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京都大学に3ヶ月で受かった勉強方法〜ゴールから逆算した3ヶ月の計画づくり。継続できる日々の習慣づくり。〜



僕が初めて赤本を開き、自分なりの勉強方法を考え始めたのが高3の冬休みです。そこから3ヶ月間で京大に合格するためには、ゴールから逆算した計画づくりを行う必要がありました。

今回は学習計画や日々の習慣づくりについてお伝えしていきます。

ゴールを設定し、逆算して目標を立てる

僕の場合、3ヶ月間で合格できる状態まで成績を上げなければいけませんでした。

京都大学には、

  • センターで足切りにならない程度の点数は取る。

  • 京大の2次試験で合格最低点を取る。

この2つを満たせば合格することができます。

前回、
問題の分析と目標設定。目標達成のための計画づくり。
の記事で書いた通り、まずは、目標達成のための計画づくりから始めました。

本番までの大まかな計画は、以下の通りです。

12月
・目標達成のための計画づくり
・センター試験の勉強
1月
・センター試験の勉強(センター試験まで)
・京大の2次試験の勉強
2月
・京大の2次試験の勉強

以前の記事で書いた通り、数学や物理・化学などは解答の解説を読んでもわからないぐらいのレベルだったので、まずは基礎を固めるためにセンター試験に集中することからスタートしました。

科目別の対策はまた別の記事で書こうと思いますので、本記事では、まずはこの「計画」をどのように立てたかを詳しく書きたいと思います。

目標は2次試験で5割取ること。大胆な選択と集中。

そこで、ゴールを「2次試験で全体の5割の点数を取る」ことに設定し、達成するためにどうすればいいのか逆算して明確な目標を立てることにしました。

さらにゴールを細分化し、過去の出題傾向を参考に、各分野ごとに何点取れるのか・何点取らなければいけないのかを考えて、積み重ねたら合格最低点になるように計算していきました。

その中でも、僕が一番苦手だった数学を例に挙げて具体的な考え方をご紹介します。

京大の2次試験では、数学は全部で6問出題されます。
数学については、特に苦手分野だったので、5割は目指さずに、最低3割、できれば4割を目指しました。
6問中、2問解ければ完璧。
1問解けて、その他は、部分点がもらえたら良いという程度です。

まず過去問を数年分程度、わからなかったらすぐに答えをみながらさっと解くことにしました。
その結果いくつかわかったことがあります。

①僕の場合、他の単元は全然解けないのになぜか確率の問題だけ解くことができる
②その他の分野は1問も解けない上、解答をみてもよくわからない
③数IIICという分野はよく出題されるが、学校でまともに習った記憶がなくセンターにも出ない

これらを元に数学の計画を立てました。
まず、確率はほぼ100%時間をかければ解くことができました。
このため、出てきたら解けるものとして1問カウントしました。
京大はかなりの頻度で確率の問題が出ており、これはありがたい傾向でした。
そして、他の分野に時間を割くため、確率の分野は勉強しないことにしました。

一方で、他の分野、特に、数IIICという微分・積分などを中心とした分野。

そもそも、いわゆる進学校だと高2などで全ての分野の勉強が終わっているそうですが、うちの高校では高3の最後の方にざーっと流すような授業をするだけで、しっかりと教えてもらうことができません。

苦手意識もあり、解説を読んでも意味不明というレベルです。センター試験にも出ないので、時間を費やすのをやめました。
残念ながら、毎年、微分・積分は2問くらい出ています。
それを思い切って捨てました。

そして残りの3問。
数列など比較的得意な単元には時間を費やし、京大レベルの問題も解けるように勉強しました。
これが、1/3ぐらいの確率で解けるレベルまで上がっていれば、確率と合わせて目標の2問に到達します。

思い切った取捨選択によって、過去問等をやっても、確率を合わせて3問ぐらいは最初から勉強しないことを決めているので、費やす時間は半分〜2/3ぐらいになり、他の分野の勉強に時間を使うことができます。

いくら幅広い分野でセンターレベルの問題が解けても、京大の問題が解けないとなんの意味もありません。
一つの分野でも京大の問題を解けるようにすることが大切です。

ちなみに、この取捨選択は、国家公務員1種試験の勉強の時にも役に立ちました。
その時はさらに試験が迫っていて3週間しか時間がなかったので、さらに思い切って分野を限定して勉強をしています。
国家公務員1種試験はそんなに難しい問題が出るタイプではないので、7,8割ぐらいの点数を取ったと記憶しています。

ただ、そんなタイプの試験であっても満点を目指す必要は全くありません。
合格点さえ取れば合格できるのです。

その他やっていたこととしては、本番で解く順番や解答方法を決めていました。

確率が出たら絶対に解く。
微分・積分は捨てる。
それ以外の分野は、自分の知っているあらゆる解法を時間の限り試してみて、解けそうなものを解く。
解けなくても部分点を狙いにいく。

自分にひらめきはないとあきらめて、とにかくたくさん書くことを意識しました。

一方、数学の目標点が低めな分、得意な国語では6〜7割解くことを目指しました。国語の配点はあまり高くないものの、数学の10点〜20点分は稼げる計算です。

物理では、3問出題されるうち2問解くことを目標にしました。物理は力学や電磁気など出題される分野が決まっているため、その分野だけ勉強していました。計算問題も出るものの、数学よりは簡単で点数が取りやすい科目です。

特に、物理の基本でもある力学を集中して勉強したことで、学校のテストや模試などでも物理で高得点を取れるようになりました。

化学では、大問4つのうち、有機化学と無機化学の問題が必ず1問ずつ出てきます。化学は覚えれば正解できる暗記科目です。
しかし、学校で習った知識だけでは少し足りなかったため、赤本を見て、参考書をあたって自分で勉強していました。

毎年京大に当たり前に合格者を出している高校なら教えてもらえる内容で、少し知っているだけで問題が解けるような知識ばかりなのですが、僕の高校の授業では出てきませんでした。

このことは別の記事でお伝えしますが、高校を選んだ時点で、情報格差が発生しているように思います。

話を戻すと、英語ではセンター試験と2次試験に分けて目標を考えていました。2次試験では英単語を2,000〜3,000個覚える必要がありますが、センター試験では1,000〜1,500個覚えておけば対応できます。

センター試験までは、センター試験に出る英単語だけを完璧にし、2次試験の勉強はしませんでした。

これは英語に限らず、他の教科でも同じことが言えます。
センター試験まではセンター試験の勉強をし、終わった瞬間から2次試験の勉強だけ行いました。

両方同時に勉強せず、切り替えて対応することが大切です。

また、僕はなぜか国語が得意で、国語だけなら京大模試で全国1桁の順位を取れていました。国語の配点は全体の100点しかないのであまり点数を稼ぐことはできませんが、数学1問分ぐらい稼げる余裕はできるな、といったように計算していました。

目標を設定する際の注意点

ここまで、ゴールから逆算した計画を立てる際の考え方をお伝えしてきましたが、目標設定を行うときに注意点があります。

それは、本番の試験で必ずしも理想通りに問題が出るとは限らないということです。

実際、僕も数学では確率の分野で1点取る計画を立てていましたが、2次試験では確率の問題は出題されませんでした。

また、国語は得意だったのでほとんど勉強時間を割いていなかったのですが、センター試験では古文・漢文が全然できず、100点中20〜30点とかつてなく悪い点数を取ってしまいました。

このように、戦略が100%うまくいくとは限りません。それでも合格できるように、うまくいかない前提で計画を立てておくことが大切です。

ゴールから逆算し期限までに何周できるか考える

ゴールを達成するために、日々の目標を絶対守ることを意識していました。
ここでは「目標を守る」を達成するために取り組んでいたことをご紹介します。

僕は試験対策として、過去問20年分とZ会の問題に取り組んでいました。
Z会は、出題されそうな問題や過去問などの情報を得るために利用していました。

過去問を1回解いただけでは内容を忘れてしまいます。繰り返し取り組んで解き方を暗記するために、本番までには過去問を3〜5周したいと考えていました。

しかし、残り時間はあと3ヶ月しかありません。

そこで、過去問を1日に何年分解くと3ヶ月間で何周できるのか計算し、毎日「今日は過去問を何年分やる」と決めて取り組んでいました。

限られた時間の中では、1問1問を丁寧に解いている時間はありません。1問にかける時間を自分で決め、その時間を過ぎても解けていなかったら答えを見るようにしました。

貴重な時間を、解けない問題を永遠に考え続けるために使うのはよくありません。

こうして、絶対に計画通りに勉強することを心がけていました。

受験までの3ヶ月間の1日のスケジュール

受験までの3ヶ月間をハイペースで勉強し続けるためには、生活習慣をつくることが大切になります。
 
画像は、3ヶ月間の1日のスケジュールです。
僕は毎日10時間以上は集中して、勉強していました。

塾の行き帰りはのんびりしていたり、シャワーは1日2回入っていたり、夜の勉強はテレビを見ながらのんびりやったりもしていたので、塾の自習室の時間以外はリラックスしながら勉強を続けることができました。

塾の自習室では、休憩時間はあまり取っておらず、1年分の過去問を解き終えるごとに一息つく程度でした。また、その頃はポモドーロテクニックなども知らなかったので、実践していませんでした。

自分をやる気にさせるのが難しかったので、休憩することで集中モードを切れてしまうのがもったいなかったのです。

他にも、お昼ご飯を食べると眠くなるので食べないようにしていました。

ただし、僕も3ヶ月間だったから頑張れましたが、1年だったら力尽きていたかもしれません。

毎日夜更かしして朝まで勉強したり、勉強の量を増やしすぎたりといった、無理なペースを目指すのはおすすめできません。初めはよくても、毎日続けることは難しくなります。

1日何時間勉強したところで、京大の問題が1問も解けなければ意味がありません。

京大で合格最低点をとるための目標を設定し、それを確実に達成できるように勉強することが必要不可欠です。

体調管理のためにも規則正しい生活を意識した上で、自分に合ったペースを見つけましょう。

なお、自分の場合には、本番が近づいてきてからは、少し勉強量を落としました。
最後の方は、体が疲れを感じてきていたので、本番に向けて体調を整える方をより優先しました。

まとめ

3ヶ月間で京大に合格するためには、ゴールを細分化して目標を立てる必要があります。

僕はゴールを「合格最低点を取る」と設定し、そこから各教科ごとにどの分野で何点取らなければいけないのか計算していました。

このときに大切になるのは「原典に当たり、自分で考えること」です。

今ならいくらでもネットで情報収集できますが、当時はパソコンもインターネットもありませんでした。僕は赤本という原典にあたって自分で分析したことで情報格差に気がつき、それを埋めるために行動することができました。

周りは「赤本はまだ見ない方がいい」と言っていましたが、それに流されずに自分で考えたことがよかったのだと思います。

次の記事では、独学の大切さについてお伝えしていきます。

【学び方〜京都大学に3ヶ月間で受かった勉強方法〜】

【プロフィール】
柚木理雄
シェア街始めた人。普段は、株式会社Little Japan代表取締役、NPO法人芸術家の村理事長、中央大学特任准教授など。
現役で京都大学・京都大学大学院を卒業後、農林水産省に入省。
空き家を活用した場・コミュニティづくりからスタートし、地域と世界をつなぐゲストハウス「Little Japan」やシェアハウス、コワーキングスペース、カフェ/バーなどを運営。
宿のサブスクリプションサービス「Hostel Life」、リアルとオンラインのまち「シェア街」などのサービスで地域に関わる人を増やす取り組みを行っている。

【クレジット】
インタビュー・編集:りあの

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