黄金タッグの神作品!儚げブラッド・ピットと俺様トム・クルーズ!「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(501日目)
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994)
ニール・ジョーダン監督
◆あらすじ
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18世紀末、最愛の妻を亡くし、絶望の淵に沈む彼の前に現れた悪魔的美貌の吸血鬼レスタト。彼によって永遠の命を与えらたルイは、レスタトと共に世紀末の夜をさまよう。現代のサンフランシスコ。街を見下ろすビルの一室で、インタビュアーを前に美しい青年ルイが自らの半生を語り始めた。(Filmarksより引用)
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原作は作家アン・ライス氏の代表作「夜明けのヴァンパイア」(’76)で、監督は「クライング・ゲーム」(’92)などでおなじみのニール•ジョーダン氏です。
「夜明けのヴァンパイア」はアメリカでベストセラーとなり、その後「ヴァンパイア・クロニクルズ」としてシリーズ化されました。
18世紀末のアメリカ•ニューオーリンズを舞台に
ヴァンパイアとして生きる道を選び、日々葛藤し続けるフランス移民のルイをブラッド・ピット
人間的で繊細なルイに強烈に惹かれ、永遠を共に生きる伴侶にするために彼をヴァンパイアにした張本人でもあるレスタトをトム・クルーズがそれぞれ演じています。
原作を読んでいない私からすると
『ブラッド・ピット✖トム・クルーズ』
という黄金タッグはこれ以上ないキャスティングだと思います。実際、同性の私でも見惚れてしまうほどの御二方の男前っぷりは作品にしっかり華を添えているように感じました。
しかし、原作者のアン・ライスはルイ役にはアラン・ドロンを念頭に執筆しており、またレスタト役にはジュリアン・サンズを想定していたため、当初この配役に対してはかなり否定的で
「とても変。どうしてこれでうまくいくのか想像できない」
「クルーズとピットの組み合わせなんて、まるでトム・ソーヤの冒険のトムとハックみたい」
とまで発言していました。
原作ファンの多くも、イメージとかけ離れたこのキャスティングには否定的だったそうです。
しかし映画を鑑賞したライス氏は「彼が登場した瞬間から、トムは私にとってレスタトだった」と絶賛し、その後に雑誌「デイリー•バラエティ」にて見開きの広告を自腹で掲載して、自身の当初の否定的な発言を撤回しました。
公開当時、トム・クルーズもブラッド・ピットも共に30代前半だったため、原作者的にはもう少し渋めの男前を想像していたからこその発言だったのでしょう。
最近でも原作改変や原作者の意図を蔑ろにしたことで起きた悲しい事件が日本でもありましたし、おそらくですけどこの頃も原作者の希望や要望はあまり聞き入れられなかったのかもしれません。
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俳優の豪華さに目が行きがちな今作ですが、それに一切飲まれない内容の深さと魅力的なキャラクターが非常に印象的でした。
『ヴァンパイアのルイがその200年の半生をインタビュアーに語る』
というところから始まる斬新なアプローチは唯一無二ですし、ルイの人生が壮絶かつ非常に興味深いのでインタビューをするという流れも自然です。
当初はリバー・フェニックスが起用される予定でしたが、死去に伴いスレーターがキャスティングされました。ちなみにスレーターはこの作品のギャラをリバー・フェニックスが支援していたボランティア団体に全額寄付したそうです。
主人公のルイは妻と子供を失い、自暴自棄となったところをレスタトに見初められてヴァンパイアになります。
にも関わらず人を殺すことに躊躇し、こっそりとネズミや犬の生き血を吸って飢えを凌ぐという繊細で優しい心の持ち主です。
常に悲壮感が漂う儚げな存在であるルイは“ヴァンパイアホイホイ”とでも言うべきモテ具合を発揮します。
レスタトをもちろんのこと、クローディアも、後に出会うヴァンパイアも皆、結局のところルイを独り占めしたいがために争っているようにも見えてきます。
そして何の躊躇いもなく人を襲い続けるヴァンパイアのレスタトは性格から何までルイとは正反対のキャラクターです。
永遠の命を手に入れたことを楽しんでいるかのような余裕たっぷりな態度を見せる一方で、ルイに対する執着心から取り乱す一面もあり、金髪ロン毛のトム・クルーズから漂う色気も相まって圧倒的な魅力を兼ね備えた絶対的カリスマとして作品に君臨します。
序盤はレスタトがルイを翻弄していきますが、中盤からはルイの存在がレスタトや他の登場人物を翻弄し、狂わせていくようでした。
ちなみに特殊メイクには毎回数時間をかけていたそうで、メイクの前には30分間逆立ちをして、顔の血液の流れを確認した上で青白く映える静脈を描いたそうです。
また、ヴァンパイアが主人公の作品のため、撮影は必然的に夜が多かったそうで、ルイ役のブラッド・ピットは昼夜逆転により身体的にも精神的にもバランスを崩してしまったそうです。
それに加えて前述したような壮絶な人生を送る役柄もあって相当参ってしまったそうです。しかしそれが今にも消えてしまいそうな儚さや危うさに繋がっているようにも感じました。
逆にレスタト役のトム・クルーズは疲弊するどころか徐々に覚醒していったそうで、作中で見せるバキバキな目やハイな様子は演技だけではなく、そういったところからも来ているのかもしれません。
2時間超えの大作ですが長さはまったく気になりませんでした。割と静々と展開していくため派手なエンタメが好きな方は苦手かもしれませんが私はとても面白かったです。
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