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2021年7,8月の色々(びじゅチューン!EXPO/ヒルコ 妖怪ハンター/太宰府天満宮 境内美術館/うみべの女の子)

びじゅチューン!EXPO - ときめき立体ミュージアム@松坂屋美術館

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10月からの転勤に合わせて家探しと職場への挨拶を兼ねて7月に1度名古屋を来訪。どうしても行きたくて向かったのが「びじゅチューン!」の企画展示。3月にも大分で「びじゅチューン!」展には行ったのだがそれとはまた趣の違う、そのままテレビの中からポコンと飛び出してきたような可愛らしくポップな立体物ばかりで楽しかった。1つ1つの質感がとても良かった。

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ヒルコ 妖怪ハンター

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こちらも名古屋の映画館シネマスコーレにて鑑賞。塚本晋也監督作品のメジャー作品の中でも特に鑑賞が困難だった1作。レストアされる情報はキャッチしていたのでどこかで配信されるかな、、と思っていたらこのタイミングで名古屋でかかるってもんですから行くほかなかった。結果、大スクリーンで観て大満足な仕上がり。諸星大二郎原作、妖怪の存在を信じる考古学研究者・稗田(沢田研二)の冒険譚という怪奇少年漫画の骨組みを用いて塚本晋也仕立てにするのだから内容はカルト中のカルト。ヒロインは登場数分であちら側の世界のモノになってしまうし、竹中直人の顔があんなことになってしまうし、画のエネルギーが強すぎて怖さとともに笑うしかない瞬間も多々あった。それでいて妙に爽やかな余韻が広がっていたのも化かされた感じだ。

今回はミニシアターエイドの未来チケットを使用しての鑑賞。1年以上前に行った支援のバックだったので不思議な感じだったけど、その時からこの映画館への来訪を見越してチケットを予約していたので待望の瞬間でもあった。名古屋シネマスコーレは白石晃士監督ファンにとっては聖地とも呼ぶべきこの場所、絶対愛知にいる間に生・白石監督に会ってみせるぞ。ひとまずはあと1枚未来チケット残ってるので何を見てやろうか画策中。ここでしか観れないのも多いはずなので期待したい。ミニシアターはいいぞ、ワクワクする。

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太宰府天満宮 境内美術館

最近ではカルチャー周りとの交流も盛んな太宰府天満宮。案内所のピアノBGMはサカナクションの山口一郎がプロデュースしていたり、梅の木も立派に育っていて、どんどんSAKANATRIBE@太宰府天満宮の機運が高まっているわけだけども今回は境内美術館なる常設展示を観にきた。年イチペースで行われる美術展の作品を境内の至る所に展示してあり、探しながら鑑賞することができる。

「本当にキラキラするけど何の意味もないもの」。磁力で集まった金属片による球体。目に見えない信仰のメタファー、分かりやすくてイイ。


「この空気ように」。この真正面にある太宰府幼稚園児たちの大切なものを地中に埋め、切株にそのピクトグラムを刻んだもの。”大切“が見えないことでなんとも言えないエネルギーを感じる。


「歴史について考える」。かつて2頭いたブロンズの麒麟像、1頭は第二次世界大戦中の資材供出で溶けてしまった。そんな麒麟像がブロンズ製の椅子となってここに帰還したかのような優しい作品。


「並行宇宙」。別の次元でこの場所に飾られていた4代目エジャートン伯爵の石柱が壊れた様。時空の裂け目としての神社、なんて大好きな世界観。


「信仰について考える」。最も鑑賞への道のりが大変だった作品。疲労を癒すかのように、岩に刺さった松葉杖が神々しく輝いていた。



ちなみに本投稿のトップ写真は太宰府天満宮に隣接する九州国立博物館。相変わらず素晴らしい外観。特別展「皇室の名宝」を観てきた。パラ開会式以来、伊藤若冲がアツい中で「群魚図」のマグネットは買うしかなかった。タコの親子がイイ。


うみべの女の子

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浅野いにお原作、ウエダアツシ監督による映画作品。ウエダ監督と言えば、「リュウグウノツカイ」の監督であり、あれも言うなればうみべの女の子の性愛(目的はその先なのだけど)にまつわる物語だったなぁという思いもあり、納得の座組だった。そこに今年に入って完全にブレイクを決めつつある石川瑠華と我らがユマニテの至宝・青木柚がメインキャストなのだから当然期待はブチあがり。結果として、あの漫画の湿り気と虚無感をありありと実体化していた。最近の思春期感情暴走系の映画が割と救済まで描くのに対し、どこまでも突き放していた。中学2年生という年齢設定はやはり完璧。何をやっても未整理・未確認なままで気付いた時には全部が遅く、戻れない。

「風をあつめて」のハイライト的なシーンの見せ方が素晴らしかった。とてつもなくのどかな楽曲に対し、あまりにもスリリングなアングルと絶望的な編集だった。world's end girlfriendが担当する劇伴もノイズの隙間から零れる美しい音色がまさにこの映画の緊張感を表現していて絶品だった。つまりは、浅野いにおの持つ原作の質感を、ダウナーでシックな邦画らしく翻案した、再現度で言えばかなり文句なしの映像作品であった。完全実写化の範疇から外に行けたか?と聞かれればそうではないだろうけど、余計な足しがあるよりはこのバランスで仕上げたのは大正解だろう。元から浅野いにおを苦手な人たちは批判してるみたいで、つまりは大成功じゃないか。サブカル好きたち、たまに浅野いにおが嫌いと公言しないといけない呪いでもあるの?



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