を使用したり、ヒロインのジェニファーが姉との電話の時だけ茨城弁で喋ったりとおそらく担当した声優さんの出身や方言で遊びを入れているのではないでしょうか。
あと、全員というわけじゃないんですけど特定の声優さんがびっくりするくらい棒読みで映像ともまったく合っていません。変に息づかいをたくさん入れて、それっぽくしようとしているのがバレバレで少々ストレスでした。スタッフさんや本職でない方も参加していたのでしょうか?
ストーリー自体が凝ったものではないですし、個人的にあんまり棒読みとかが気にならない質なのでそこまで問題はないんですけど、少々悪ノリが過ぎるというか、身内ウケみたいになっちゃってるのが勿体ないなとも思いました。
☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。
渋谷裕輝 公式HP↓
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