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「飲み会」について本気で考えてみた

歓送迎会のシーズンがやってきましたね。

今年はコロナ禍で多くの職場で大規模な会は自粛するのではないかと思いますが、例年でしたら人事異動に伴って幹事はどうするとか、会場はどうするとか、色々考える時期なんじゃないかと思います。

今回は、職場での「飲み会」について改めて考えてみました。

働いていると飲み会って当たり前のようにあると思いますが、そもそもどういう意味があるのか、どういう問題点があるのか等、考えていきたいと思います。

なお、ここでは歓送迎会等「職場全体で行い、参加することにある程度の強制力が働く飲み会」について考えており、仲の良い個人同士や、上司から誘われて飲みに行く等の小規模なものについては除外しています。ご承知おきください。

飲み会の意義とは?

歓送迎会、忘年会、暑気払い等、サラリーマンをやってると色々な飲み会がありますよね。

そもそも、なぜそのような会を行う必要があるのでしょうか?

理由として考えられることを挙げてみました。

①共にお酒を飲む(アルコールを受け付けない体質の人もいますが)ことで、職員同士のコミュニケーションを深め、連帯感を高める。ひいては、職場全体の団結力を強める。
②年度替わりや繁忙期の後など、その職場の節目の時期に行う儀式としての役割。
③入職者の歓迎や、退職者の慰労等、特定の個人に対する何らかの気持ちや姿勢を職場全体として表す場としての役割。



私が考えたのは以上の3点です。

一つずつ見ていきましょう。

いわゆる「飲みニケーション」

①はこれですね。

皆が同じ場で食卓を囲みお酒を飲んで語り合うことで、連帯感を高めるという目的です。

職場にいる時にはなかなか話せないプライベートな話や、お酒が入らないとなかなか話せない経験談や失敗談など、色々な話をしたり聞いたりする機会になると思います(個人的には「お酒が入らないと」という部分に違和感がありますが、それは後述します)。

普段怖そうな先輩や上司でも、飲むと意外と面白い人だったり、意外な特技や趣味があることがわかったり、職場では見えない顔がこういう場では見られたりするのも面白い所だと思います。

こういった部分が、「連帯感を高める」ことに一役買っていると考えられます。

儀式が必要

②ですが、人間にとって儀式って必要なんですよね。

職場に関わることではなくても、入学式、卒業式、七五三、成人式、結婚式、葬式…数限りない儀式があります。

飲み会は、職場内における儀式ではないかと思っています。

節目に何らかの儀式を職場全体として行うことで、気持ちの面である一定の時期を始めたり、終わらせたりする役割があるように感じています(忘年会なんかが特にそうですね)。

ないと何となく締まらないとか、けじめがつかないなんて感じる方もいるのではないでしょうか。

また、「お酒を飲む」ことも儀式としては大事なことではないかと思います。

様々な宗教の神事でお酒が用いられているように、儀式は元々宗教的なものであり、お酒と密接な関係があります。職場の場合宗教的な意味はないですが、儀式=皆でお酒を飲むということに繋がっているのではないかと個人的には思っています。

来たひと、去るひとに対して

その職場に来た人に対して、「歓迎してますよ」というメッセージとして、酒席を設ける。

または、異動者や退職者に対して「今までお疲れ様でした」という意味を込めて、会を行う。

飲み会は、職場としてそういった歓迎や感謝の気持ち•姿勢を見せる手段としての役割があると思います。

自分のために会を開いてくれると言われたら、まぁ普通は悪い気はしないですよね。

また、②とも重複しますが、新しい人を迎え入れたり、いなくなる人を送るための儀式としても機能しているように感じます。


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飲み会の問題点①

さて、こうやって考えてみると、飲み会って結構色んな意味があるんですね…自分で書いててビックリしました(笑)

今度は、飲み会の問題点について考えてみます。

まず一つ目は、ある程度の強制力が働くという所ではないかと思います。

そのプレッシャーがどれくらい強いかは、職場の雰囲気やその人の置かれた立場、人間関係、仕事での利害など結構複雑な要素が絡むと思いますが、基本的には参加することが求められているわけです。

飲み会大好き!な人もいれば、本当は行きたくないけど行っとかないと後で何言われるかわからないし…という人もいるし、そういう会には一切参加しません(キリッ!)なんて人もいます。

↑こんな方もいらっしゃいますね。

飲み会が好きな人にとっては問題ないでしょうが、行きたくない人や、育児等家庭の状況で行きづらい人にとっては、少なからずストレスやプレッシャーになっていることが問題点だと思います。

また、飲み会を仕事と捉えるかどうかも個人の価値観によると思います。「飲み会も仕事の一部」という考えもあれば、いやいや勤務時間外で給料は発生しない(むしろ出費)から仕事じゃないでしょ…という人もいます。

この辺りの曖昧さも、参加するか判断する時の難しさに繋がっているように感じます。

飲み会の問題点②

儀式の所でも触れましたが、飲み会は基本的には「お酒を飲む会」です。

ですので、アルコールを受け付けない体質の方にとってはどうなんでしょうか。あまり行くメリットがないのではないかと感じます(飲めないけど飲み会は大好きという人も知っていますが)。

また、そもそもお酒ってあまり体に良くないものですよね。

「酒は百薬の長」なんて言葉もありますが、基本的に良いとは言えないというのは一般常識かと思います。飲みすぎると身体を傷めますし、急性アルコール中毒や依存症の危険性もあります。

だから「お酒はほどほどに」とか「休肝日を設けましょう」なんて言われていますよね。

個人の意志で飲むならともかく、身体に悪いものを飲むことを職場から求められる(しかもそれにある程度の強制力が伴う)のはおかしいのではないかと思うのですが…いかがでしょうか。

飲み会ってサラリーマンにとっては当たり前にあるものなので、今まで疑うこともなかったのですが、今回改めて考えてみてこれってちょっと変だよな…と思うようになりました。

私個人としては、お酒は弱いんですが好きではありますし、お酒=悪と言いたい訳ではありません。ただ、職場から飲むよう求められるのはちょっと違うのではないかという立場です。

特に男性は「飲まないと場がしらける」「上司から勧められたら断れない」といった意識が強いのではと思います。お酒を飲むことに強制とまでは言えないにしても、決して弱くはないプレッシャーがかかります。それで健康を害してしまったら仕事にも影響が出ますし、元も子もないですよね。

飲み会の問題点③

飲むと陽気になる人もいれば、怒りだしたり説教を始める人もいます。

「アルハラ」という言葉は一般的に定着していると思いますが、酒席で嫌な思いをした人は少なくないのではないかと思います。

勤務時間内ならともかく、何で時間外に自分でお金を払ってまで説教されなきゃいけないんだ…と思いますよね。

また、お酒が入ると女性に卑猥なことを言ったり、体を触るといったセクハラに繋がる可能性も高まります(私の周りにもかつてそういう人がいて、処分の対象になりました)。

昔は「酒の席だから」と許されていた部分もある(それもどうかと思いますが)かもしれませんが、今はそういうご時世ではありませんよね。

セクハラを受けるかもしれないから飲み会には行きたくない、という女性は少なくないのではと想像します。


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まとめ

飲み会について考えてきました。

ここまで読んでいただいた方は薄々感づいていると思いますが、私個人としては「職場全体の飲み会は不要」という立場です。

お酒は好きだけど別にみんなで飲みたくはないし、出費はあるし気は遣うし嫌な思いをする可能性もあるし…。

私にとっては メリット<デメリット なんですよね。

また、「飲み会は仕事ではない」という考えでもあります。時間外で賃金が発生しないなら、それは仕事とは呼べないと思っていますし、そこはキッパリとそう言いきりたいと思います。

また、前半部分で飲み会の意義について考えましたが、それらは勤務時間内で充分対応が可能と考えます。

コミュニケーションや連帯感を高めるのであれば、業務時間内や休憩時間の工夫次第で何とでもできると思いますし、飲みニケーションの所で書きましたが、酒が入らないと話せないのであれば、それはそもそも個人の資質の問題と感じます(ってかアルコールの力を借りないと話せないって何なの(^^;)。

また、全体として儀式や気持ちを表したいのであれば、業務時間の終わり頃にサクッとやればいいのではないかと思いますし、異動者や退職者等には色紙や手紙、プレゼントを渡すといった飲み会以外の手段も色々とあります。思いがある人は個人的に行えば良いと思います。

何か会を催したいのであれば、それは希望者のみで行い、決して全員参加という形にしないことが重要と思います(と言っても上司が行くと言ったら自分も断れない等難しい面もあるとは思いますが)。

繰り返しになりますが、やはり全員参加という「強制力が働く」という所が一番の問題だと感じます。

どうしても全員でやりたいなら、給料を払って業務時間内に行えば良いのではないでしょうか。それなら「飲み会は仕事か」論争にも決着が付きますし、仕事なら仕方ないと思えるのではないかと。まぁ、なかなか現実的には難しいとは思いますけど…でも個人的には割と本気でそう思っています。


最後に

さて、今まで色々と書いてきましたが、おそらく私のような意見は現状では少数派ではないかと思います。コイツ何言ってんだ?と思った方もいるかもしれません。

でも、将来的にはどうでしょうか?

今は多くの職場で大規模な会を自粛していると思いますが、そのうちの何割かはコロナが終息してもその流れを引き継ぐのではないかと私は予想しています。

コロナ禍で不要な業務が減ってスリム化に繋がったという声をよく耳にしますが、果たして飲み会は本当に必要なのか?生き残っていくのか?不要なものとして消えていくのか?

それが明らかになるのは、この後ではないかと思っています。


お読みいただき、ありがとうございました!


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※上記は全て私個人の意見であり、他の意見を否定する意図は全くありません。

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